〆 Your sweetheart

バイトまでは結構時間あるし、ダーリンにご飯作れるなんて最高じゃん。
俺も無理のない範囲でやるだけだって。

( ダメ押しのように再度料理下手を公言する相手が面白くて、思わず小さく吹き出すと、遠慮がちな言葉に笑顔で上記を返す。
バイトといっても、日が暮れてから故に、夕方の時間は空いているし、何より好きな相手の為ならば喜んで料理ぐらい作れるのだ。
だが、相手の気持ちも組んで、無理のない範囲でやるということもきちんと付け加える。そもそも、あまりにも毎日入り浸っては流石に迷惑かもしれないので、そこはちゃんと空気を読むようだ。
そして、やっと注文するものを決めたのか、メニュー表から顔を上げると、卓上のベルを押して店員を呼んだ。)

…こちらとしては、作ってくれるなら有難いが。

( 相手の言い分には半分納得するも、やはりただで作ってもらう訳には行かないだろうと思いながらどうしたもんかと心の中では考えを巡らせていた。

ベルで呼ばれた店員に先程のメニューを指さしながら伝え、食後にはデザートもと付け加える。閉じたメニューを元の場所に片付けると、先程の話を思い出し、自分の家には基本的な用具はあるものの冷蔵庫の中は見事に酒ぐらいしか入っておらず、そうなると買い出しもしなければいけないなと思いながら考える仕草をする。)

( 有難いとの返答を受ければ「 任せてよ 」と、嬉しそうに返す。どうやら、迷惑どころか相手が喜んでくれるようで、それならば毎日作りに行ってもいいなぁなんて先程とはうって変わって考える。

相手が注文を終えたのを見て、自らもオリジナルのカレーセットと食後にいちごのパフェを注文し、注文を取り終えた店員を見送れば、何やら考え込んでいる様子の相手を見て、何やら察するところがあったのか頬杖をつきながら口を開く。)

お礼とかは要らないからね。
…その代わり、一緒に買い物行ったり、遊びに行くのに付き合ってよ。

わかった。じゃあ時間が空いたら頼む。

( 相手がそれでいいならと、渋々納得することにし。それにしても、人にご飯を作ってもらうなんて一体いつぶりだろうか。実家にいるとき以来だと思う。相手の作る料理が楽しみだと少し心が踊ったが、やはり表情には現れない。

自分が他人と、ましてや会って少ししかたっていない相手とこうも関係を深めることになるとは、思いもよらず。不思議と相手とは一緒にいても苦にならないし、人には相性というものがあるのかもしれないと思う。 )

( 相手からの返答に、承諾の意を示すようにニッコリと笑えば、内心、それとなく2人で遊びに行けることに喜んでいる。本当に嫌ではないだろうか、と再度相手の顔を見つめるが、やはり表情は乏しいようで、表情を見ただけでは相手の本意は見えなかった。
最初に作るならばどんな料理が良いだろうと頭の中で考えていれば、先程相手が言っていた「買ってきて食べる」の言葉が気になって、その事についてぶり返すのだった。)

え、ダーリン、今までずっと出来合いの物食べて、体調とか大丈夫だったの？

( 最近のコンビニやスーパーでは様々な惣菜やおかずが買えるにしても、やはり好みばかり食べてしまったりするし、手作りに比べると栄養面に不安はよぎるだろう。そんな生活を一人暮らしを始めた当初から行っていると思うと、思わずお母さんのような心配が口をついて出た。)



( ／背後失礼します！！
すみません…今日から2週間ほど多忙になるため、数日返信できなかったりするかもしれませんが、ご了承頂けると嬉しいです！ )

体調は大丈夫だが、栄養は偏ってるだろうな…。めんどくさかったら抜くこともあるし。

( 相手の質問に今までのことを思い返せば、体調を悪くしたことはないが、同じようなものを選んで食べたり、面倒だと思ったら食べないということもしばしばなので、栄養に関してはなんとも言えず。 )

清峰は、何を作るのが得意なんだ？

( そう言えば料理が得意といっても色々だろうし、どのような物が作れるのか聞いてみたいという思いから質問をする。その間に頼んだ物が店員によって運ばれてきたので、おしぼりで手を拭き。 )




(/了解です！大丈夫ですよ！)

( へぇ、えー、そっか、など、先程から逐一相槌を打ちながら話を聞けば、相槌の内容によって表情もコロコロと変わる。特に、笑顔は絶やさない質らしい。
しかし、自分もたまに面倒くさがって食事を抜いたりすることもあるので、大学生の一人暮らしなんて大抵はそんなものかとも思う。
続けて、此方へ質問を投げかけられると、今度は得意そうに胸を張ってみせる。)

