トピ主 2021-09-01 18:06:46 |
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エース)俺も。
エース達は運動着に着替える為に準備しだした。
マレウス)そろそろ昼休みが終わるな。仕方ない・・・放課後探すか。
マレウスは、1度探すのをやめ、午後の授業に向かった。同時刻セベクもキルティを探していたが、結局見つからず、諦めて授業へと向かった。その様子を木の上から眺めていたキルティは
キルティ)全員行ったっぽいな。私も行くか次は魔法史だったな。
キルティは木から降りて、自分も授業へと向かった。
ケイト)あれ、キルティちゃん。昼休み、いなかったけど、どうしたの?
キルティ)好きな場所で昼食取ってただけだ。
ケイト)そうなの?マレウス君たちが、ずっと探してたよ。
キルティ)そうか。まぁ、隠れてるからな。
キルティは困った顔を浮かべた。
キルティ)ちょっと訳があってね。悪いけど、私がどこにいるか聞かれたら、適当に嘘ついてくれるか?見つかると、強制的に帰らされると思うから。
キルティ)ルチウス、イデア達は駄目で、何で君には大丈夫だと思ったのかな?
キルティは動物言語で、ルチウスにそう言った。そして
キルティ)悪いけど、この事は誰にも言えないんだよ。種族関係なくね。だから、君にも言えないよ。
キルティは、そう言うと魔法で高級ツナ缶を出した。
キルティ)マレウス様達に、私のこと黙っててくれるなら、後でトレインにこれ渡すけど?
キルティは、ルチウスの前でツナ缶をちらつかせて言った。
キルティ)(興味深い話もあるけど・・・ほとんどしてるんだよなぁ)
キルティは授業を聞きながらそう思った。その様子をケイトは横で見て
ケイト)(退屈そうに見えるけど、ノートは綺麗に取ってるんだよね)
ケイトは、キルティのノートを見た。ノートには、黒板に書かれたものを書いているだけじゃなく、大事なところを要約して書いているものもあった。
イデア:ルチウスたん、どうしたの?
ルチウス:…オ゛ア
イデア:え、麗奈氏の匂い残ってんの? よいしょ(イデアの膝に座らせ)
ルチウス:フゴ…
イデア:な、なんか不満そうな声したんだけど
キルティ)私達には全然懐かないもんね。
ケイト)懐くのって、カリム君やシルバー君辺りじゃない?
キルティ)シルバーは、確実だね。カリムは、分からない。
イデア:ルチウスたんは麗奈氏が授業に来ると鳴かなくなったって聞いたけど、あんまり想像できない(だいたい鳴いてるので
ルチウス:…ン゛アァァァ~(不満そう。早く授業が終わってほしい)
キルティはルチウスにツナ缶をちらつかせる。
キルティ)(これで静かになるかは分からんが・・・)
キルティはそう思いながら、ちらつかせた。
キルティ)(静かになった)
キルティは猫缶を置いて、ノートを取った。
ケイト)(急に静かになったなぁ・・・てか初めてじゃない?)
