匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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──……ええ、そうですね……。
( 確かに、年若い娘であるヴィヴィアンにとって、様々な変化のあったこの年は、長い長い一年だった。しかし、ギデオンの様な大人でも、たった一年前を懐かしく思ったりもするのかと、少し目を見開いて相手を見やれば。いつの間にやら向けられていた、熱く輝く眼差しに──あの時、私を受け入れて良かったでしょう? "待て"ができたご褒美は無いんですか? なんて。用意していた冗談などは、跡形もなく霧散してしまい。ずっと自分ばかりが、相手を好きで仕方ないようなつもりでいたが、もうそうではないのだ。自分が相手を愛しているように──この人も、私のことが好き。たったそれだけのことを自覚するだけで、胸の奥がいっぱいになって、短くなってしまった返事の代わりに。元々繋いでいた手元を絡め直して、その分厚い肩に形良い頭を寄せることで応えて。 )
ギデオンさんったら、……!
仰らなければ分からないのに。
( そうして、食いしん坊な恋人にくすくすと、溢れる愛おしさで相手の鼓膜を、触れ合っている半身を、小さく震わせれば。適当に見繕った席で取り出したのは、色とりどりの夏花が刺繍されたランチョンマット──に包まれた、サリーチェの家で愛用しているカトラリー数点。食べるのが大好きな恋人が、この国中の店が屋台を連ねる建国祭を、如何に活き活きと楽しむことか。そして、その普段見慣れぬ料理を深く味わう傍ら、薄く簡素な使い捨ての食器類に、毎度少なくない集中力を削がれていることも知っていたから。出発前に滑り込ませたシルバー類は、片手で楽しめる軽食となった昼には出番がなかったが、新鮮な魚を使ったカルパッチョや、豪華なサラダ、そして温かなスープなどに、役に立ちそうで良かったとギデオンの分を差し出せば。宝石箱のような王都の空に、小気味よい乾杯の音を響かせて。 )
また連れてきてくださって、ありがとうございます! ずっとまた来たかったの!
ギデオンさんが、好きでいていいって、言ってくださった場所だから……
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