〆 Your sweetheart

うーん、俺、心理学習ってるくせに詳しいことは分からないし、上手いことも言えないけど。

…俺は、楽しいよ。
ていうか、どちらかといえば俺が勝手にくっ付いていってるようなもんなんだからさ。

( 静かに自分のことを語る相手の姿に、此方も静かにコーヒーを飲みながら聞いていた。自分はそんな相手が好きだと思ったのだが、本人はどうやら、口数の少なく、大人しめな自身の性格を良くは思っていないらしい。特に此方のことを気にかけてくれているように感じる。
一通り話を聞き終われば、腕を組んで考える素振りを見せ、上記を述べた。
真面目に専門科を勉強していれば、もっと気の利いた事が言えたかもしれないが、生憎、それほど優秀ではないもので。とにかく、自分は昨日初めて話した時からずっと楽しいし、何より、自分の勝手でこうして傍にいるのであって、相手が気に病む必要はない、と笑顔で言って退けた。)

…なんていうか、変わってるな。

( そういえば、相手は心理を専攻としていたのだったということも忘れていたが、相手がそう言うのであればそうなのだろうと、気にしないことにし。
そうはあっても、ここまで言って自分と仲良くしたいと思うのは何故なのだろうかと不思議に思うも、そこは心の中だけに留めておくことにするも、思わず一言声が漏れてしまった。

変な空気になってしまったことには、｢わるい｣と一言謝りを入れれば、昨日の話に戻すことにする。)

…で、シフトはいつ入ってるんだ？

( 変わっていると言われれば、そうかな、と言わんばかりに肩を竦めて笑ってみせる。相手と違って自分には慎重さが足りない故に、変なことを言ってしまっただろうか。
しかし、不快にはさせていないようなので、一先ず安心し、謝る相手を他所に首を横に振った。)

あ、そうだった。
これ、俺がいる時間…っていっても、平日は大体いるかな。

( 続いて、相手にシフトについて問われれば、思い出したようにカバンから1枚のメモを取り出して机に差し出す。
そこには、バイトが入っている曜日と時間が書かれており、どうやらその時間で固定らしい。週4日でバイトへ行っているので、平日は大体夜中に帰ることになるようだ。)

平日ばっかりだな。 この曜日に行くようにする。

( 相手のシフトのメモを見ると、平日に入っているシフトに、大学の講義に影響はないのだろうかと思う。曜日を把握すると、夜時間があるときにいこうと決め、スマホのメモに曜日を打ち込む。
自分が一人で飲むのにぴったりな場所を見つけられたことには本当に嬉しく思い、顔には出ないものの、次いつ行けるかスマホのカレンダー見る)

じゃあ、その日のバイトは張り切らなくちゃな。

…俺のバイトない日には、一緒に飲みに行ったりもしようよ。

( あまり感情は表に出てはいないが、自身のスマホにメモをしたり、何やら予定を確認しているのを見ると、意外にも楽しみにしてくれているようで、その様子を嬉しそうに眺める。
相手が来てくれるとなれば、断然バイトにも気合いが入り笑いながら上記を述べれば、残ったアイスコーヒーを飲み干す。
また、自分がバイトの時以外にも一緒に飲みに行こう、と誘えば、本当に距離感というか遠慮のない性格が滲み出ている。
そして、改めて、普段からよく飲んでいるのか気になれば、続けて質問を投げかけた。)

一人でバーとか居酒屋とか、よく行ったりしてんの？

1人だな。というか、一緒に飲むようなやつがいないから。
酒はほぼ毎日飲んでる。家で。

まぁいいけど。基本的に夜は暇してるから。

( 飲みに誘われれば、普段毎日飲んでいることもあり自分は全然構わないと伝え。飲みに行くような親しい間柄の友人もいないため、いつも1人で家で酒を嗜んでいる。相手のようにバイトをしているわけでもないので、夜は比較的フリーだと伝える。
相手も酒を作る仕事をしているため、飲むことは好きなんだろうなと勝手に想像して。)

毎日飲んでるのか。俺と一緒だね。
いつでも美味しいの作ってあげるからさ、いつでも言ってよ。

( 家で飲んでいると言われれば、それこそ大学生だし珍しい事ではないが、ほぼ毎日と聞けば意外だと頬杖をついた。きっと、嗜む程度なのだろうが、毎日飲んでいるのは自分ぐらいだろうと何となく思っていたので、仲間が居たようで嬉しそうに笑う。
また、店じゃなくとも、カクテルは練習がてらいつでも作るから、と付け足せば、ちらりと左腕に付けていた腕時計に目をやる。)