キルティ)終わった~、トレイン、これルチウスに食べさせてあげて。いつも人の子を癒してくれている礼だ。
キルティは、高級ツナ缶をトレインに渡した。缶詰はゴールデンカラーで見ただけで高級だと分かる。
キルティ)さてと、私はこの後行くとこあるから。失礼します。またね。ケイト、イデア。
キルティはトレインに一礼し、ルチウスを撫でながら、2人に言った。
ケイト)またね~、俺も部活行こうっと。
ケイトも、足早に教室を出ていった。
キルティは、こっそりと図書室に入った。そして辺りを見渡す。
キルティ)今のところ、誰もいないね。ディアソムニア生もいない。
キルティは、そう呟きながら、歴史書の前まで言った。やはり、夜中に見た時と同じように、あの男が生きていた年月分の本はなくなったままだ。
キルティ)夜中の怪奇現象ではなかったか。
キルティはため息をついた。
キルティ)(あいつが生まれる前も亡くなった後の本も全て読んでしまった。彼に関することは何一つ書かれていない。やはり、紛失した本に全て書かれているのだろう。でも、どこに行ったのか分からないし、あいつのヒントも少ないから、なかなか探せない)
キルティは、今後、あの男の正体をどうやって突き止めようか考えていた。
エース)そっか、陸上だもんな。頑張れよ。俺は体育館だから、行くわ。麗奈もまたな。
エースは、そう言って、部活に向かった。
その頃、キルティは図書室でも人目につかない所で本を読んでいた。少しでも例の男の事を調べていたのだ。
キルティ)昔から、犯罪を犯す理由は様々だから、絞るのは難しいな。生まれる前に、例の男の家族の事は何一つ書かれてなかったし、亡くなった後も噂にさえなってない。存在していたけれど記録に残さなかったってことか?理由は、恐ろしい存在だったからか、それとも、男の情報が少なくて、記録に残す程の内容がなかったからか?まぁ、恐ろしいから亡くなった後、話すなと言われていれば、こういう事に書くことも無いよね。呪われるかもしれないと思う可能性も無いとは言い切れないし。
キルティは本を閉じた。そして、ため息をつく。
キルティ)やはり、生きていた時の歴史書が無いと話にならないな。
キルティ)根詰めすぎは、体に毒だ。自由な時間や、休みの日はしっかり休んだらどうだ?いくら、何事にもきっちりするポムフィオーレでも、プライベートまで口出しはせんだろう?
キルティは、困った笑顔で言った。
キルティ)1年生には特に厳しく指導しているものな。まぁ、今まで規則正しい生活をしている者達がポムフィオーレに選ばれているというわけでもないし。今まで、しなかったのなら、徹底するからな。美を保つために、彼は絶対に手を抜かないからな。オーバーブロットした後、少し考え方が変わっても、心の奥底では1番美しくありたいという願いは変わらないだろう。私だってそうだよ。考え方は変わったが、今でも、寂しく感じる時がある。
キルティは、そう言って息を吐く。その時、キルティの影が一瞬オーバーブロットした姿に見えた。
キルティ)なる可能性は低いがゼロとは言えない。それに、私たちじゃなくて、他の者がオーバーブロットする可能性だってある。だからこそ、強くないといけないんだよ。身も心も。弱さを見せれば、直ぐに、オーバーブロットした自分に付け込まれる。力では相手の方が上だからね。無差別だから。
キルティ)元気だよ。元気な時は頑張り過ぎて、直ぐ体調崩してしまうけどね。
キルティは困った顔で言った。そして
キルティ)このままでは、本当に倒れてしまうから、部活の者やエース達にサポートするよう言っておいた。勿論、私達もね。彼女、寝る間も惜しんで、勉強したりするから、悪循環になってる。規則正しい生活を心掛けるように言った。先ずは1週間、出来なかった場合は、即リドルのハーツラビュルで、体験入学をしてもらうつもりだ。あそこなら、規則正しい生活をしなければ、首をはねられるからね。体験入学なら、リドルも容赦はしない。徹底的に、規則正しい生活を叩き込むさ。
エペル:スカラビアがよかったんじゃないの?って思ったけど、むしろカリム先輩の宴やらで疲れちゃいそう…せっかく休んでほしいのに楽しくて逆効果でした
キルティ)今、生活リズムを整えている最中だからなぁ。それに、私の一存では無理だ。寮長と副寮長が許可しないと・・・ね。
キルティは、いたずらっぽく笑った。
キルティ)生活リズムが整ってから、またバイトを許可すると思うから、楽しみにしててくれ。
キルティは、ニッと笑った。そして
キルティ)すごく見たい気持ちは分かるけどね。でも顔で訴えてこないで。
キルティはエペルの顔を見て言った。
キルティ)またね~
キルティはエペルと別れると、図書室の奥へと向かった。そして、1人だけ座れる椅子と机を見つけ
キルティ)ここで少し休もう。
そう言って、椅子に座った。そしてため息をつく。
キルティ)無くなった本を探したいけど、急に消えた本をどう探せば・・・
キルティは頭を抱えていた。しかし、最近、ずっとその事ばかりを考えていて、頭をあまり休めていない。そのせいで、キルティはいつまで経ってもしんどいのだ。おまけに、情報が少ないこともストレスになっていて、キルティは、ストレス性の寝不足を引き起こしている。だから、ずっと眠いのだ。キルティは目を擦る。
キルティ)ここなら、誰も気づかないだろうし、少し眠るか。
キルティは、瞼が限界なのを感じて、目を閉じ、机の上に手を置くと、手を枕にして眠りについた。
麗奈:…はぁ、おわった
トレイ:お疲れ様。モロカンミントティーだ
麗奈:ミントティー?(ちょっと飲んで)あ、美味しい! 確かにミントティーなんだけど、緑茶って感じのほうが強い
モブ)確かに、普通のミントティーよりはスッキリ感は薄いな。
モブは、持ってきたクッキーをつまんだ。
モブ)麗奈も食うか?
