小さな村での日常〔 動物擬人化 / 3L 〕

>アリー

そう、良かったわ。その子と遊んだ子の中でも一部症状が出てしまっている子もいたから心配だったの。
( 昨夜眠れなかったのはその悩みの影響もあるのかもしれない。動物たちの中には風邪を引いたのは初めての経験だという子もチラホラと散見しており、身体的のみならず精神的なケアも必要とされる。彼女としても動物たちが揃って体調を崩すのは稀な出来事だったため気を張りすぎていたのだろう。彼の気遣いは指摘にも聞こえてしまい、ウッと詰まるような笑むような眉を下げた微妙な表情を見せてガッツポーズしながら、飼育係として当たり前に彼を優先して。)
だ、大丈夫よ！わたし、こう見えても体は強いもの！アリーはなんともないみたいで安心したけれど、もしこれから体調が悪くなったりした時は言ってほしいわ。獣医師ではないけれど、看病はできるもの。


>ホワイト

ひぇっ！？びっ……くりしたぁ。お散歩日和だけれど今は見回り中なの、それにしても落ちないだなんてホワイトってば器用ね！でもとても驚いて心臓が止まってしまいそうだから急に現れるのは控えてほしいわ。
( 食後は眠たくなる、それは生態でありどうしようもないこと。肝心の夜には訪れてくれやしない眠気を振り払うように歩きながら見回っていれば、突如目の前に降ってきた白いものに飛び上がって。心臓を鷲掴みにされたかのような感覚に一気に眠気も吹き飛び、何事かと目を凝らせばそれは見知った彼──彼女どちらで呼ぶべきかは不明だが便宜上彼と呼ぶことにしよう。ともかく、降ってきたというのは錯覚で足で支えてコウモリのようにぶら下がる彼に流石体幹感覚に優れた猫科だと感心して。 )


>トレビュシェット

そう言ってもらえると嬉しいわ。そう、色々とアドバイスを仰ぎたいことがあったの。
( 首に手を持っていくのは癖だろうか、それとも少し疲れが溜まっているのだろうか。気にかかったもののそれには特に触れずに、サンドイッチを食べ進めて。彼は獣医師であるというのも勿論だが、彼女よりもずっと長く生きている人生の先輩という点でも経験豊富で頼りになる人間だと考えている。落ち着いて話すことができる今の時間は教示してもらうにも相応しいだろう。食事時にまで仕事の話をするのは嫌がる人も多いがここに来ているのは動物が好きな人ばかりだからさして問題は無いはずだと結論づければ早速口にして。 )
トレビュシェットさんは、初対面の子と関わる時はどうしてる？わたしは職業柄ペットとして一般に普及している子たちとしかほとんど関わったことがなくて、動物園にいるような子たちとは馴染みがなくて少し切っ掛けを測り損ねることも多いのよね…。


>シェイド

わたしの生態…は違うけれど合っている気がするわね。あと動物の熊ではなくて、このクマは人間が眠り足りない時や疲れた時にできるものよ。
( 生態とはまた面白い観点での発言だと笑い。ここまで濃い色で発現することは稀とはいえ、毎日現れてはいるので自身特有の生態もあながち間違いではないのかもしれない。そして話がいまいち噛み合っていないことに気が付いて、クマについての知識を訂正する。彼はまだ人間の知識を学んでいる最中だったか、それならば混ざってしまうのも仕方がない。こちらに凭れかかってきた彼には驚きつつもしっかりと受け止める、警戒なく寄りかかってくるその姿は、多少は飼育係として信頼を得ている証と認識しても良いものなのか。 )
ふふふ、私は夏にだって同じように変色するわよ。でも変色といえば人間は寒いと肌が赤くなるし、体調が悪いと青くなるわ。蛇も冬は大変ね、そんなに眠たそうなのは冬眠の名残かしら？


>リアズ

ええ、それも果物よ。キウイって言うの。不思議な手触りでしょう？果肉は甘味と酸味が入り交じっていてとても爽やかよ！
( 果物コーナーの一角を熱心に眺めていたと思えば彼が手に取ったのは楕円にふさふさと細かな毛が生えた独特の果物。彼女は何度か食したこともあり見慣れているが、確かに初めて見た者にとっては非常に奇妙な物体に映るかもしれない。特に彼は隼で果物にはあまり縁がなかったから余計だろう、と納得すれば丁寧に回答して。好き嫌いが分かれやすい果物ではあるものの、興味があるのならば特有の味は一度は食べてみなければ勿体ないだろう。そう考えれば、手元の柑橘類を見て一つ思いつき。 )
そのまま食べても勿論だけど、スムージーにしても美味しいわよ！オレンジもグレープフルーツもあるし、折角だから作りましょうか？