あれ、めちゃくちゃお腹空いたのにまだお昼前か…
ダーリンは、お腹空いてない？

( お腹が空いた…と時計をみるが、まだお昼には少し早い。思い返せば、早起きしたのは言いものの、身支度ばかりで朝ごはんを食べていないことに気づく。
再度、相手に視線を戻すと、相手は大丈夫だろうかと首を傾げる。 )

( いつでも作ると言われれば、ありがとうとだけ呟き。美味しいお酒が飲めるようになっただけでなく、一緒に共有する相手が自分にできたことが少し嬉しい。)

普通に食べられる。朝飯食ってないから。
…何か食べに行くか？

( 自分も腕時計に目をやれば、まだお昼前を指していた。自分は朝飯を食べないためお腹はそこそこ空いているので、お腹空いたという相手に合わせるように答える。
さすがにこのカフェスペースには腹を満たせられるようなものも少ない。普段自分なら大学内では売店や、学食で昼食を済ませることが多いが、学生たちは大学の近くの店まで足を運んで食べることもあるという。自分は特にこれといって食に関心もない方なので、食べるものは相手に合わせようと決める。)

そうだなぁ…、あ、最近できたファミレス行こう！
なんかわかんないけど、ダーリン、ファミレスとか行かないでしょ？

( 相手も朝食抜きだとすれば、それなりにお腹は空いているはずだと思考を巡らせ、相手の問いに嬉しそうに頷く。初めからお昼も一緒にいるつもりではあったが、相手も嫌がってはいないようで一安心だ。
さて、どこで昼食をとろうかと一間考えると、ふと、大学近くにできたファミリーレストランを思い出す。自分もその店へはまだ行ったことは無いが、大学周辺の店にはよく行くので、大学外で食べるのは慣れているようだ。
恐らく彼はあまり学外には出ないだろう、と推測し、少しからかうように上記を述べる。
ファミレスなら、料理の種類も豊富にあるしちょうど良いだろう。 )

あんまいかないな。
じゃ、そこ行こう。

( ファミレスという場所に生まれてこの方縁がなく、行ったことがないため興味はある。たまには学外で食べるのも悪くないと、二つ返事で了解すると、立ち上がり鞄を持つ。

相手が立ち上がるのを待ち、カフェスペースを出ることにする。相手の横にたつと、自分の方が身長については少しばかり高いのだが、決して相手も低くはなく、むしろスタイルも良いと思わずじっと見てしまう。 )

やったね、ファミレスデートだ。

( 相手が立ち上がるのを見て、此方も席を立ちつつ、笑顔でそんな事を言えば相手と共にカフェスペースを後にする。
暫く歩いてみれば、ふと、隣から注がれる視線に気づき
「 何？俺照れちゃうよ？」と笑いながら、少しばかり高い相手の顔を見る。
そして、身長についてはこちらも思うことがあったらしく、一通り相手の全身を見やると尚も笑顔で言葉を続けた。)

昨日もちょっと思ったけど、ダーリン身長高いよねー。
俺も高い方だとは思ってたけど…、黒が似合うってやっぱかっこいい。

まぁ、身長もそうなんだが。
服装もお洒落だし、モテそうだなと思って。

( デートという言葉には、特に触れず。そもそも男同士でデート、相手と自分では不釣り合いだろうと心の中で思うも言葉にはしない。

じっと見すぎていたか、と相手の反応を見て思う。同じくお互いの身長の話になれば、彼と出会ってから思っていたことを正直に呟き。一方で自分の服装について格好良いと言われれば、自分はそうだろうかと疑問に思う。 )

　え、俺？
確かにお洒落は好きだけど、モテてるかは分かんないねー。
というか、俺フラフラしてばっかりだから、あんまよく思われてないかもだし。

( 相手を褒めていたつもりが、相手に自分の事を言われると、少し拍子抜けしたように瞬きを数回。自分は派手な服装を好む故に、他者からの賛否は別れがちだ、だからこそ相手に褒められていると思うと嬉しかった。
しかし、モテそうかと言われれば、見ての通り純情さは欠片も、感じられないし、日頃絡んでいる友人も固定せずあちこちで自由に遊び回っているので、こんな奴を好む者は少ないだろう。
相手にも一目惚れこそしたが、何も同じように相手に好いて欲しいとは思っていないらしい。
肩を竦めたまま、上記を言って笑い飛ばすと、どこからが近いかな、なんて前方に視線を戻し、尚も歩いていく。)

