匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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はい……
( 冷静を保とうとするギデオンのその指示に、まず真っ先に湧いたのは他でもないビビの同期達だった。見事訓練参加を引き当てて、お目当ての水着にありつけただけで留まらず、それを間近で見ていいんですか、ありがとうございます! 余裕ある大人ってすげえ! といった次第である。わっと湧いた同期連中の周囲に、他の連中までわらわらと集まる潔い光景のその一方で、肝心のビビの方はと云えば。これがあの病院の昼下がりの以前であれば、けろっとせいぜい頬を膨らませていた程度だっただろうが。この1ヶ月で、相手の愛情を求めるがまま、甘やかされ切った乙女心は、ギデオンの分かり辛い反応にみるみるしぼんで、丸い頭がしょんぼりと垂れる。──やはり、この無駄な贅肉のせいだろうか。ここ暫くビビなりに食事制限を頑張ったりもしたのだが……いつも大切にしてくれるけど、リズと比べて見苦しく思ったのかな。そうして思い出されたのは、丁度1年前。この街に来る直前にビビがした質問に、思いっ切り顔を顰めた相棒の姿で。──水着は好かん──……そうだ、何故忘れていたんだろう。あの時よりもずっと大好きになった相手から、可愛くないと思われているかもしれない事実が耐えられず、形の良い眉を頼りなく下げれば。書類を受け取りながら、微かに潤んだ瞳でギデオンを見上げて。 )
…………あの。やっぱり……可愛く、……ない?
……私、はしたない、ですか?
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