匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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(いやはやまったく、その仕草のひとつひとつでこちらをきょとんとさせた挙句に、何を言いだすかと思えばこれだ。年頃の娘にとっては文字通り重大だろうが、鍛えた男にしてみれば、それこそ羽根より軽い話。故に苦笑交じりの声で、「気にする必要はないだろうに」と喉を鳴らしてみせるものの。その程度の台詞では、この可愛い恋人の顔が晴れないのだから仕方ない。)
……なんだ。
試しもせずに諦められてしまうほど、俺はヤワななりに見えるか?
(片肘を突く格好で腰から上を斜めに起こし、如何にもこれ見よがしにもう片方の腕を広げて。相手が寄越したその双眸に惜しげもなく披露するのは、布きれ一枚纏わないありのままの己の躰だ。──己が肉体を資本とする冒険者である以上、毎日のように鍛えてメンテナンスしているそれは、歳の割に肌艶がよく、リラックス中の今でさえ程良く隆々と張りつめたもの。多少の自惚れを差し引いたとて、十六も下のヴィヴィアン相手に決して見劣りしないつもり……なのだが。はたしてそれでは不足だったか、なんて弱気な論法は、しかし実際はったりで。その目元を優しく和らげ、伸ばした片手を相手のそれに重ねると、優しい声で説得し。)
お前のその長身は……そのまっすぐな長い脚は、市民の元にいち早く駆けつけるためにあるんだろう。
俺はそれごと、お前のまるごと全部が好きなんだ。
──だから、おいで。
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