匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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あ……
( ──だって、この真面目で優しい相棒がする事が、褒められたことじゃない、不純なものだとは思いもしなかったのだ。強く長い手脚の檻の中、その身を縮こまらせたヴィヴィアンを串刺しにする薄花の瞳。この美しくも恐ろしい輝きに、シルクタウンの夜に見た、獲物を前にしたワーウルフを思い出す。普段はただ嬉しいだけの触れ合いが、背中に触れるギデオンの掌が火傷しそうに熱くて、恐ろしい瞳に射抜かれた身体は硬直して、冷たい汗が止まらない。──ハグやキスは良くて、それ以上は怖いって……その間に一体なんの根拠があるんです? いつかそう呆れた顔をしていた親友の話を、聞き流したバチが当たったのだ──この一ヶ月、与えられるまま許されるまま、ただのキスだからと、その幸福をいいように貪り、何度も何度も強請った記憶が甦り。発光しそうなほどに赤面し、涙目で首を振るヴィヴィアンはしかし、親友の真意を強かに誤解している。──ハグやキスと、それ以上の行為。そのどちらも、恋人同士に関係であるお互いが許すならば、何を躊躇うことがあるのか、という初心な親友の背中を押してやらんとする発言に──流石のリズもこの24歳児の初心さを甘く見ていたのだろう──寸前のギデオンの囁きも相まって、ビビの中でハグやキスでさえも、はしたない、浅ましい行為に成り果てていく。可哀想にガチガチに固まった身体を揺すりあげられ、「ひゃッ、」と小さく震え上がると。甘く開いた唇を、それが淫らな事だと知ってしまった今、素直に許容できる訳があるだろうか。しかし、必死に相手の唇を両手で覆い隠したところで、教えこまれた幸せを忘れられる訳もまた無く。自分で拒絶しておきながら、モジモジと数度言い淀んだヴィヴィアンが、やっとの決心で潤んだエメラルドをギデオンに向けたのと、「おーい、そろそろ引き上げるってぇ」と、どこからとも無く、間の抜けた集合がかかるのがほぼ同時だった。 )
──……だっ駄目! …………その、今はギルドの旅行中だから!
……、だから…………帰ったら、して、ください……
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