同時刻、図書室に1年のサバナクローの寮生がやってきた。調べ物をする為に来たのだ。
モブ)えーっと・・・あった。
モブは目当ての本を見つけたが、人の気配を感じた。
モブ)こっちからだな。・・・って、こいつはあのマレウス・ドラコニアの付き人!
モブは、すやすやと眠っているキルティを見てびっくりしていた。
モブ)こんな所で寝てるなんて、珍しい・・・起こしても悪いし、さっさとお暇するか。
モブは、そう言って図書室を出ていった。
モブ)いずれ、トレイ先輩の菓子しか食べれなくなるんじゃないですか?
モブは冗談混じりに言った。しかし、これを冗談にしないのがヴィランだ。
モブ)トレイ先輩の実家はケーキ屋ですもんね。俺、家族で誕生日祝う時はトレイ先輩のケーキ屋さんで、バースデーケーキ予約するんです。
ハーツラビュルの寮生は、紅茶を飲みながらそう言った。
トレイ:ありがとうな
麗奈:私がケーキを作って持ってきてもいいでしょうか?
ルーク:オーララ、麗奈くんの手作りケーキ!? 私も食べてみたい
麗奈:ありがとうございます!
ルーク:モストロ・ラウンジでメニューとして出す予定は?
麗奈:そこまで派手なものは…メニュー案は以前、アズール先輩に渡しましたけど
モブ)だって、トレイ先輩いつも自分で考えたりするじゃないですか。
モブは、そう言うと、部屋の扉が開き、誰か入ってきた。
キルティ)すまない、何か飲み物と甘いものを貰えるか?
キルティは、フラつきながら言った。
キルティは受け取ったがミントのツンときた匂いが鼻にきて
キルティ)トレイ、すまない。私、ミントが苦手なんだ。別のものを用意してもらえるか?
キルティは、すまなそうに言った。
キルティ)うん、おねがいします・・・
マレウス)やっと見つけたぞ、キルティ。
マレウスはキルティをようやく見つけ、声をかけた。
マレウス)朝早くに抜け出して、今まで僕らの目を掻い潜って、散々探し回ったぞ。病み上がりなのに、無茶をするなといつも人の子に言う割には、自分も出来ていないじゃないか。
マレウスは、相当怒っていた。
キルティ)マレウス様・・・
キルティは席を立つと、出口に走った。
モブ)捕まえるぞ!
モブ)くそっ!速い!
モブ)ルーク先輩、捕まえる魔法無いですか?
ルーク:オーララ! まさかマレウスくんと追いかけっこをするなんて思っていなったよ! 私に任せておくれ。ほら、私から逃げ切ってみせて。『果てまで届く弓矢(アイ・シー・ユー)』
キルティは、外に出た。しかし、ルークの魔法のせいで自分の居場所は、どこにいても分かってしまう。捕まっては終わりだ。
キルティ)このままじゃ、いずれ捕まる!
モブ)俺らは残ってこれ片付けよう。幸い、終わった奴らが追いかけてるから。
モブは、部室に残り、麗奈にそう言った。
キルティ)こうなったら・・・
キルティは、魔法で自分の人形の複製を魔法で出して、身代わりにすることにした。自分は物陰に隠れ、人形に魔法を掛けた。すると人形はキルティそっくりの姿になった。そして、ルーク達から逃げて行った。捕まったら、人形に戻るようにしてある。
キルティ)取り敢えず、私は図書室に行くか。
キルティは、移動魔法で図書室に行くと、日の当たらぬ場所に身を隠し、また本を読み始めた。
キルティ)目ぼしいものは見つからないと思うけど。
キルティ)熱心ね。最近は寒いから、暖かい飲み物や食べ物がいいんじゃないか?
