トピ主 2021-09-01 18:06:46 |
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キルティは、肌荒れに効く薬とヴィルから貰った麗奈専用の物を優しく塗っていった。塗り終わると、キルティは何かを思いつき
キルティ)そうだ、何時までも荒れた肌に悩まされるのは嫌だろう?早く治るように贈り物を授けよう。
キルティは、不敵に笑った。
キルティ)形あるものだけが贈り物とは限らない。形のないものが贈り物になることもある。簡単に言うと、言葉とかな。
キルティは、フッと笑った。
キルティ)早く治りますように。
キルティはそう言うと、同時に麗奈に少しヴィランに染まる魔法を掛けた。ほんの少ししか染めてないので、麗奈は普段とそう変わることはない。
キルティ)(まぁ、気休め程度にな)
キルティはそう思っていた。キルティは部屋にいたが、マレウス達の話は聞こえていた。今は誰も居ないし、触れてもおかしくないと思い、魔法を掛けたのだ。勿論、負担の掛からない付与魔法付きで。
キルティ)安心しろ、直ぐに良くなるさ。
キルティは笑った。
キルティ)早く着替えた方がいいぞ。風邪をひく前にな。
キルティは、そう言うと麗奈の髪をタオルで拭き始めた。
キルティ)(今夜は全員が寝静まった後、見回りで麗奈に取り憑いた者と似たゴーストが出てこないか、見てみよう。うちの寮はマレウス様と私リリア達で強力な防壁魔法を張ったし、一分の隙もないから、ゴーストは入れない。でも、学校は分からない。今日は寮を見回るけど、明日は学校を見回るか)
キルティは、そう考えながら、体を洗っていた。
マレウス)やれやれ、僕が行って寝かせる。僕もそろそろ休もう。おやすみ。
マレウスは、談話室を後にした。
セベク)僕も部屋に戻って休みます。
セベクも続いて談話室を出た。
マレウス)人の子、僕だ。
マレウスは、麗奈の部屋のドアをノックした。
マレウスは、倒れかけた麗奈を受け止めた。そして、不敵な笑みを浮かべながら、腕の中で眠る麗奈に言った。
マレウス)頑張るのは良いが、休息も必要だ。シュラウドも言っていたのにな。
マレウスはそう言うと、麗奈を抱き抱え、部屋に戻って行った。
マレウス)リリア、まだ寝ていなかったのか?
マレウスは、麗奈を抱きかかえながら、リリアに気づいた。すると
キルティ)お二人とも、まだお休みになられてなかったのですか?
キルティは、風呂から上がったところで、寝間着姿でやって来た。
キルティ)疲れたから、ゆっくり浸かってたんだ。(本当は寝静まる頃合いを読んだのだが、読みが外れたな。まぁ、いいか。本当に寝てから出ても、問題ないな)
キルティは、今夜の計画を考えながら、そう言った。
マレウスは部屋に着くと、麗奈をベッドに寝かせた。そして自分も寝間着に着替えると
マレウス)おやすみ、人の子。
そう言って、麗奈のおでこにキスをした。その時、少しだけ、ヴィランに染まる魔法を掛けた。何か考えや気持ちが変わるわけではないが、マレウスは、麗奈と寝る時、たまに魔法を掛けている。毎回、掛けては麗奈に負担が掛かるため、たまにしているのだ。
マレウス)(キルティも掛けていたが、一応な)
マレウスはそう思い、魔法で明かりを消すと、眠りについた。
マレウスは、麗奈の隣で寝ていた。
マレウス)すぅー
気持ちよさそうに寝息を立てている。勿論、部屋の鍵は掛けている。(麗奈が逃げないため)
マレウス)人の子がいなくなったからな。それより、何故いつも知らずに僕と寝ると部屋を出ようとする?やはり僕が嫌いなのか?
