匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
|
通報 |
──……いえ、私たちったら、おかしいですね、ふたりとも。
私も、同じ気持ちです。むしろそれだって待ちきれないくらい……!
( これまで訪れた3軒だって、どれもこれ以上なく素晴らしかったにも関わらず。この家に足を踏み入れた途端、一つ一つの部屋を見てまわるたび、ここにはテーブルを、あそこにはドレッサーを置いて……と、まるで未来で見てきたかのように、これから訪れるだろう生活の光景が見えたのが自分だけでは無かったと知り。すり、と触れる鼻先に、溢れる幸せをくすりと零せば。目の前には、気持ちの通じあった最愛の相手がいて、これからはずっと一緒に生きていく。そんな向こうしばらくなんの憂いもない幸福に目が眩み、さらりと聞き流してしまった"共益費"というワードが、一悶着を起こすのはまた少しあとのお話。
「まあ、俺としては有難いよ」と、何を言う前から全てを察したようなフェニングの苦笑に迎えられ。もう時間も遅いから、手続き自体は翌日以降にしよう、と。それからの話の進みも、とびきりぐんと早かった。ふたりの今後を決める本契約の席には、ビビも同席したかったのだが、どうにも体調が優れなかったり、定期検査なりなんだり。結局 事務的なそれは、当初ギデオンが申し出た通り、すっかり相手に任せきりとなってしまえば。やっとそのお願いを口に出来たのは、ギデオンの久々の休日に、兼ねてより約束していた新居用の家具を見に行く前日のことで。サリーチェと比べればずっとこぢんまりとした下宿のソファで、ギデオンの入れてくれたホットミルクをちまちまと舐めながら。相手が夕食の皿を洗ってくれている(退院以後、何度頼みな込みだめ透かしても頑なにやらせて貰えない)のをいいことに、仕事帰りの上着にブラシをかけて終わると、翌日休みの恋人に近づき、そっと背中に抱きついて。 )
ねーえ、ギデオンさん。
もしお荷物じゃなかったらですけど、明日おうちの契約の書類、持ってきてくださいませんか?
それか用事の後、ギデオンさんのお家に寄るとか。
ふたりのことですもん、ちゃんと私も見たいです。
| トピック検索 |