匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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……ッ、
( 覚えていない訳がない、忘れられる筈がない。それは他でもない、ヴィヴィアンがギデオンを好きで、大好きでたまらなくなった最初の夜だ。今でもその気持ちは薄れるどころか、日増しに強くなるばかりで、しろと言われれば今すぐにでも、この場で誰にも負けない熱烈な愛を語れる程だというのに。目の前で開かれたギデオンの目が、始めて見るほど美しくて、穏やかな微笑みが酷く心臓に悪かったものだから、どうしようもなく一瞬押し黙ってしまう。
それに──嗚呼違う、落ち着かなければ。この人が言っているのは、共にワーウルフを倒したかの夜のことで……この優しい大好きな手が、ビビの頭を"二、三撫で"てくれた、初めてギデオンに迫ったあの夜の事じゃない。今回の件もシルクタウンの件も、どちらも気の毒な被害者がいる深刻な被害で、そうでなくとも13年の呪縛から解かれたばかりの相手に、身勝手に湧き上がるこの期待をぶつけてはいけない。……その覚悟を目の前で決めているのだ、それこそ一年間隣にいてくれた相棒にはバレバレかもしれないが、それでも高鳴る心臓を押さえつけ、一度ぎゅっと目を閉じたかと思うと、緩みそうになる表情をなんとか引き締めて、"良い相棒"の顔を用意すれば。いつもの純粋な好意だけが、爽やかに滲む声でなんとか返事を絞り出して。 )
え……ええ、あの夜のギデオンさん、すっごく格好良かったですから!
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