マレウスは、辛そうな顔を浮かべた。
マレウス)僕が人の子と眠って寝づらくなることはない。寧ろ快眠出来る。だから、勝手に部屋から出ようとしないでくれ。今度やったら、流石の僕でも怒るぞ。
マレウスは隣で眠る麗奈を見て小さくこう言った。
マレウス)人の子、今度やったら首筋を噛んでしまうからな。
マレウスは、不敵に笑った。そして、自分もベッドに潜ると、そのまま眠りについた。
キルティは、窓から差し込む陽の光で目を覚ました。ベッドから起き上がり、少し間を置くと、頭を抑え、目を伏せて項垂れた。
キルティ)(寝ちゃったよ・・・夜中に学校を見回るハズだったのに・・・最悪・・・)
キルティは、マレウス達と別れた後、全員が寝静まるまで、少しでも体を休めようと思い、ベットに寝転がった。が、そのまま眠ってしまったのだ。
キルティ)仕方ない、今夜行こう。
キルティ)ありがとう、シルバー。
キルティは、シルバーに礼を言った。
セベク)キルティ様、おはようございます。今紅茶を淹れますので。
キルティ)うん。
マレウス)少し、急がないといけないな。人の子、魔法で着替えさせる。
マレウスは、指を回した。すると、マレウスと麗奈は制服姿になり、髪もちゃんと梳かれていた。
キルティ)美味しそうね。
キルティは、スコーンを1つ手に取ると、齧ると、紅茶をひと口飲んだ。
キルティ)美味しいね。紅茶にも合うよ。
マレウス)早速朝食を食べに行こう。
マレウス)おはよう、確かにいい香りがするな。
マレウスも、興味津々だ。そして、キルティは、辺りを見渡した。
キルティ)リリアがいない。天井にもぶら下がってない・・・
マレウス)リリア、やめておけ。
マレウスは、青い顔で言った。
キルティ)そうだよ、リリア。モストロ・ラウンジだってやり方があるし、随時新メニューを募集しているわけじゃない。募集もしてない時にアイデアを出しても、採用されなければ意味がないだろう。押し付けるわけにはいかないし。(死人を出さないために)
セベク)リリア様、やめておきましょう。
3人は青い顔をしていたが、いつもと同じ声の高さで何とか平然を装いながら言った。リリアの料理と聞くだけで、恐怖なのだろう。
シルバー:親父殿、ここはマレウス様の話を聞きましょう
リリア:あい、わかった(残念そう)
麗奈:(スマホを見るとマジカメには自分の考案したメニューがアップされていて)
セベク・キルティ・マレウス)(ほっ)
全員安堵した。
セベク)(リリア様の料理が外部に出たら、危うく、あの河の向こうに渡ってしまう者がいるかもしれない)
キルティ)(オクタヴィネルが食べたら、確実にフロイドが回復した途端、誰彼構わず、ディアソムニア寮の寮生及び私達を締めかねない)
マレウス)(出来るだけ、自然な言葉を心掛けよう)
皆、様々な考えを巡らせていた。
麗奈:例えば紫のクリーム?はブルーベリーなどを使います。着色料なんかには頼りたくないですし、見た目はグロテスクだけど甘くて美味しいギャップのあるパフェとか作れますよ
リリア:ほう、わしの料理を違う形で表現するのか?
麗奈:はい。ギャップを持たせることに意味があるんです
キルティ)(普通の食材を使って、尚且つ食べれる物だと分かっていたら、こっちだって何も言わないよ)
マレウス)(リリアの料理は本能的に、食べてはいけないと分かる)
セベク)(リリア様の料理を食べて、無事だった記憶は僕にはない)
3人はそんなことを思っていた。
セベク・キルティ・マレウス)(あの料理は確実に食べ物じゃない)
シルバー:(麗奈、それ以上は深入りはやめてくれ!)
麗奈:そうです。なら今日は帰りにモストロ・ラウンジで私のパフェ食べてみては!?
