匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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……
((……困ったな、)と。横の恋人が身を起こすその刹那、穏やかな笑みはそのままに、部屋の宵闇に視線を留めて密かに思案を巡らせる。──此度提案した指文字遊びは、その“変な触り方”に、寧ろ明るく慣れ親しんでもらうためのものだった。だがこの清純な娘には、それがまったく伝わっていない……というより、その手の戯れはまだ随分と気が早かったご様子だ。とはいえ、今宵の初めの“喜ばせたい”という話然り、或いは以前戯れた時は初々しくも必死に応じて乱れてくれていた記憶然り。男の浅はかな早とちりなどというには、いささか反証が見込まれるはず……ならば何故、このように?
──と。そこで初めて、そういえば前回は、帰ってきたギルバートの存在が大きかったことを思い出す。『……ギデオンさんの手で。パパがぜったい、しないこと。教えて、ください……』……そうだ、あれはたしか、娘の交際に口を出す父親への反発が弾みをつけていた夜だった。当時はこれ幸いとばかりに己の役得を堪能したが、なるほど、払うべきツケがきっちり回ってくるのがここか。……まあ逆に、先日ではなく今宵こそ、本来のヴィヴィアン自身に手をつけはじめたタイミングと看做せよう。どうやら気の長い──己自身の忍耐力とじっくり向き合う──戦いになりそうだ。)
……、そう強張らないでくれ。
取って食おうってんじゃないんだ。
(──さてはて、遠い眼差しはそろそろやめて、目の前にいる初心な娘との戯れに戻ろうか。青い視線を今一度相手のほうに上げてみせれば、先ほど散々不埒になぞった男の指に構える娘、そのあまりに哀れな生贄ぶりに、思わず吹き出すような声を。眼前に差し出されているたっぷりとした太腿に、無論浅ましい劣情を催さぬわけがないのだが、それより優先しておくべき下拵えというものがある。
故に、こちらもシーツをどけながらやおら起き上がったと思えば。その薄い白布に飾られた華奢な背中に手を回し、ぐいっと引き倒す要領で、再び寝台に沈み込んだ己、その両のかいなのなかに再び娘を抱き込もう。そうして上からばさりと、ふたりの躰を隠すように──それまでの邪な空気を清潔に取り払うように──大きな白いデュベをかけ。娘の躰を背後から、今一度ぬくぬくと味わいきってやりつつも、柔らかなシーツの下、己の無骨な掌を娘の腿へ滑らせる。
しかし今回はあくまでも、いやらしさは封印だ。その証拠に、今度は臀部の近くではなく、折りたたまれた膝の辺りにす、と指を宛がえば、今一度その五文字をゆっくりと書きだそう。……今ごろ“甘い”雰囲気なら、それこそこれをきっかけに話題を広げるつもりでいたが、こういった展開に備え、逃げを打つこともできなくはないところが、この遊びの便利なところだ。最後のyをなぞり上げれば、このくらいの妨害は許してくれと言わんばかりにその首筋に唇を寄せ。何ならヒントを与える体で、そっと吐息を吹きかけて。)
……俺はいつか、ヨトゥン巨人がこれから作る本物の酒を呑んでみたくてな──と、言ったらわかるか……?
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