俺も好き嫌いないし、何でも作るよ。
でも、どちらかと言えば洋食が得意かな。
パスタとか、オムレツとか…

( 指折り数えながら料理名を言っていくと、運ばてきた相手のハンバーグセットをみて、「あ、ハンバーグも」なんて付け加える。料理も含め家事全般得意だが、特にバイト先でも役にたつ料理、そのうち洋食は1番得意らしい。)

洋食か。
たのしみだ。

( 多くは語らないが、とても楽しみに思っているのだろう。相手の得意料理を聞けば、自分は本当に料理が苦手なため、作ってもらう際には、作るところを見せてもらおうと心に決めた。

運ばれてきたセットが揃うと、両手を合わせ｢いただきます｣と言い、ハンバーグを1口食べると、ファミレスのハンバーグも中々美味しいなと、少しばかり感動する。朝食べてきていないこともあり、余計に美味しく感じるのだろう。相手のカレーセットを見ると本当にファミレスというのはなんでもあるのが、人が集まる理由なのだろうと思う。 )

( この短時間でも分かったことが幾つかある。
1つ目は、相手はあまり感情を表に出すことが無いということ。これは昨日会った時から思っていたが、実際にここまで話してみると、やはり言葉も少なく、表情の起伏がない事が伺える。2つ目、一人暮らしで、先程の会話から分かるように、家事が苦手であまり自分に関心がないこと。3つ目、これは紛うことなき事実だが、やっぱり優しくてカッコイイと言うこと。)

どう？初めてのファミレスの味は。

( 上記を述べながらにこにこと、律儀に挨拶をしてハンバーグを頬張る相手を見つめる。確かに何を考えているのかはまだよく分からないが、此方といえば、気配りのできる優しい相手に夢中になってしまうばかりだった。
運ばれてきたカレーセットを前にしながらも、頬杖を着いて相手を見つめるばかりだ。 )

うまい。
値段も安いし、学生とかに人気なのも分かる。

……カレー食べないのか？

( 味も普通に美味しいのに、値段が安いことには驚かせられたと素直に相手に感想を述べる。
ふと目の前の相手に視線を移せば、カレーに手をつけずこちらを見ていることに気付き、食べているところを見られていることに少し気恥ずかしくなり、問い返して。 )

……あ、ごめんね。照れちゃった？

( 相手からの返答に、これまたうんうんと頷いていると、続けられる相手の言葉にハッとしてスプーンを手に取った。流石に、見すぎたか、と反省しつつも、相変わらずのおちゃらけ振りを発揮しつつ、照れた？なんて聞いて笑ってみせる。)

ぅんっま！
自分で作るのも好きだけど、やっぱ店で食べると違うな。

( いただきます、と相手に習って手を合わせると、カレーを一口口に運んで上記を述べる。大袈裟とも捉えられるほど、片手を頬に添えて嬉しそうにしている姿は、なんだか子どものようで。しかし、本人はそんなこと気にもしていないらしく、夢中でカレーを食べ始めた。 )

( 照れたと言われれば、そうなのだろうか。なんとも表しにくい感情に困りながら、特に返事をすることなく、ハンバーグを食べ進めることにした。)


…ふっ。
( カレーを夢中で食べる姿に、美味しそうに食べるもんだと、思わず今度はこちらがじっと食べている姿を見てしまう。その微笑ましい姿に、思わず少し口元が緩むのが自分でも分かった。なんだか可愛い小動物でも見ているようだ。

ふと相手の口の端にカレーのルーがついていることに気付き、何も考えず相手の口元に手を伸ばせば、指で僅かなルーを拭き取り、拭ったそれを自分はなんの躊躇いもなくペロッと舐めて、｢思ったより辛いな｣などと、甘党ならではのセリフを呟くのであった。 )

( 口元を緩ませた相手が新鮮で、思わず「 何？」と此方も更に頬が緩んでしまう。クールな所もカッコイイがらこうして笑ってくれると尚のこと相手に惹き込まれそうになる。
意識すると変に緊張するな…なんて考えながら、気を紛らわすためにも残りのカレーを頬ばれば、ふと、相手の手が此方に伸びてきて、口元を拭った。

突然のことで呆気に取られ、動きを止めて相手の顔を見つめていると、拭った指を躊躇いもなく舐める相手を見て、思わず顔を赤らめる。)

………いや、あ、甘すぎて、心臓爆発しそう。

( 辛いと零す相手に頓珍漢な回答をしながら口元を拭うと、みるみるうちに顔へ籠ってくる熱を覚まそうと水を一気に飲み干した。 )