リリア:そうするかの
キルティ)私は、今日の放課後バイト行かないと。
キルティは、予定を見て言った。
マレウス)今日は入っていたのか。
キルティ)はい。
マレウス)客として行くのなら、許可する。だが、バイトは休め。
キルティ)パフェなら、夏に売れるしアズール達が、準備する頃に教えたらどうだ?夏まで、まだ日は結構ある。
キルティはフッと笑いながら言った。
中の人)現実では夏っぽい気温で暑いです!
麗奈:わかりました
シルバー:麗奈の新作は楽しみだが、やることが多すぎるだろう(実験など)
中の人:こちらは今日は13度で寒いです!
麗奈:あとでリドル先輩とお話ししたいの。掛け合ってもらえる?
デュース:リドル先輩と?
麗奈:マレウス様たち曰く、スケジュールを立てるのが苦手で…リドル先輩と相談して立ててみようかと思って
マレウス)ああ。
マレウスはそう言ったが、こそっと
マレウス)放課後、キルティの様子を見に、モストロ・ラウンジに行こう。
と、付け足した。
キルティ)いや、ずっとゴーストのことを調べてるんだけど、収穫がなくてね。それに、あのゴーストにも妙な点があるし、考えれば考えるほど、謎が多くて・・・
キルティはため息をついた。
キルティ)終わっても、もう2度と起こらないというわけでもないだろう?それに、解き明かしておきたい謎もまだまだあるんだ。だが、情報があまりにも少ない。オンボロ寮のゴーストも知らないって言ってたから。
キルティは項垂れた。
キルティ)シルバーにも全く同じこと言われたよ。でも、次は魔法士を狙うんじゃないかと思うと、気が気じゃなくてね。特に、厄介なユニーク魔法持ってる人に取り憑いたら、物凄く面倒くさいからさ。
キルティは目を伏せていう。
キルティ)人の子の部屋もめちゃくちゃにしてくれたからね。私が魔法パレードで皆の色を考えて作った花束も散り散りにしてくれて・・・流石にショックだった。
キルティ)いや、こちらで直したし、修復も出来た。花も少しアレンジを加えて綺麗にした。でも、あの惨状は暫く忘れられないし、あの顔も思い出すと今でも、ゾッとする。
キルティは、麗奈にゴーストが取り憑いた姿をカメラで間近に見たのだ。恐怖でカメラを投げ飛ばしてしまうほど、恐ろしかったのだろう。
キルティ)それも謎なのだ。自分に魔力があるなら、魔力もない麗奈に何故取り憑いたのだろう?体力も私や男性の方が、充分あるのに。
キルティは、あのゴーストが何をしたかったのか分からなかった。
キルティ)他にも潜んでいるとしたら、逢魔ヶ刻から、動き出す。これ以上、人の子を危ない目に合わせるわけにはいかない。こっちも面倒事はごめんだ。
キルティはそう言うと、手を握りしめ
キルティ)絶対に原因を突き止めてやる・・・
ゆっくりそう言った。キルティは気持ちが高ぶってるせいか、少しドラゴンの鱗がピキピキと顔に浮き出てきた。
キルティ)大丈夫、直ぐに戻るよ。落ち着けば鱗は薄れる。
キルティはそう言って、深呼吸した。そして、落ち着いたのかもう何処にも、鱗のあとはない。
キルティ)ほら・・・
キルティは顔を見せた。
キルティ)見事にエクセレンを決めてるよ。あのまま行けば、研究者の目にも留まりそうだ。
キルティは、そう言いながら、すり潰した薬草を釜に入れて、素早くかき混ぜた。
キルティ)あんまり嬉しくはないけどね。
キルティ)いや、人の子の将来の夢が遠のくなと思ってな。彼女、将来設計もしっかりしてるから。
キルティは困った笑顔で言った。
