Melt your heart 〆

さっき、話せなかった事もあったからそれのついでに話せればと思ったのよ
(こちらはもう食事を済ませ、家族団欒と言う名の堅苦しい会話に少しだけ気疲れをしているが、先程のときでは話せなかった事を貴方の食事を運ぶついでに来たのだと話せば「中に入るわよ」と断定系の問いかけをすればテーブルに食事【少しのお肉が入ったリゾット】を置けば、ベッド近くにある椅子に座り「私はユリウスが食べ終わるまで本を読んでいるから気にせず食べていなさい」と言うと他国語の字が書かれた本に目を向け、わざとこちらを気にしないように本を持ってきたらしく)

…ありがとうございます。いただきます。
( まさか、お嬢様自ら運んできてもらえるとは思ってもおらず、そのまま運ばれた胃に優しそうな料理を見て。椅子に座れば、言われた通り、一口リゾットを食べれば優しい味に息をつき。本を読む相手を時折気にはするものの、特に居心地が悪いとかそういうことはなく、黙って最後まで食べ進める。)

ご馳走様でした。美味しかったです。

そう、それはシェフも喜ぶでしょうね
…さて、本題に入るわ。ユリウス、貴方の半生、つまり奴隷としてされた事の全てを話してちょうだい。
(美味しかったと聞けば、舌は通常の感覚をしていると味覚障害なんかは無さそうだと判断しては、本を閉じ、椅子に座ったまま相手の方を向けば、本来ならトラウマとかになっている可能性のある過去話を掘り返すのは通常なら駄目なのだが、相手が何をされて何が嫌だったのか主人として知る必要があると言うと手に持った扇子で口元を隠し、そう切り出せば「ちなみにユリウスが何をして、何をされていても同情も引きもしないわよ」と付け加え)

物心ついた頃から奴隷商にいたので、自分の親のことはまるで分かりません。
…奴隷商の中では掃除、荷運びなどの労働。外では用心棒の仕事をするために、体術剣術などの訓練を受けてきました。まぁ、訓練と称して複数人から暴行を受けていたが正しいか。ある程度強くなってからは、護衛のような危険な仕事につくことが多くなって…、人を殺せと言われればそれに従って。

( 奴隷ときでされてきたことや、してきたことなど山のようにあり、どこから話していいものなのか、はたまた、こんな話を聞いたらきっと気分を害されるのではないかと思ったが、自分のためだという相手の言葉を信じ、思いつくところから話始める。身体に今も残る傷跡は昔から暴行を受けできたものだと語り。前髪で顔を隠していたことに関しては、別の理由があるのだがそれも聞きたいだろうか。もう既にかなり幻滅されるような内容を話しているため、そこで1度話を辞め。)

そう。
なら、護衛として雇うって事にしたのは正解ね。
でも…それだけなら前髪で顔を隠す必要も無いし、何よりその顔立ちなら、そうね…一夜も買われていたのでは無くて?
(親の顔も知らず、暗殺、護衛と行った体術が得意なら自分の判断は間違いではなかったと零せば、人も殺したと聞けばそうだろうなと納得しているのか特に顔色を変えることないが、相手が言わなかった部分を、前髪を長くしていたこととその顔立ちからそういう仕事もしていたのではないかと言うと、流石に貴族と言うだけあって男性も女性もそういう事は学ぶため恥じらいなどは見せず)

…その通りです。女も男も、この顔が｢その気｣にさせるようで。何度もこの顔であったことを恨みました。
なので、前髪を伸ばしてできるだけ人目につかないようしていたのですが。
( 奴隷として生きてきた中で一番辛かったのは暴行を受けたことでもなく、そういう行為を強要されてきたことであったと述べれば、世間的にはこの顔は綺麗だと言われるのだろうが、自分にとっては忌々しいことこの上なく。このまま顔を隠していきていくのだと思っていた。)

