匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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( ギデオンの登場に、助かった……と、深い安堵に包まれたのは最初だけ。カヴァス犬から隠れるように、硬い鎧に額を押し付け、ギデオンがしゃがみこむままに従ったその背後。己の相棒が犬にかけてやるその爽やかで優しい声色と、振動となって伝わってくる暖かな触れ合いに、顔を埋めたビビの機嫌は急降下していく。生憎、顔を上げられないので推測になるが、ビビの大好きな優しい視線と、温かい掌、それが先程の犬風情に盗られているのが堪らなくって。ムカムカと湧き上がる苛立ちと、耳元で震える生暖かい吐息への恐怖を、ぐりぐりとその頼もしい背中に押し付ける。そうしてギデオンがようやく立ち上がる頃には、ぐしゃぐしゃになってしまった前髪もそのまま、楽しげな相棒とは裏腹に、この娘にしては珍しく、無愛想に不満や憤りを顕にした表情を浮かべて、おもむろにギデオンの両手をとり。そうして大いに可愛くない態度でぶすくれたまま、ポケットからハンカチを取り出したかと思うと。先程までカヴァス犬と戯れていたギデオンの掌をゴシゴシと拭って、そのまま自らの頭上に導き。ビビの奇行にギデオンが困惑の表情を浮かべるならば、自らぐりぐりとその手に頭を擦り付けるだろう。 )
犬"も"ってなんですか……別に、仕事中はちゃんと連携するんだからいいでしょ。
…………、あの子たちだけ狡い、私だってギデオンさんに撫でられたいけど、いつも我慢してるのに。
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