キルティは、そう言った。
中の人)雪大丈夫ですか?
ジェイド:ええ、麗奈さんが提案してくれるメニューはどれも素晴らしいです。僕も負けじとアイデアを練っているのですが、なかなか彼女のようにはいきませんね(苦笑)
中の人:やばいです、交通が麻痺しています
キルティ)そういう所は負けず嫌いだな。ココアに生クリームのかわりにマシュマロを入れても美味いらしいぞ。
キルティな一つ案を出した。
中の人)やっぱり。こっちも軽く積もってます。屋根や、高台にほんの少しですけどね。長時間、太陽が当たれば溶けちゃう雪です。災害級ではない。テレビで毎日見てますけど、酷いですね。スキー場も、吹雪く前に小屋に戻るよう呼び掛けているとか・・・
ジェイド:なるほど。そこにチョコソースを加えてみるのもありでしょうか?
中の人:こちらはむしろ、雪溶けるのかというぐらい降り積もって災害級です
キルティ)チョコソースよりは、蜂蜜やメープルシロップ、シナモンが良いだろうな。それに、ココアにチョコソースは、あるにはあるけど、マシュマロの甘みが薄れる。だから、別の甘味の方が良いんだ。なんなら、チョコペンでマシュマロに可愛い模様や動物の顔を描くと、売上が上がるかもな。
キルティは魔法でマシュマロココアにチョコソースでハートの模様や、クマの顔を描く様子を見せた。
中の人)ドカ雪というより、メガ(メガトン)雪ですよね。雪に埋もれてる車や、家もありますし。
外に出るのも危険と言われてます。
キルティ)隠し味なら教えてもいいよ。このココアは大切な者が作ってくれたココアだから、特別なんだ。
キルティは、そう言いながら少し寂しそうな顔をした。
キルティ)入れる量は本当に少々、入れすぎると逆にココアの味を落とすし、えぐみも出る。粉っぽさと妙に辛い味になるから、とてもココアとは呼べない味になるから、気をつけてね。絶対に入れ過ぎないこと。お父様とお母様のココアを汚す真似しないで・・・あっ・・・
キルティは、口を抑えた。キルティのココアはキルティの両親が作ったココアだ。マレウス達に作り方は教えたが、まだ、他の者には教えていないのだ。しかも、他寮の者は何度かキルティのココアを飲んだことはあるが、レシピはおろか、キルティの両親が既に亡くなっている事さえ知らないのだ。キルティも自分の過去は、マレウス、リリア、シルバー、セベク、麗奈にしか話していない。キルティはうっかり口が滑り、ココアが自分の両親のココアだと話してしまったのだ。
キルティは、誤魔化す言葉も見つからず、ふぅっと息を吐くとジェイドにこう言った。
キルティ)話すけど、周りに他言しないでくれ。あまり気持ちのいい話でもないからな。
キルティ)ああ、実は私は最初からマレウス様のお屋敷に住んでなかった。元はフォルン家の愛娘だったんだ。私の屋敷には、両親と家臣が住んでいた。フォルン家もマレウス様の屋敷に比べたら劣るけど、それは大きな屋敷だったんだよ。ある日、庭で両親と楽しくお茶をしていた時に、悲劇は起こった。人間が屋敷を襲撃しに来たんだ。当時、人間と妖精は敵対していてね。両親は先に私だけを外に逃がしたんだ。茨の谷に逃げている最中も、家臣の悲鳴や、爆発する音は、ずっと耳に届いていた。疲れて木の陰で少し息を整えていたら、女性と男性の悲鳴が聞こえた。それは、両親の悲鳴だった。見つからないように家の方に向かったら、家が真っ赤に燃えていた私は愕然としていたよ。