？そうか？
俺、辛いの苦手だから、そのカレーでも十分辛いと思った。

( 自分がしたことの重大さを理解しておらず、相手の様子には、｢甘いのに顔真っ赤だぞ｣と不思議に思う。相手が水を飲み干す様子にはやはり辛かったのだろうか、と自分も手元にある水を少し飲んで。やはり顔が赤い相手には、｢大丈夫か？｣とじっと相手を見て問いかけ。)

だ、大丈夫…。

…ダーリンってさ、実は結構天然だったりするっしょ？

( じっとこちらを見つめて、心配するように声をかけてくらる相手に対し、咳払いを1つしながら返事をする。変にかいた汗を拭えば、尚も此方を見つめていると相手に対し、天然なのかと問いかける。実際、そんなの当事者が分かるはずはないだろうが、思わず口走ってしまう。
あの顔でそんな行動をされると、男だろうと女だろうと勘違いするに決まっている。おまけに、一応こちらとしては好意をそれなりに露わにしているつもりなのだが…きっと彼はらそれにも気付いてはいないのだろう。 )

それならよかった。

天然？
言われたことはないぞ。

( 大丈夫だと言う相手の様子には、よかったと安堵のため息を1つ。相手から放たれた｢天然｣という言葉にはまるで縁がなく、実際自分がそうなのかと聞かれれば思い当たる節もないと、少しだけ考えるポーズをとる。先程までの行動で、どこか自分にそのようなところがあったのだろうか。

さっきから妙に落ち着かない相手の様子には、｢なんだか可愛いな｣と心の中で思っている。しかし男に可愛いという感情をもつのはどうなのだろうかと、その点についても思考を巡らせていた。 )

( 相手の言葉に、そう？なんて言って首をかしげながら笑いかけると、他愛もない会話をしながら残りのセットメニューも順調に平らげていく。
彼の場合、天然であることを指摘してくれる人がいなかった可能性もあるが、自覚がないほどに天然であることも考えられる。そう思うと、なんだか可笑しくて肩を竦めてしまう。

更に暫くすれば、食の進み具合を確認していたのであろう店員がやってきて、食後のデザートについて了承を得れば、再度裏の方へと去って行ってしまう。
その様子を見届ければ、ふと、今更ながらにも気になって少し気まずそうにしながらも相手に問い掛けた。)

あー、そいえばさ、俺、もう分かると思うけど…こんな感じで適当なヤツだし。
正直、初対面から馴れ馴れしくて印象悪かったかなとか思ったんだけど…実際、どう？

いや？そんなこと思わなかった。
こんな俺に構うなんて変わってるなとは思ったけどな。

それに、適当なやつじゃないと思う。バイトとか、一生懸命やってる姿見たら、かっこいいなと思ったけど？

( デザートを1番楽しみにしていたので、店員が運んできてくれるのを楽しみに待つ。ふと相手から問われた質問には、不思議そうな表情を見せ、率直に思ったことを話す。一度も相手のことは鬱陶しいなどと思ったことも無いし、｢適当だ｣と自分を表現するには、そうじゃない一面も見ていたため、お世辞でも何でもない相手の良いところを伝える。)

え、カッコイイ？まじ？
ダーリンにそう思われてるとか、嬉しすぎ…。

( 思わぬ返答に、瞬きをﾊﾟﾁﾊﾟﾁと繰り返せば、まるではしゃぐ乙女のように両手で両頬を包み込んで大袈裟に喜んでしまう。
どう見ても、相手はわざわざお世辞を言ったりするタイプではないし、かといって本心だと思うと尚更照れてしまう。)

うーん、でも、俺の好きな人を「こんな」呼ばわりしちゃダメだよー。
素敵な人なんだから。

( また顔が暑くなってきたな、なんて笑いながら言えば、しかしその次には何かを考えるような素振りを一間見せて上記を述べる。
そして、先程まで相手が言っていた「 こんな俺に 」なんて台詞を蒸し返せば、自分の好きな人をそんな風に言うなんて心外だ、とでも言いたげに腕を組んで笑ってみせた。)

( ｢好きな人｣相手から出てきた言葉に、鈍くとも相手からの好意は伝わっていたが、直接言われると胸の鼓動が少し速くなるのを感じる。顔を赤くしてそういう相手に思わず小さく笑みを漏らすと、不意に自分では想像もつかない言葉を相手に投げかけてしまう。)

じゃあ、付き合う？

…なんてな。

( 口から出た言葉には、自分でもどういう意味か分かっているし相手となら付き合っても良いと思えたのも確かなのだが、言ってから自信を無くしたのか、冗談ぽく言い誤魔化し。)