ふーん。そうなのか。

( 服装からはお洒落さは伝わるものの、フラフラしているという言葉には、そうなのかと少し疑問を抱く。自分は相手のことを何も知らないので、相手がそう言うならそうなのだろうと思い、進行方向へ視線を送る。

平日だが、大学周辺は学生がたくさんいてどの店も賑わっているように見えた。相手の誘導に従いながら、歩みを進める。)

昼前でも結構居るもんだねー。

…あ、あの店だよ。

( 歩きながら、ちらほらと見かける大学生を横目に呟けば、正面に見えてきた店を指さして。
時間に余裕がある分、まだ学生も少ないかと思っていたが、みな考えることは同じらしい。
早速店の中に入れば、店員に2名であることを伝え、奥の席へと案内される。先程相手を軽くからかったが、自分もファミレスに来たのは久しぶりだ。
席につくや否や、メニュー表を相手に差し出し、自分ももう一冊開いてみる。)

俺、結構悩んじゃうんだよなぁ。
あ、ダーリン、好きな食べ物とかあるの？

( 相手に続いて店内に足を進めれば、物珍しそうに店内を見渡しながら案内された場所に歩みを進め、相手の向かい側に腰を下ろす。差し出されたメニューを開くと、たしかに豊富にある食べ物の種類に、思わずへぇと声を漏らし。相手に好きな食べ物を尋ねられれば、少し悩んで答える。)

…甘いものはよく食べる。
食事に関しては特に好き嫌いはないな。なんでも食べられる。

( 実際自分が好んで買うのは、ケーキやお菓子の類が多く、それ以外はいつも適当なため、特にこだわりはない。しかしながら、メニューを見れば悩む気持ちはよく分かるなと思い。 )

俺も甘いの好きだよー。
それなら、デザートも食べちゃお。

( 相手の返答に、自分も甘いものはよく食べるために嬉しそうに上記を返した。ちらりとデザートのページを見れば、そこにも種類豊富にメニューが記載されており、機嫌良さそうにそれ等を眺める。)

じゃ、色んなの作って食べれるじゃん。
一人暮らしだよね？

( また、好き嫌いの有無を聞けば、なんでも食べれると言った相手に、様々は食材を使って作ったり食べたりできると話す。自分は案外料理が好きな為、好き嫌いがない分作れるものが増える とそういう解釈らしい。
それに、大学に通っている殆どの学生が一人暮らしのため、恐らく彼もそうだろうと踏み言葉を続けた。)

( 相手と同様デザートのページを見れば中々これも種類が豊富で、自分はご飯の後にショートケーキでも食べようと決めてから、再びご飯物のメニューにページを戻す。ランチメニューのハンバーグセットなるものが目に留まると、セットで色々ついてくるためこれにしようと決め、相手に決まったと伝える。)

あぁ、一人暮らしだ。
だけど、料理は一つもできないから、出来たものを買ってきて食べてる。アパートの近くにコンビニもあるし。

( 一人暮らしで好きな物を作って食べるという考えは自分にはなく、むしろ料理がこれっぽっちもできない、苦手であることを伝える。実際コンビニやスーパーなどで事足りているため、何とも思ってはいないが、栄養が足りているかと言われればそこは疑問である。)

( 相手はどうやら注文するものを決めたらしく、それを聞けば早々に料理のページへと戻って頭を悩ませる。こういう所に優柔不断が出てしまう為、相手に申し訳がない。
そうこうしながら相手の話に耳を傾ければ、これまた意外だと返答する。)

へぇ、料理とか得意そうなのに、苦手なんだ？
それなら、この輪ちゃんがご飯を作りに行ってあげようか。
こうみえて料理は得意なんだよ。

( 器用で何でも出来そうな印象だったため、少し驚いたが、これも好都合とばかりに鼻高々に上記を述べた。料理や家事全般は昔から好きだった為、自炊は得意のようだ。
あたかも友人としての優しさ感を全面に出しているが、単に相手の家に行ってみたいという気持ちが強いのだが、それは口には出さないでおこう。)

まったく、できない。
…いや、大変じゃないか？バイトもしてるんだし。

( 本当に料理が苦手だという意味を込めて、もう一度言い直すと、相手は料理が得意だということには、意外だと言わんばかりの表情を示し。
相手からの提案には、自分のためにわざわざ料理をしにきてもらうというのは申し訳ないだろうと思う。ましてや、自分と違って相手はバイトなども忙しいだろうし、することがあるのに。もし仮に作りに来てもらうならば、何かしらの報酬を渡してやってもらうくらいじゃないと、と勝手に考えを巡らす。)