ただ、燃える家を見ていたんだ。でも、途中で見つかって逃げていたんだけど、足がもつれて、そのまま谷に転落。落ちる途中に全身をぶつけ落ちた。幸い、雪の上だったから、背中を怪我することはなかったんだけど、体中痛くて動けなくてね。いつの間にか気を失って、たまたまマレウス様がドラゴンの姿で飛んでいる時に、私を見つけて、あまりに酷い状態だったから、急いで家に連れて帰って治療してくれたんだ。魔法でね。その後、目を覚ました私から、事情を聞くと、マレウス様が住んで構わないと言ったから今はマレウス様のお屋敷に住んでるんだ。
キルティは自分の生い立ちをジェイドに離した。
キルティ)あのココアは私が夜眠れない時にお母様とお父様が作ってくれたココアだ。今も眠れない時は飲んでる。その時だけのお楽しみでね。皆言うんだ。私の作るココアは優しい味がするって。
キルティは、フッと笑った。しかし俯いて
キルティ)約束は守れなかったけどね。
キルティ)確かに、大事なものだから、元々は誰にも教えないつもりだったよ。でも、オーバーブロットしてから、少しだけ考えが変わったし、優しいものなら、全てではないが、教えてもいいと思ったんだ。既にマレウス様達には、レシピを教えているし。飲んでも、私と同じ味がした。それに、生い立ちが悲しいだけでココアに罪はないから、別に大丈夫だよ。
キルティはフッと笑った。
キルティ)別にそれは気にしなくていいよ。でも、本当にいいのか?私の過去は気にしなくて構わないよ。
キルティは、ジェイドにそう言った。妙に気を使わせてしまったと思っているのだろう。
キルティ)そうか、あまり人の子を困らせないでくれよ。まぁ、折角だし、私のココア飲んでみてくれ。ここで飲んだことは2人だけの秘密だぞ。
キルティはそう言って、2人分のココアを魔法で出した。
キルティ)作るか作らないかは任せる。隠し味は教えたからな。隠し味を教えただけで、私の両親の味に出来るかな?
キルティはニヤッと笑った。
キルティ)いや、ただ君達がこういうの飲んでる所見たことないから、作ったらどんな味になるのかなって。
キルティはクスッと笑った。
ジェイド:まずは麗奈さんのメニューの開発に勤しまなくては。あの方は我々の想像を超えるメニューばかり持ってきますから。やはり女性というのもあって、マジカメを参考にしたりしてるのですかね?
キルティ)それなら、ケイトだって使えるんじゃない。マジカメならケイトのほうが詳しいし、駆使してる。マジカメ映えするカフェ、大好きな激辛メニュー、いい穴場スポット。彼に聞けば1発だ。ありとあらゆる情報を取り入れてる。
キルティ)だが、関わりが少ないのだろう。同じ3年でもトレイの方が関わりがあるのだろう。同じ副寮長だしな。ばったり会っても共通の話もなければ、そう関わることも無いだろうし。
キルティは、ふぅっと息をついた。
キルティ)いいんだよ。ところで、そろそろお店の開店時間なんじゃないのか?遅れたら、アズールに小言を言われるぞ。
キルティはいたずらっぽく笑いながら言った。
キルティは手を振ってジェイドを見送った。姿が見えなくなるとため息をつく。
キルティ)はぁ・・・帰るのも気が重いなぁ。今日はここに泊まるか。幸い、あまり人も来ないし。
キルティは、小さく呟いた。
キルティ)そうか、だがもう時期暗くなるぞ。そろそろ戻った方がいいんじゃないのか?