キルティ)(あと、こっちに住むのが難しくなりそうだ。研究が長引くなら、研究所に泊まるか、あるいは研究所の近くに泊まれる所があるなら、そこに泊まると思うし。いくら、鏡であっという間と言えど、毎回鏡を通るのは大変だろうし、体力的にも疲れる)
キルティ)それで、体調崩したからな。
キルティは麗奈が休んだ日を思いながら言った。
キルティ)ちゃんと、見ていないと心配だ。
キルティ)そうだな、自由な時間は今以上にある。好きな事をして過ごしてほしい。生憎、こっちは中々休みが取れないからな。リリアを麗奈のそばにいるよう頼むかもしれない。
キルティは、少し困った笑顔で言った。マレウスの側近になるということは、常日頃からマレウスの側にいて、仕事の手伝ったり、雑務をこなしたりと、自分も忙しくなることは分かっているのだろう。
キルティ)じゃあ、私は先に片付けに入るよ。
キルティはレポートは既に書けて、クルーウェルに魔法で届くようにしたので、道具などの片付けに入った。
キルティ)暫くは、バイトは休ませることにしている。だが、今日は客として来るぞ。ちなみに私は今日バイトだ。
キルティは、瓶を片付けながら言った。
リリア:わしは最近野菜不足じゃからの。およ? あれは麗奈じゃないか?
レオナ:ほら、もっと食えよ(食べさせて)
麗奈:はむ、もぐもぐ
デュース:レオナ先輩! 近いですって!(レオナを引っ張って)
エース)つっても、そんな直ぐに方法思いつかねぇよ。レオナ先輩怒らせると俺らがやられんだぞ。
エースは、デュースにこっそり言った。
エース)せんぱ~い、そろそろ俺たちに変わってほしいんですが?
エースは、にっこり笑いながら言った。しかし、実際はめちゃくちゃ嫉妬していた。それを見事に隠しているのだ。流石ヴィラン
キルティ)確かに独り占めはしない方がいいぞ。
その様子を見たキルティがレオナに話しかけた。
キルティ)人の子だって、他の者と交流したいはずだ。だから、あまり独占するな。お兄さん・・・あ・・・
キルティは昨日、魔法薬を浴びて幼くなり、その間レオナをお兄さんと呼んでいた。いつの間にか癖がついて、うっかりレオナをそう呼んでしまったのだ。
キルティ)あ・・・えっと・・・
キルティ)そ、空耳・・・じゃないのかな?
キルティは、動揺しながら言う。しかし、めちゃくちゃ焦っていた。
エース)いや、バッチリ聞こえましたけど?なぁ、デュース?
キルティ)(ダメだ、何も思いつかん!)
キルティは、みるみる顔が真っ赤になり、耳まで赤くなると、顔を背けながら、レオナに
キルティ)ごめん、間違えた。
と、小さく言った。
エース)せんぱ~い、変わってくださいよ~
エースは、レオナにお願いした。
キルティは顔を抑えている。未だに熱が冷めないようだ。
キルティ)(恥ずかしい・・・うっかりとは言え、あんなこと言ってしまうとは・・・)
キルティは、顔を赤くしながら
キルティ)う~~~
と、唸っていた。
エース)ありがとう、せんぱ~い。
エースは麗奈の隣に座って言った。
エース)麗奈~、レオナ先輩と仲いいよな?
キルティは昼食を冷製パスタにした。
キルティ)これでも食べて熱を冷まそう。
キルティは未だに顔が赤かった。
キルティ)(いつも普通に呼べるのに・・・そう言えば、昨日はすごく優しかったな)
キルティはそう思いながら、パスタを食べ始めた。
エース)ありがとう、せんぱ~い。
エースは麗奈の隣に座って言った。
エース)麗奈~、レオナ先輩と仲いいよな?
