匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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いえ、ギデオンさんの方がもっと大変ですもの──……そう、ですよね。本当に、お疲れ様です。
( 久々に会えた喜びで、内心すっかり浮き足立ってしまったが──そうだった、と。数日前から改善するどころか、ますます悪化しているよそよそしい態度、合わない視線、そんなギデオンの対応に、ほころんでいた表情をみるみるうちに俯かせると。踏み込んでくれるなとばかりに付け加えられた発言に、思わず言葉を詰まらせて。それは決して相手の言葉を疑った故ではなく、寧ろ気丈なギデオンがここまで疲れ果てているにも関わらず、無力な己を呪ってのことだったが。果たして葛藤する年上男の目には、どう写ったことだろう。 )
──……待って!!
ありがとうございます、でも大通りを通って帰りますから、一人で大丈夫です。
( そうして、歩き出した広い背中に、慌てて太い腕に抱きつくようにして引き止めれば。これ以上、疲労の恋人を煩わせてはいけないと、つい真剣になってしまった表情を誤魔化すように、ぱっと笑いながら万歳の要領で手を離し。しかし、貴重な相手の休憩時間を邪魔したくない気持ちと同時に、久しぶりに会えた相手との時間が惜しい気持ちもまた事実で。相手を促すようにギルド側へと下がりながらも、良いことを思いついたとばかりに、静かに掌を合わせれば。殆どは相手を休ませてあげたい純粋な善意と、あとは無意識に自分の有益性を誇示したい、褒められたい気持ちがちょっぴり。先程まだ誰も使用していないことは確認したし、これくらいの公私混同なら許されるだろうと。他でもないギデオン本人から拒否される可能性など微塵も考えていない様子で、ほこほこと楽しげに微笑んで。 )
……そうだ!
そしたら代わりに仮眠室まで、私におくらせてくださらない?
さっきシーツ干したばかりなの、短時間でも横になると違いますよ。
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