夢の1着を目指して〆

【小鳥遊雄太】

そうだな…まあ、信頼を得るにはまず俺が腹を割って話すべき、か…。言ってしまえばトレーナーになったのには特別な理由はないんだ、ガキの頃からの夢だったってだけさ。…どちらかといえばトレーナーになった後の夢…いや、野望とでも言えばいいのかな、そっちの方が重要だろうな。俺はな、壁を壊したいんだ。日本の枠組みを超えて世界に通用するウマ娘を担当したい…こんなことをトレーナーとして何の実績もない俺みたいな若造が言ってりゃ、そりゃ周りの目も冷めたものになるよな
(まさか相手の方から質問を投げかけてくるとは思わず驚くが、多少なりとも歩み寄りを見せてくれたのだから、こちらも誠意を見せようと思い自分がトレーナーになった理由と目指す目標を語り、周りから孤立している理由は夢物語を語りながら選り好みばかりしている自分に原因があると自虐して)

【エイシンフラッシュ】

…わかりました、それではお言葉に甘えさせていただきますね、お礼はまた後ほどゆっくりと…それでは参ります
(半ば無理矢理な形ではあるが、そこまで言われて断るのは逆に失礼だと考えれば、タイムの記録は相手に任せることにして。とりあえず、これまでのやりとりで既にトレーニングの時間が押しているため、お礼はまた後で改めてとお辞儀だけしてから再びコースを走り出して。相手の手元のスケジュール帳にはその日のスケジュールやその日の体調のことなどキッチリ項目に分けて書き込まれていて、そこからも几帳面さがうかがえて)