キルティは昼食を冷製パスタにした。
キルティ)これでも食べて熱を冷まそう。
キルティは未だに顔が赤かった。
キルティ)(いつも普通に呼べるのに・・・そう言えば、昨日はすごく優しかったな)
キルティはそう思いながら、パスタを食べ始めた。
エース)デュース、ずる~い。
キルティ)彼の魔法は少量で、大洪水を起こすほどだものね。学校の修繕費いくらだろう?
キルティはクスッと笑った。
エース)やったー、サンキュー
エースは嬉しそうだった。
キルティ)ジェイド達は喜びそうだけどね。
キルティは困った笑顔で言った。
エース)めっちゃ美味い。
エースは、嬉しそうに言った。
キルティ)泳げない訳じゃないけど、食堂が沈んだら自分達も人魚にならなきゃいけないかもしれないね。
キルティはフッと笑った。
エース)そういうデュースも赤いぞ。
エースはデュースの顔を見て言った。
キルティ)そうだな、次はちゃんと名前で呼ばないと・・・
キルティは、レオナをチラッと見ながら言った。
キルティ)(あんまり気にしてなさそう・・・今度こそ、名前で呼ぶぞ)
キルティは立ち上がって、麗奈やレオナ達がいる方へと近づいた。
キルティ)(名前で呼ぶ、名前で呼ぶ、名前で呼ぶ)
キルティは自分にそう言い聞かせていたが、頭はこんがらがっている。そして
キルティ)レオナお兄さん・・あっ・・・
キルティは頭がこんがらがった状態だった為、全部言ってしまった。今度は顔が真っ青だ。
キルティ)シルバー、今すぐ銀の剣で私の心臓貫いてくれ。
キルティは、シルバーに抱きつき泣きながら言った。恥ずかしくて仕方ないのだろう。
キルティは、それを聞いてハッとした。
キルティ)ごめん・・・でも益々恥ずかしい。
キルティは顔が真っ赤で、顔を抑えた。
キルティ)やっぱり、カリムに頼んで顔に水を充てて冷ましてもらうのが早いか?
キルティは、そんなことを呟いた。
エース)レオナせんぱ~い、それは辞めたほうがいいですよ。ルチウスが絶対怒るんで。あと麗奈はルチウスが好きなんです。女の子の好きな時間を奪う真似しませんよね。
エースは意地悪っぽく笑った。
レオナ:はん。俺もたまには教えている
麗奈:ええ(ニコニコ)
デュース:麗奈、レオナ先輩に教えてもらってちょっと楽しそうだな(ぼそっ)
エース)レオナ先輩、知識は長けてるだろ?だから、他の事も知れて、嬉しいんだろ。真面目だよなぁ。
エースは、デュースにコソッと言った。
エース)何だよ、昨日撫でたら気持ち良さそうに喉鳴らしてたくせに。
エースは、不機嫌そうに言った。
エース)あっ、もしかして俺じゃなくて麗奈と勘違いしたとか?
エースは、ニヤニヤしながら言った。
ルシウス:…(わかりやすくそっぽ向いて)
麗奈:もう、エース~、ルシウスからかったらダメでしょ? トレイン先生曰く、ストレス溜まってるみたいなんだから
エース)そうは言ってもなぁ、俺らからしたら騙される方が悪いって考えになるんだよ。それはデュースも同じ考えだし。麗奈とは考えがちょっと違うんだよ。
エースは、不敵な笑みを浮かべて言った。
エース)本当はどう思ってるんですか?優等生のデュース君。どんなに頑張っても俺らは、いい人になれないのは分かってるだろ?
エースは、ヴィランな顔をしながら言った。
エース)他のことに夢中なら、染めやすい。気付かれず、負担かけねぇように、染まらせような。デュース。
エースはめちゃくちゃ悪い顔でデュースに言った。
エース)麗奈は、疑うことを知らないちょっと脅しても、謝れば、直ぐにまた懐いてくる無垢なお姫様だからな。俺達で、ヴィランなお姫様にしないと。
エースはニヤニヤしながら麗奈を見た。
エース)麗奈、アズール先輩みたいになっちゃダメだと思うぜ。
エースはそう言って、デュースに合図を送った。もう一声入れてほしいのだ。
3人のやり取りを後ろで見ながら、腹ただしい気持ちを必死に抑えているものがいた。アズールだ。
アズール)(失礼だな、僕みたいになってはいけないって、どういうことだ!)