まぁ、その顔で尚且つほぼ無償ならそうするでしょうね。
……前髪、切らない方がユリウス的には良かったかしら?
(平民ならお金を払って娼婦を買うものも居るにはいるらしいが、お金がそんなに無く尚且つ顔の良い相手ならそうなるのも分からなくはないと答えれば「なら、安心なさいな。そういう事はここでは無いわ。あっても反撃なさい」と様々な貴族も出入りするため、その可能性がゼロとは言えない事に心苦しくはあるがその場合は反撃してもいいと言い、それならと髪を整えさせた事を少し後悔しては「でも、貴族の女性も狙われるのよねぇ」と貴族の女は護衛が居るから攫うにはリスクもあるものの、身なりも良く、顔立ちも体も平民に比べて良いのは間違いため、自分とてそういう輩に狙われた事はあるのだと思い返したのかついつい呟いて)

いえ、そういう環境から抜け出せたので、今はこれでいいと思っています。
( 前髪については、これからそういったこともなくなるのであれば不要だとわかっているようで。しかし、全くないわけではないということも分かってはいて、相手が反撃をしていいとの言葉に、自分の意思で決めていいのだと改めて実感する。貴族である相手もそのような輩に狙われることがあると知ると、絶対に自分が護衛となれば、そんな奴らには指一本触れさせないと心に決め。)

あら、そう?
まあ…私が決めたのだも当たり前よね
(切ってしまったものは取り返しがつかない為、今のままで良かったと相手からしたら言われれば内心ほっとするが、自分が決めたのだからそうなるのも当然と、今更なんか上から目線で言葉を言って胸を張れば「あの汚らしい手でベタベタ体を触れられるのは本当に不愉快極まり無いのよね」と遠い目をするも、その男達は貴族のしかも伯爵家の令嬢に手を出したのもあり、男として不能にされたが、その事は言わず「だからこそ、ユリウスの働きは期待するし、何よりも重要なものよ」と扇子でユリウスを指せばお分かり?と小首を傾げて)

はい、誠心誠意守らせていただきます。

( 相手の言葉に頷くと、誓いの言葉を立てて。それにしても、その相手を襲った男はどうなったのか、きっと再起不能にでもなったのだろうと推測するが、心配なのは相手のことで。触られてきっと不快な思いをし、下手をすれば男性恐怖症になっていたかもしれない経験だ。それをこのように話していることからは全く感じないが怖かったのではないかと思う。 )

えぇ、その言葉違えないで頂戴ね
(相手の言葉に満足気に頷けば、相手の顔を見れば「怖くはなかったわ……ただ、結婚前にそういう事を行った貴族の女性はキズモノとされ、婚約がかなり難しくなるのよ」と説明すれば、未婚の女性は未経験が当たり前で、主人にだけその肌を晒すのだと言えばだからこそパーティドレスも露出の少ない衣装を凝らし、逆に露出の高い服装ははしたないとすらされると貴族のルールを説明すれば「楽しかった思い出や出来事、好きな食べ物なんかは無いのかしら?」と問いかけ、貴族は皆傲慢ではないと教えるために心の距離を詰めようとしているらしく)

食べ物はとくに…、好きなことになるかはわかりませんが、音を聞くことですかね。雨の音や、鳥の声など、自然から聞こえてくる音を聞くと落ち着きます。
( 好きな食べ物は特になく、好きなことと言われてもぴんとこないが、ふと奴隷だったときに、外から聞こえる自然の音が唯一の癒しだったと思えばそう相手に伝えて。)

自然の音が好きなの?
なら、私と同じね。自然は良いわ、特に海なんてどこにでも行けそうに感じるし、鳥の囀りは聞き心地が良いもの
(賑やかな場所より物静かな場所が好きと聞けば、それは自分も好きな為思わぬ共通点に表情が少し明るくなれば、海や鳥、森のさざめきも心が落ち着いて良いものだと肯定すれば「好きな食べ物はこれから探せばいいわ。これからはそういう自由が許されるのだから」と微笑みを浮かべれば、長居しすぎたかと思い立ち上がっては「明日の朝、私は6時に起きて学校へ行く支度をするわ、それまでに支度を整えておくこと」とセバスが呼びに来る前に支度をしておく必要がある為自分の起床時間とそこから逆算し8時頃に家を出ると説明し)

