万事屋さんと素直ちゃん.〆

泣かせちゃうくらいなら、いっそ前もって言っておいた方がいいのかな…、、、、（　微かに目を伏せ、顎に片手を添えながらぷつぷつ呟いていると、ふいに間近に感じた相手の気配。視線を上げれば思っていたよりもすぐそばに彼の顔があって、驚いたようにじっとその目を見つめて。恥ずかしいやらどきどきするやらで頬が赤く熱を持ち始めたことが自分で分かると、無言のまま手を上げ相手にそっと目隠しをして　）
行きたいです…！ご飯でも、ジャンプを買いに行くのでも、その他でも、ぜひ行きたいです（　ぎゅうと引き留められると、頭上にハテナを浮かべたような表情をして、体を彼へと向け直し。小さく首を傾げた状態で相手を見上げていたものの、彼の提案を聞くやいなや、嬉しそうに顔を輝かせて　）

いやそれは絶対に止め、……何してるの？（　考え込む相手の口から漏れた恐ろしい発想に口元ひくつかせ、僅かに震えた肩と声。だが直後、温かい小さなおててにて視界塞がれるとどちらの震えもぴたりと止まり、かわりに混乱故に逆に冷静になる頭と声色。彼女の意図が読めず、とりあえずされるがままで軽い口調で問いかけては　）
そんな付き合ってくれんの、俺の財布が持たねぇな。とりあえずなんか食えるとこ行かね？（　心から嬉しそうな彼女の表情に、ぐっと心が締め付けられる感覚。断られなかった安堵感と嬉しさ、それと湧き出る愛しさに此方も表情綻ばせ、声色にも滲ませて。力を込め過ぎぬようにと手の力を若干緩め、提案を投げて歩き出し　）

いえ、あの、ごめんなさい…、銀さんのお顔が急に近くにあったので、何だか恥ずかしくなっちゃって、つい…（　こうなるに至った訳をぽつぽつと語り始めるも、この段階ではまだ手は相手の目元に添えたまま。全てを伝え終えてから、ようやくゆっくり手を下ろし、「こんな事して銀さん怒らせちゃったかな」と申し訳なさそうに相手の表情を窺って　）
いいですね、そうしましょう。私今お腹空いてるから、きっと銀さんのお財布を空っぽにしちゃいますよ（　心地良い加減で繋がれている手だったり、相手の声音がいつになく柔らかなものであることだったりが、とても心に温かく。ゆえに悪戯っぽい表情で冗談を言いつつ隣を歩く足取りは、どこまでもるんるんと軽く　）

え"っ…それは、そのー…銀さんが、悪かったです…！（　真っ暗な中での衝撃、視界がふさがれていて良かったとすら思いつつ。押すなら今しかないのではという邪な考えが浮かぶ中、ゆっくりと降ろされていく彼女の腕を思わず両方掴んでみるも、彼女の表情を見ると恋心が逆に邪魔をしてくるようで。悔いるような、耐えるような表情で謝罪の言葉しか出てこず　）
おーおー、望むところだ。ちょうどパチ…依頼の報酬も入ったとこだしな。とりあえず俺の行きつけで良いか？（　本当にそれくらい食べてほしいものだと彼女の体を一瞥しながらも、冗談には挑戦的な笑みで返しながら懐をぽんぽんと叩いて見せて。彼女の歩調に合わせゆったりと散歩を楽しみながら、視界の先に見慣れた甘味処ののぼり旗と外に置かれた床几台が目に入れば指さしながら　）

謝らなきゃいけないのは私の方です、目隠しなんて失礼なことをしてしまって…！……銀さん…？（　両腕を掴まれ些か戸惑いはしたものの、それよりも相手の口から出たのが謝罪の言葉だったことの方に驚いて。謝る必要なんてどこにも無いと、懸命に首を横に振りながら伝える最中、相手の表情が何だか少し苦しげであることに気付き。依然腕は掴まれたまま、心配そうに眉を下げては控え目に彼の顔を覗き込んで　）
はい、もちろんです。あ、あのお店、私前からずうっと行ってみたいと思ってたんです。まさか銀さんと一緒に来れるなんて、思ってもいなかった（　懐を叩く仕草も、その挑むような表情も、全部今日の大切な思い出としてこっそりと胸の内に焼き付けて。行きつけと聞いてにっこりと屈託の無い笑顔を向けてから、相手が指差した方向に視線を移し。店ののぼり旗を見留めると、そこが以前から気になっていた甘味処だと判明し、声音に微かな興奮の響きを滲ませて　）