アズールは、エースに問いただしたかったが、現在授業中の為、抑えた。(授業はまともに聞きたい)
エース)トレイ先輩にしっかり見ててくださいって連絡しとこう。
エースは、トレイに電話をかけた。
キルティ)今日はゆっくりガーゴイルが見れます。
マレウス)ここのところ、一緒に見れなかったものな。
マレウスとキルティは、久々に2人でガーゴイルを見ていた。
マレウス)最近、何故部活に来れなかった?
キルティ)えっと、ゴーストの件を調べるのに忙しくて、それで・・・
キルティは頬をかいて言った。
キルティ)シルバーや他の皆にも根詰めすぎないようにと言われたので今日は気分転換にガーゴイルを見ようと思ったんです。
キルティは少し疲れ気味だった。
エース)トレイ先輩、これから麗奈が部活行きますけどちゃんと見といてほしいんです。ちょっとふらついてるんで、心配なんですよ。流石に俺達も部活行かないといけないので。
エース)じゃあ、お願いします。
エースは電話を切ると
エース)それじゃあ、俺達もそれぞれ部活行こうぜ。遅れるとまずいし。
エースはデュースにそう言った。
マレウスはキルティの疲れた顔を見て、何かを思いついたのかキルティの手をひいた。
マレウス)今日はこっちに行くぞ。
キルティ)えっ?そっちは明日じゃ・・・
マレウス)気が変わった。
マレウスはそう言うと、サイエンス部が使う部屋に近いガーゴイルがあるところへ歩いていった。
デュース:ああ。また寮でな、エース
麗奈:お疲れ様です
ルーク:待ってたよ、麗奈くん
トレイ:具合悪くなったら言えよ?
麗奈:はい(早速調合を始めて。ついに薬が完成しそう)
エース)おう!
エースも手を振って部活に向かった。
エース)ジャミル先輩、フロイド先輩、お疲れ様です。
キルティ)マレウス様、こっちはガーゴイルも少ないしこの先はサイエンス部がいますから、邪魔する訳には・・・
マレウス)キルティ、疲れているなら休憩が必要だ。サイエンス部の休憩時のお茶に参加するぞ。
キルティ)へっ?
マレウスは、それだけ言うと、サイエンス部の部屋に入った。
マレウス)部活中だが、入るぞ。
フロイド:あ、カニちゃん、お疲れ~
ジャミル:やっと来たか…
麗奈:マレウス様!?
モブ:えー!?
ルーク:マレウスくん? これは珍しいね。サイエンス部にようこそ
エース)すんません、寮の連絡のやり取りして遅れました。
エースは、手を合わせて言った。
マレウス)急にすまないな。今日はここを散歩の終着点にしていたんだ。よければ、ここでゆっくりさせてもらえないか?キルティは相当疲弊しているんだ。
キルティは椅子に座っていたが、机に突っ伏していた。それもそのハズ。授業以外はずっとゴーストの事ばかり考えていたのだ。頭はもうパンク寸前だった。
フロイド:小エビちゃん元気? 最近、あんま見ないから心配だよ~
ルーク:キルティくん、大丈夫かい?よかったらアフタヌーンティーにしようかい?
エース)元気っすよ。ただ、元気になったら直ぐに無理するから危なっかしいていうか、危機管理がなってないっていうか・・・
エースは困った笑顔でユニフォームに着替え、買ったばかりのバッシュを履いた。
エース)よし、準備完了!