海…機会があれば行ってみたいですね。行ったことがないので。

( 相手と共通の好きな物について話せたことは自分にとっても驚きで、相手から出てきた海という場所には行ったことがなく、きっときれいな場所なんだろう、相手とぜひ行ってみたいという気持ちになる。好きな食べ物もこれから見つけていこうと心に決めて。相手の予定について頷きながら聞けば、早起きはもともと得意な方であると告げ、予定を把握しておきますと言い、立ち上がった相手と共に自分も立ち上がり。)

じゃあ、明日から頼んだわよ
(そう言って部屋を出ていけば、自室に戻り時間も時間だった為メイド達にお風呂に入れられ、髪や体を丹念に洗われて、お風呂から上がり髪や体の水分をメイド達が拭き取り、夜着のロングワンピ型の透けないネグリジェを着せられれば、通常の時間通りに睡眠を取り、翌朝になれば身支度をメイド達が整え、学校の制服をきっちりと着こなし、朝食を食べてと支度を終えれば、あっという間に学校を出る時間になり、馬車に乗り込んでは、相手はきちんと居るかなと馬車の中から視線をそちらにやり)

( 相手が出ていってからは再びベッドに横になり、寝ることにして。
迎えた心地の良い朝日に目が覚め、予定の起床時間よりも早かったがセバスから聞いた通りの服に身を包み、朝食も同様に胃に優しい物が用意されていたのでそれを食べて、支度を済ませれば相手のいる場所へセバスと共に向かい。)


おはようございます。

おはよう。
昨日は良く眠れたかしら?
(セバスと共にやって来た相手におはようと挨拶を返せば、慣れぬベッドで良く眠れたかと問いかけるも、顔色は良いためどうやら大丈夫そうだと内心ほっとすれば「これから学校へ行くわ。学校へ着いたら1人だけ護衛を付けられるの、ユリウス。頼んだわよ」と本来ならセバスが良いのかもしれないが、貴族とは何か、貴族に対して求められる対応やいずれ共に行く舞踏会への前準備として、小さな貴族社会になっている学校の中へと考えているらしく「側にいるだけでいいわ。その雰囲気を感じるのは良い刺激になる」と説明すれば良いわね?と了承らしき了承は求めておらずほぼ確定のようで)

はい、久しぶりにゆっくり寝られたので気分がいいです。

( 相手の気遣いの言葉には事実を告げ、実際疲れもとれ、とても動きやすくなっていることから、ゆっくり休むことができたと言えるだろう。次に紡がれた相手の言葉には、少し驚き。自分が相手の傍にいるとは言ったものの、学校の中でもとは思っておらず。しかも昨日今日の話なので、自分にできることに些か不安な気持ちにもなる。しかし、そばに居てくれればいいという相手の言葉に頷き行動を共にすることを了承して。)

なら、馬車の中に乗りなさい。
軽くだけど、貴族への最低限のマナーを教えるわ
(相手が突然のしかも昨日の今日で別の貴族と接することへの不安も重々わかっているが、それでも自分の周りには相応の振る舞いを熟知したご令嬢しかおらず、これまでの扱いから貴族に対してあまり良い印象派抱いていて居ないであろう相手への荒療治のつもりらしく、基本話しかけられないし、触れられもしないとは言うが、それ相応の立ち振る舞いはある程度必要になるからそれは道中馬車の中でと言うと、言うだけ満足したのか時間も迫っていると言って執事の手を借りて馬車に乗れば相手が乗るのを待ち)

はい。
( 相手の考えには納得したようで、時間も来ていることから相手に続き馬車へと乗り込めば、向かいの席へと腰を下ろし。礼儀作法やマナーなどについて聞いてできるかは分からないが、やってみるのが一番身につくということも分かっているため、大人しく相手の話を聞くことにして。)