着ぐるみパンダさん 2022-02-12 16:39:37 |
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楽になったのなら良かったわ。
フフ、私でも、役に立てることはあったのね。
………分かった。ここにいる。
( 相手の言葉に、もう一度にこりと微笑むと、楽になったという言葉に安堵する。また、続けられる言葉に、自分の無力さが少し晴れたような気がして嬉しそうに頷く。
しかし、触れていた手を退けられ、立ち上がる相手の気配を感じれば、待っていろと言う言葉に少し視線を泳がせた。この手が行き場を失うのは、なんだか少し寂しい。だが、それを口に出すことはなく、足音が聞こえなくなるまで其方を見つめていれば、暫くして辺りは静寂に包まれる。
立ち上がることも無く、体勢を変えて膝を抱えれば、肌を掠めゆく冷風に肩を震わせる。
優しい彼を疑いたくはないが、待たされるのはあまり好きではない。だって、このまま戻ってこなくても、自分は追いかけることも、探すことも出来ないからだ。幼少期には、よくからかわれ、置き去りにされた。
それでも、とにかく今は、相手を信じてその場で待ち続けた。 )
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