エースは、買ったばかりのバッシュを履いて上機嫌だった。
キルティ)アフタヌーンティーもだけど、冷たいスイーツも注文していいかい?頭がパンク寸前で冷やさないと、頭が爆発してボンバーアフロヘアーが完成するかも。
キルティは、突っ伏したまま首だけ動かしてルークにお願いした。キルティは相当疲弊してるのか、わけの分からないことを言っていた。
中の人)後で読み返したら、妙にジワって笑いました。
ジャミル:新しいバッシュか?
ルーク:ウイ
麗奈:大丈夫ですか? 私はまだ手が離せないので(鍋を混ぜていて)
中の人:www
エース)はい、この間、麗奈とデュースと出かけた時に買ったんです。ジャミル先輩が前のバッシュボロボロだって言ってたので、ちょうど良かったです。
エースは、嬉しそうに言った。
キルティ)最近、調べ物とかしててね。それに次期王の側近も自分の仕事はあるからね。それで疲れてしまったみたい。
キルティは、ふぅっと息をついた。
フロイド:何それ、ずる~
麗奈:やっと完成した~(枯れた土地に植物や花を芽吹かせる薬品)
ルーク:キルティくん、召し上がれ(アイスケーキやフルーツ盛りだくさんのケーキスタンド持って)
トレイ:たくさん用意しておいてよかった
エース)フロイド先輩も、麗奈と一緒に海行ったじゃないですか?
エースは笑いながら言った。
キルティはアイスケーキを一口齧った。サクッと音が鳴る。キルティは幸せそうな顔をして
キルティ)美味しい~、熱が冷めるよ。
マレウス)キルティの言いたいことは分かる。紅茶もいい味だ。人の子も休憩したらどうだ?いつもあまり休憩してないのだろう?
フロイド:陸のお店にはまだ一緒に行ってないよ~
ジャミル:(俺だって一緒に行きたいところだが…)
麗奈:薬も完成しましたし、いただきます(チーズケーキを食べて)
トレイ:やっと麗奈がまともに休んでくれた
ルーク:張り切るのはいいことだけど、今は自分の体も大事にしなくてはいけないよ?
麗奈:はーい
エース)じゃあ、出かけた時は、海行って終わったんですね。
キルティ)やっとって・・・今まで1度も休まなかったのか?
キルティはトレイに聞いた。
フロイド:小エビちゃん、ちょっと目離したら頑張ってくたびれちゃうんだもん
麗奈:はい。こちらを完成させたくて(先ほどの薬品)
エース)そっか。麗奈は人魚じゃねぇから、余計疲れちゃうよな。
エースは、準備運動しながら言った。しかし体がかたい。
エース)ジャミル先輩、背中押して・・・
エースは開脚しながら、手を前に伸ばしながら言った。
エース)あだだだっ!でも・・・あとちょっとで指先が床に届く・・・
エースは、硬い体を伸ばしながら言った。そして
エース)つか、フロイド先輩準備運動しなくていいんですか?急に動くと怪我しますよ!
フロイド:カニちゃん、ずっと小エビちゃんのそばにいるからずるい~
ジャミル:だったらまたモストロラウンジに客として来てもらえ
エース)ずるいって俺達は、キルティ先輩たちから、直々に頼まれたんですよ。クラスも一緒だし、1人にするなって言われたんです。先輩の言いつけ守らなかったらヤバいでしょ?しかもディアソムニア寮ですよ。何されるか分かったもんじゃない!
エースは、体を伸ばしながら言った。ようやく指先が床についたようだ。
その頃、サイエンス部の教室では全員が休憩していた。
モブ)実験も好きだけど、俺この時間も好きです。
ジャミル:お前だって無闇に行動してマレウス先輩の怒りを買いたくないだろう?
フロイド:そうだけどさ~
ルーク:ゆっくり休みたまえ
トレイ:あれ、麗奈は?