キルティは少しずつ図書室のかげが濃くなっているのを見て言った。
その頃、キルティを追いかけていたマレウス達は
マレウス)まさか途中で人形にすり替わるとは・・・
ルークが捕まえたのは、キルティではなくキルティの人形だった事に、探していた一同はびっくりしていたところだった。
キルティは手を振った。そして
キルティ)動物になれば・・・少しは逃げれる可能性も高くなるかもしれない。
キルティはそう考えると、魔法を使って自分の姿を動物に変えた。姿は小さくなり、ハリネズミになった。
キルティ)(よし)
キルティは、暫く図書室の隅にいることにした。閉館の時間を待つことにしたのだ。
モブ)でも、いいんですか?これキルティ先輩が作ってる人形じゃ・・・
マレウス)心配ないだろう。これは複製だ。ところどころ縫い目が荒い。本物は、自分の手元にあるのだろう。
マレウスは、人形を見ながら言った。
マレウス)しかし、キルティが何をしているのか結局分からないな。
マレウスはふぅっとため息をついた。
マレウス)人形を作っていたのは成り行きらしい。
マレウスは、キルティの人形を見つめて言った。楽しそうな顔をしていて、愛らしい顔をしている。
マレウス)セベク達も、そろそろ終わるだろう。寮に戻ったら、悪いが僕らでもう一度キルティを探そう。人の子は僕と一緒だ。1人は危ないからな。
マレウスは、寮に戻る道中麗奈にそう話した。
その頃、ハリネズミになっているキルティは
キルティ)(暇・・・)
暇を持て余していた。
マレウス)ああ、お疲れ。1度は見つけたが、逃げられた。
マレウスは、ため息をついた。
セベク)やはり、もう一度探した方が・・・
マレウス)その通りだ。揃っているなら話が早い。4人なら、見つかる可能性も高い。もう一度探そう。
セベク)はっ!
キルティは麗奈の声が聞こえて急いで本棚の隙間に隠れて、息を潜めた。
キルティ)(意外とハリネズミって便利だな)
キルティはそう思いながら、隙間でも影になる所まで下がると、麗奈達が立ち去るのを待った。
マレウス)キルティ、どこにいる?
マレウスも、キルティを探した。
ディアソムニア寮
セベク)キルティ様ー、どこにおられますかー?
セベクは、寮内を探しながらキルティを呼んだ。
ギクッ!
キルティは、体を丸めて気付かれないようにした。
キルティ)(お願い、早く行ってくれ!気づかないでくれ!)
キルティは祈った。しかし
マレウス)妙だな、キルティの魔力の痕跡がある。キルティは確かにここで魔法を使ったのだろう。
マレウスは、腕を組んで続けた。
マレウス)人の子の推測が正しければ、何かに化けるために変身魔法を使ったと考えるのが妥当かもしれない。そして、この図書には隙間もある。なら、隙間に入り込める何かに変身している可能性が高い。
マレウスは、そう言って、本と本の間を見始めた。
マレウス)人の子、隙間を重点的に探してくれ
マレウスは人の子にそう言った。
キルティ)(まずい、本気でまずい!)
キルティは、身の危険感じて、針を出しながら思った。
マレウス達は、隙間を探し続けた。
マレウス)なかなか見つから・・・
マレウスは、暗闇の中に2つの光があるのを見逃さなかった。夜行性動物の目だ。マレウスは、キルティが隠れている隙間を突き止め、手を入れようとした。
キルティ)!
キルティはびっくりして後退りした。
マレウス)それらしいものは見つけた。が、奥にいて、出せない。
マレウスは、指を入れたがあと数ミリが足りないのだ。
マレウス)これ以上すると、本棚を壊してしまう。
マレウス)シルバー達に連絡して来てもらおう。あと、ハリネズミが何を食べるか聞いてみよう。
マレウスは、シルバーに電話を掛けようとしたが、機械に疎いため、電話を掛けるのに時間が掛かり
マレウス)人の子、すまない。代わりに掛けてくれるか?
と、麗奈にお願いした。
麗奈:わかりました(電話をかけて)
シルバー:もしもし?
