女将 2022-05-21 11:02:42 |
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【>73】 浅黄ちゃん
( 素直な彼女の嬉しそうなさまは見ている此方まで嬉しくなるようで。何気なく気付いたことだったが、やはり入念な手入れあってこその美しさだったらしい、普段耳にしないようなケア用品の名前に大変やなあとゆるい合いの手を入れ。「お。晩飯やぁ、おおきに」やっとありつけた食事に腹の虫が鳴るのを堪えながら、去り際の一言には「もう、よしてや女将さん、そんなつもりとちゃうよお」と笑い混じりに。京都人のやりとりのような重なった迂遠な表現はもしかすると彼女をますます混乱させてしまうかもしれないけれど。いただきますと両手合わせて煮付けをつつきながら「…へえ?自分のためやないんや。誰か…って、浅黄ちゃん美人やしええ人の1人や2人や3人、そらおるか。けど、たまには『私の手ェ綺麗!私も綺麗!』って、褒めたげるんやで。……もうこんな時間や、お勘定ええ?」食事しながらぽつぽつと。元々早食いのきらいがあるためにこれでものんびりと食べた方だが、穏やかな時間はあっという間だというのもまた事実。いつも来るのが遅い時間なのだから、滞在時間が短く感じるのは毎度のことでもあるけれど。財布を出して会計をしながら、「おにぎり3つ、今日もお土産に包んでもろてええやろか。いつも堪忍な」いつも通り、お土産分を含めて少し多目に支払って。帰り際、見送ってくれる彼女に )
今日はあんがとな、ご馳走さん。さっきも絡まれてたし、お仕事終わったら気ぃつけて帰るんやで。ほな、また。
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