──いやっ、いやいや、銀さんが悪いから！ゴメンナサイ！そんな目で見ないでくださぁい！（　自分の思考に耽る中ふ、と気付けば覗き込んだ彼女の表情が目に入り、しかも両腕を掴んだままという体勢に慌ててぱっと両手を離し。更に一歩大きく後ずされば彼女に負けず劣らずの勢いにて首を振りながら、先ほどまでの邪な思考が後引くせいか彼女の表情を見ないようにと顔を背けて懇願を　）
マジでか、良い偶然だな。──すんませーん、あんみつ一つー…と、お前は？（　嬉しそうな表情と言葉に、良い選択をしたようだと心の中のガッツポーズ。彼女の視線が前に向いているのを良い事に愛しさを隠す事なく表情に滲ませながら、デート気分で歩を進め。甘味処につくなり勝手知ったるとばかりに店前に出された床几台にどさりと腰かけ、店員へと声をかけながら彼女に横に座るよう示しつつ問いかけ　）

ふ、ふふ、二人で大慌てになって、謝り合って、可笑し…。はい、じゃあもうこのお話はお終いにしましょ（　相手の慌てっぷりに先程の自分のそれが重なれば、じわじわと可笑しさが込み上げてきて。自由を得た手で口元を隠しながら一頻りくすくすと笑い、いくらか落ち着いたところで、距離の離れた相手に向かって声を掛けて　）
私も同じものをお願いします。…楽しみだなあ、あんみつ。銀さんが通うほどのお店ですもん、すっごく美味しいんだろうなあ（　相手が注文しているのを隣でそっと窺いつつ、促された場所に腰を下ろして。何にするかと問われると、店員さんに向かってにこりと笑顔を向け、迷うことなく注文を伝え。その場に二人になったところで、微かに雰囲気を緩めると、まるで独り言のように、けれどしっかり相手に届くように待ち遠しい想いを零し　）

…は、確かに、な。んじゃこの話はもう終わりにするとして、二人きりで店行くのは忘れんなよ。（　彼女の小さな笑い声が聞こえて、恐る恐る片目だけで様子を見れば、楽し気に笑う可愛らしい彼女の姿。つられるように口元に笑み浮かべ、調子取り戻すように頭をガシガシとかいて小さく歩み寄り。わざとキリリと真面目な表情を作れば上からビシリと指差し、最後の念押しをするように　）
おー期待しとけ。あー、…まぁ、他にも行きつけの店はあるんだけどな。可愛い店員がいる店。（　彼女の言葉が耳に届けばニィと自信満々な笑み浮かべ、自分の店でもない癖に得意げで強気な発言。行儀悪く脚を組んで座りながら自身の片足に肘をつくような形で頬杖を作り、彼女をじぃと見つめながらにやにやと悪戯をする子供のような顔で付け足しを　）

はい、絶対に忘れないことと、他の人にこの事を話さないでいることも、約束します（　二人の間の物理的な距離が、ほんの少しではあるけれど彼によって縮められたことで、心にはほっこりと小さな安堵感がもたらされ。その結果、相手を見上げる表情は普段通りの柔らかなそれであったけれど、口調の方には確かな決意がしっかりとこもっていて　）

（　／　背後から失礼致します！上のやりとりがそろそろひと段落を迎える頃かなと思い、もし鍵様もそのように思われていたら上記をもって〆としてくださって大丈夫ですよ！とお伝えしたかった所存でございます。あ、勿論、この後に続ける予定のやりとりがある、ということでしたら喜んで続けさせて頂きますので…！！（　こくこく　）　）

あ…、もしかしてそのお店って、私が働いているところじゃないですか？最近銀さんよく来てくれるし、そうしたくなるくらい可愛いですもんね、お千代ちゃん（　悪戯な笑みと共に投げかけられた謎を解くべく、相手とは対照的に真っ直ぐに伸びた背筋はそのまま、腿の上で重ねられていた両手のうちの片方を顎の下まで持っていき、数秒じっと考え込んで。思考に閃きが走った直後、落としていた視線を再び相手へと戻すと、己の解答に自信満々といった表情で人差し指をぴんと立てつつ推理を披露し　）