麗奈:あ、シルバー先輩? なんか、ハリネズミがいまして、けど隙間に入って…食べ物でつるには何がいいでしょうか…?……昆虫? あ、果物も? わかりました(通話終了)
マレウス)セベクに頼んで、寮にある果物を持ってきてもらおう。キルティが前に、リンゴをもらっていた。まだ残っているはずだ。人の子、電話を頼んだぞ。
セベク)分かった、すぐ行く。
セベクは、リンゴを持つと、急いで図書室に向かった。そして暫くして
セベク)若様お待たせましました。人間、取り敢えず、そのまま持ってきたぞ。
セベクは図書室にやって来た。
マレウス)セベク、もう少し静かにしよう。ここは図書室だ。人払いはしてるがな。
マレウス)反応しないな。
マレウスは少し考えると、何かを思いついたのか魔法で皿を出すとリンゴを置いて、隙間の目の前に置いた。
そして
マレウス)無理に出しても悪いだろう。自然に出てくるまで、放っておこう。僕らも寮に戻ろう。
マレウス達はそう言って、図書室を出ていった。足音が聞こえなくなり、キルティはそっと隙間から出た。リンゴが目の前に置いてある。
キルティ)(お腹は空いてるし、ありがたくもらっとこうかな。ちらつかされた時は、思わず飛びつきたくなったけど・・・危なかった)
キルティはそう言って、ハリネズミの姿のままで、リンゴに齧りつこうとした。しかし
マレウス)こうもあっさり罠に掛かるとは・・・
マレウスは、ハリネズミの姿のキルティを浮かして言った。マレウス達は、図書室を出たのではなく、その場を離れただけだったのだ。
マレウス)ようやく、捕まえたぞ。キルティ。寮に戻ったら、聞きたいことが色々とある。僕から逃げられると思わないことだ。
キルティ)チュゥ・・・
キルティは小さく鳴いた。
マレウス)キルティ本人だ。魔力の痕跡から、同じ魔力を感じる。人の子の推測が正しかったようだな。
マレウスは、ニヤッと笑った。そして
マレウス)とにかく、このまま連れ帰って寮に戻ったら戻そう。逃げられないからな。
マレウスは、キルティを見ながら言った。キルティは焦っているのか手足をバタバタさせていた。
キルティは、撫でられて落ち着いたのか大人しくなった。
マレウス)落ち着いたな。取り敢えず、このまま連れて帰る。
マレウスは、ハリネズミのキルティを猫みたいに首根っこを掴もうとしたが、針が刺さり
マレウス)迂闊に触れんな。魔法で浮かすか。
そう言って、ハリネズミを浮かした。
キルティはただじっとしていた。というより、マレウスの魔法で動けなかった。
キルティ)(何で落ち着いてから、動けなくなる魔法使ったんだろ?)
キルティは撫でられても動けなかった。そして、そうこうする内に、寮についた。寮に入ると、マレウスは、キルティの魔法を解き、元の姿に戻した。
マレウス)談話室に行くぞ。
キルティ)は、はい。
談話室に入るとマレウスとキルティは向かい合せで座った。
マレウス)さて、キルティ。ここ最近、何を調べている?
マレウスは、真剣な顔で聞いた。
キルティは、少し黙り、口を開いた。
キルティ)今は詳しく言えません。ですが必ずお話しします。
キルティはそう言った。
マレウス)(やはりはぐらかすか)分かった。なら、次の質問だ。今日、なぜ僕らから逃げた?僕は昨日言ったはずだ。体調がまだ悪ければ、休ませると。気付かれないように、部屋から外に出て、その後も、僕らの目を掻い潜って今日1日過ごしていたのは分かっている。お前を見かけた寮生が、顔色があまり良くないと聞いた。現に今も顔色が優れていないように見える。
マレウスにはっきりそう言われて、キルティは下を向いた。
マレウス)人の子に言う前に、まずは自分の管理をすることだ。出来ないのならば、お前をハーツラビュルに体験入学させても構わない。期間は1週間だからな。
マレウスはそこまで言った。すると、キルティは立ち上がり頭を下げた。
キルティ)申し訳ありませんでした。以後、このようなことを起こさないように気をつけます。
と、マレウスに謝った。マレウスは、息をつくと頭をぽんぽんして
マレウス)あまり無理をしないでくれ。
そう言った後
マレウス)次はないぞ。
と、はっきり言った。
キルティ)は、はい・・・
キルティは、返事をした後、ソファに座り、少し落ち込んでいた。
キルティ)ああ、それは分かっている。分かっているんだが・・・
キルティは、ため息をついた。麗奈の前では、絶対にあのゴーストの話をしてはならない。話せば、麗奈が怯えて毎日を過ごすことになる。それだけは絶対に避けなければいけないのだ。
キルティ)(本がないと、流石に情報を集めにくい・・・どうすれば・・・)
キルティは、何か方法がないか考えた。
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