匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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(晴れ渡る青空の下、まばゆい笑顔を向けながらこちらに手を振る己の恋人。その夏らしく晴れやかな装いに──だがそれでいて、いつかの美しい秋の夕をも思い出させる装いに、見開かれた青い瞳がまっすぐに透き通る。だがあのときと違うのは、「……」と投げかけるその双眸が、やがてふっと、ひどく穏やかな深まりを見せたところで。
相手が周囲とぶつからないよう、一瞬左右に目を配り、次にこちらに向いたそのとき。そこには、いつもより洗練された出で立ちの魔剣使いが迎えに上がっていることだろう。例年以上に客足が賑やかなはずの東広場で、ふたりのいるその空間だけ、人払いされたわけでもなしに不思議と開けているようだ。その状況の許すまま、白い靄から出でるように一歩相手へ歩み寄り。はにかむように小さく笑えば、しかしそのまなざしに、頭上の青空の陽射しに劣らぬ己の熱を絡ませて。)
……二十班の態勢で慎重に回ったからな、かすり傷も負わなかったさ。
(喉を低く鳴らしながら、自然と添えた己の片手。それがスカーフを編み込んだ髪を愛しそうに撫でてから、耳裏を滑るようにして彼女の頬へ触れる流れは、言葉より余程雄弁だろうか。こちらもまた体を屈め──とはいえさすがに人前だ、あくまで軽く触れる程度に、しかし甘さはたっぷり込めて、胸の内に湧き上がる想いの程を伝えれば。「……軽く食べた、と言いたいところだが。午前中は生憎その暇が見つからなくてな……おまえはどうだ?」だのなんだの。片眉をぐいと上げて誘う振りなどに興じながら、己の腕を差し出したのは、はたして照れ隠しなのかどうか。)
──今年のダンスコンクールだが、ドニーの伝手でテラスの良い席を取れたんだ。そこでゆっくりひと休みしながら、最終日のプログラムのどれを回るか、一緒にあれこれ相談しないか。
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