モブ:あそこっす(薬を試しているよう)
麗奈:(1滴垂らしたら枯れた大地から花や植物が咲いて)
キルティとマレウスは麗奈の様子を見ていたが足元から植物が芽吹き出して、びっくりしていた。
キルティ)あの魔法薬って確か・・・
マレウス)植物にとって環境の良い空間を作る魔法薬と、植物の育ちを良くする魔法薬だ。どちらも爆発しやすい魔法薬だ。
キルティ)爆発しやすい魔法薬だけ聞くと発火薬みたいに聞こえるんですが?
フロイド:いいよ(開脚して前に倒れると見事に肘が床について)
モブ:おお~!!
ルーク:すごいよ麗奈くん。これはかなり難しい調合なのだけど、一体どうやって完成させたんだい?
麗奈:材料の保管や温度調節を細かくしたり、とにかくいろんなところに神経を張ってました(紙のようにふにゃふにゃになって)
エース)凄いっすね~、人魚って体柔らかいですか?
エースは驚きながら言った。
マレウスは、麗奈の様子を見て
マレウス)人の子、こっちに来て、休憩した方がいいぞ。風が吹いたら、飛んでいきそうだ。
と言った。
キルティ)確かに、あの魔法薬を爆発させないようにする為にはミリ単位の調節が必要だな。それを見事に成し遂げたということか。やはり凄いな。
エース)でも、さっきよりは伸びてます。
エースはそう言うが、ほんの数ミリだ。
マレウス)何度も言っているだろう?休憩出来るときにちゃんとするようにと。根詰めすぎてもいい結果は生まれない。
キルティ)せめて実験が一段落したら休憩するようにしたらどうだ?
ジャミル:そう簡単には伸びない。毎日続けていればましになる
麗奈:そういたします
ルーク:それにしてもこんなものを作るなんて、もはや学会に報告してもいいのではないかい?
麗奈:それは大げさかな?
キルティ)それはしても良いんじゃないか?前みたいに害は受けないし。危ない物を安全な物にしたのだろう?
マレウス)キルティの言うとおりだ。危険物を取り扱うことに出来る人の子は珍しい。
マレウス)もしかしたら、評価されるかもしれないな。
キルティ)ここまで、腕がいい者もそういませんからね。
マレウスとキルティは笑った。
エース)(ギクッ!)ま・・・まぁ、それなりに・・・(ヤベー、明日テストだ!下がったら、補習で部活出来ねぇ!)
エースは焦った。
ジャミル:だからってアズールに頼ったりするなよ? またイソギンチャクになりたいのか?
麗奈:はい
トレイ:それにしても、すごいノートの量だな(3冊も持ち歩いていたのか…)
エース)トレイ先輩か、ケイト先輩に聞きます。懲りたので。
エースは、困った顔で言った。
マレウス)それだけじゃない。インクも数個持ってる。メモや大事な事をいくつも書けば、インクだって直ぐ無くなってしまうからな。
マレウスは麗奈の持ち物を見て言った。
キルティ)まぁ、人の子以外の皆はブロットをインクを変えられますからね。多ければ、その分足せます。
キルティは、そう言った。
キルティ)(魔法を使えば、必ず溜まるからな。オーバーブロットした時は、1番足りたなぁ。良くないけど)
キルティは、そんな事も思っていた。
エース)勘弁してくださいよ。あれ戻るのすげー掛かったし、皆に笑われるんですから。
エースは頭を抑えた。
キルティ)トレイ、人の子は休憩何分とった?
キルティは、麗奈の休憩時間が、短すぎるように感じたのだ。
ジャミル:普段からズルしなければああはならなかった
フロイド:ほんと~
トレイ:5分だ。そもそもケーキ食べながらノート取ってる
エース)でも、難しい問題とかジャミル先輩には無いんですか?頭捻んないと出て来ない答えとかあるでしょ?
エースは不満そうに言った。
キルティ)トレイ達がいつもとる休憩時間は?
ジャミル:