（　彼女の言葉に込められた決意を感じ取る事が出来ればようやく安心したようにこくりと頷き、ふ、と表情を綻ばせ　）

（／お声がけありがとうございます、同じように考えていたところだったのでありがたいです！完全に自己満足ではありますが、雛ちゃんに返答したいという欲だけで少しだけ返させていただいて〆とさせていただきますね。上のは本当に無視していただいて構わないので！提案ありがとうございました…！）

あ～違ぇんだよなァ～。いや違わなくないんだけど…違うんだよ。もうちょい考えてみ？惜しいとこまで行ってんだけどね？（　さすがに分かりやすかっただろうかと内心どきどきしつつ、真面目に考えてくれているらしい彼女の一つ一つの仕草に可愛らしさを見出しながら回答を待つも、いざ帰ってきた答えには思わず片手で額を抑えてしまい。自信有り気な表情にそこを間違えるのかという少しの傷心を添えつつ、それでもめげずにか細い声で再び問いかけながら、まっすぐ立てられた自信満々な彼女の人差し指をそっと折り戻して　）

（　／　こちらこそお返事をくださりありがとうございました…！嬉しい思いでいっぱいになりながら読みました！という報告をさせていただき、ではでは背後は失礼致しますね！＊　）

え、違うんですか…？でもだって、あとはパートの町田さんと、私だけですし…。……、銀さん、町田さんはご主人一筋ですよ（　彼の口振りから「可愛い店員」が誰であるかは当てられなかったことが窺えて。されるがままに、顔の横にはグーが出来上がり、その手を腿の元の場所に戻すことすら忘れたまま、その正体について先程よりも深く思案を巡らせて。結果導き出された答えに自分自身が驚いて、無言ではっと相手を見つめ。それからぐいと上半身を相手へと寄せれば、耳元でそっと声を顰め町田さん情報を　）

ちっげぇよ！！だぁからぁ、銀さんはお前が！可愛いっつってんの！！……あ、ども…（　思いもよらず近付いた距離に、そして彼女から聞けるであろう言葉にドキリとするも、実際耳に入ってきた誰も聞きたくなかった他人の事情には盛大な否定。拳を握り眉を吊り上げ、勢いそのままに割と大きな声で、割と勢いよく、そして割と恥ずかしい事を真正面で。その直後、はっと我に返ると同時に運ばれてきたあんみつを受け取れば店員に小さく礼を言いながら受け取り、相手の反応も道行く人の視線も確認する勇気はなく、そのまま無言無表情でぱくりと　）

…あ、ありがとうございます。……銀さん、今の、もう一回聞きたいって言ったら怒ります？（　相手の勢いと、何よりもその予想外の言葉に驚き、顔を寄せた体勢のまま、大きく見開かれた目でただただじっと相手の顔を見つめていて。運ばれてきたあんみつを受け取る段になってやっと上半身を元に戻すも、その動作も店員さんにお礼を言うのも、ほとんど上の空状態。両手の中に収まったあんみつを凝視しながら、胸にじわじわと甘ったるい嬉しさが広がっていくのを感じ。相手の言うそれが、異性としてではなく、例えば歳の離れた妹とか、ゆるキャラを可愛いと思う、そういう類いの可愛いであるのだとしても。胸から溢れた感情が頬に赤い色となって滲み、当人はそれには気が付かないまま再び相手へと顔を向け、えへへと、冗談のようにも本気のようにも聞こえる調子で尋ねてみて　）

……銀さんは、可愛い女の子には、怒りません。分かったかコノヤロー。良いから食えよ、せっかく奢ってやるっつってんだ、味わってしっかり食え。（　彼女がどんな表情をしているのかも見る事が出来ないまま口いっぱいにあんみつを頬張っていれば、隣から聞こえた声に不愛想に目線だけを横に向け。笑ってんじゃねーぞ、なんて悪態をつくつもりだったのに、彼女の表情がどうにも、どうにも勘違いをしたくなる程の愛らしさで、先ほどまでの恥ずかしさも怒りも消えていく。ただ素直に伝えられる性格ではないし茶化す事ももはや難しい状況、再び視線をあんみつに向ければ半ば投げやりに、しかししっかり伝わるようにハキハキと。彼女の方を見ずに手元のあんみつ指させば、言いたい事だけを言って逃げるように自分のあんみつを再び口いっぱい頬張って　）

