冷たい私と恋

(運び込まれてからしばらくすれば冷房を効かせた涼しい部屋の空間と脇や太腿に置かれた氷の冷たさや襟元が緩められて送られてくる冷風と先程まで外にいた時とは打って変わった冷たく涼しい自分にとって最適とまではいかなくてもそれでもかなり良い環境になれば、意識を取り戻すと、見たことない天井に戸惑いここはどこかと視線を巡らせればこれまた見たことない人がいて)

えっと……恐らく助けてくれた人…ですよね?
ありがとうございました、おかげで助かりました

(まだ少しふらつくが起き上がって頭を下げる。流石に初対面の人に自分は雪女で、あの暑さだと最悪どうなるかなんて説明した所で信じて貰えないだろうし、ここ最近の日本の夏の暑さは異常で、自分のように倒れて病院なる所へと運ばれる事が多いと聞く、それのせいにする事にして命の恩人だと深く頭を下げれば、頭を上げるとそこでようやく相手の顔を直視すると、自分達妖怪やその他人外に比べたら劣ってしまうが中々整った顔をしていると思う、ふとここまで世話になったし何より命の恩人相手に何もしないで出ていくのは癪に障ると思うと)

あの、お嫌で無かったらお礼として何かさせてくれませんか?

(見たところ人の子で言う所の10代後半～20代前半位の男性、男性というのは人にもよるが家事全般が苦手な人が多いと聞く、お礼として料理を振る舞うのを許してくれればそれくらいなら御茶の子さいさいの為やろうとそう申し出て)