主 2022-10-29 22:21:08 |
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>46 八重樫春臣・墨村筆
( 我ながら分かりやすい反応を示した自覚はあるため、勘のいい友人がその結論へ辿り着くもの自然なこと。向けられたにまにま笑いに照れたように眦を下げれば、その唇が象った応援の言葉にこくりと頷き。立ち去る友人を見送っては、電話越しの声に耳を傾けながらゆっくりと歩き出したものの、思いがけないお誘いによってまたすぐに足を止めることになって。都合のいい幻覚でも見ているのだろうか。思わず放心してしまったところで、休日につき学生帽の代わりに頭に乗っていた式神に小突かれて意識を取り戻せば、慌てて電話口へと声を向けて )『…………。っ、ありがとくーちゃん!――すみません先輩、嬉しくて理解が追いつきませんでした!』( 彼が思い悩まないようにと素直に沈黙の理由を口にしては、廊下の窓から庭園の方へと、何となしに視線を向けて )『わたしも筆先輩にお会いしたいので、ぜひ!――わたし、今校舎に居るのですが…先輩はどちらに?』
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