はい、肝に銘じておきます。……おいしーーい、さすが銀さん行きつけのお店。…でもそっかあ、銀さん、私のこと可愛いって思ってくれてたんですねえ（　視線は合わずとも彼の言葉はしっかりと胸に響き、満ち足りたように顔中を綻ばせながら、あんみつに膨れた相手の横顔に向かって答え。そうして丁寧に両手を合わせ「いただきます」と呟いてから、スプーンに小さく掬ってぱくと一口。瞬間口内に広がった優しい甘味にさらに頬は緩み、幸福そうに味の感想と、先程の話の続きを。でもそれは揶揄うような口振りでは決してなくて、しみじみと嬉しい気持ちがつい口から漏れてしまったといった感じで　）

ッ…ゴホッ…！穿り返してんじゃねーよ！馬鹿にしてんのかお前！（　ようやく彼女の口に甘味が運ばれたのを横目で確認し、口に合ったようで一安心というのが一つ、話題が逸れて良かったというのが一つ。安心して口の中のあんみつをごくりと飲み込むと同時、ものすごい速さで戻ってきた話題に、当然のように誤飲し盛大に咽込んで。さすがにここまで言われると、しかも彼女の性格とその口振りから揶揄っているようには感じられず、それが逆に羞恥心を大いに掻き立てる。咳き込みと羞恥により分かりやすく顔を真っ赤に染め、目を吊り上げ声を荒げるも、その声色と顔色から照れ隠しである事は分かりやすく　）

わ、わ、大丈夫ですか…！…ごめんなさい、でも決してそんなつもりじゃなかったんです…。…また余計なことを言ってしまわないよう、あんみつに集中します（　見ている此方まで苦しくなってしまうような咳に、あわあわおろおろとするばかり。居てもたっても居られず、お水を貰って来ようと腰を浮かせたところで相手の言葉が耳に入り、すとんと大人しく床几台に座り直して。それが照れ隠しであることは相手の様子からすぐに分かったものの、心底申し訳なさそうに項垂れては素直に謝罪の言葉を。かと思えば、すぐにきりりとした表情で顔を上げ、自分に言い聞かせるように宣言をしてから、再び黙々と食べ進め　）

おう…。……いやー、可愛いなぁ。食べてる所もすげぇ可愛い。（　自分の発言による自爆である事は確かであり、申し訳なさそうな彼女の様子にはそれ以上責める事が出来ずぐ、と唇を噛み。それまでにがっつき過ぎたために彼女が集中し始める頃には既に手の中の器には何も入っておらず、彼女が食べ終えるまで完全に手持無沙汰。少し落ち着き、余裕と暇が出てきてしまうと、次に出てくるのはほんの少しの悪戯心。今だ高鳴る心臓を抑えつつ一度伝えたのであれば二度も三度も変わらないだろうと自己暗示、黙々と食べる彼女の横顔をじぃと眺め完璧な平静を装いながら、まるでひとりごとのようにしみじみと　）

……。…そんなふうに、しみじみと言われたら、照れちゃうじゃないですか…（　スプーンに乗せた最後の一口を名残惜しそうに見つめていたところに、まるで不意打ちのように耳に飛び込んで来た彼の言葉。恐らく誰の目にも明らかな程真っ赤になっているだろう顔をどうにか隠したくて、一言も発しないまま、と言うより発せないまま、ぎこちない動きで相手に背を向けるように座り直し。視界に彼が完全に入らなくなったところでやっと、戸惑ったような、でも確実に嬉しさも混じったような声音でぽつりと呟くと、スプーンを口に含み、またも無言でもぐもぐと　）

……そういう行動が、可愛いっつってんだけど。（　視界に入るのは今まで見た事のないくらいに真っ赤になった彼女の表情で、思わずぴしりと凍り付いたように。しかし何も言わない彼女、しかも背を向けられてしまえば、もしやあの赤みは怒りのせいだったのだろうか、なんて考えすら。恐る恐る腕を伸ばし彼女の肩を叩こうとするも、直前に彼女の声が耳に入れば、やっぱり照れていただけか、なんて安堵すると同時に、こちらもつられてボボと赤みが戻ってきて。しかしここまできて、今まで全く進展のない彼女との関係に、赤面姿まで見れた今この状況で冗談だ、なんて逃げるような事をする気にはなれず、彼女の後ろ姿にぽつり　）

おーい、勘定！
（　彼女の反応を見る程の余裕はなく、言い逃げするかのように勢いよく立ち上がれば店の中を覗き込んで店員へ声を。そのまま店員が来るまでの間、財布を探すような仕草をしながら片手で顔を仰ぎ、赤みをおさえようと　）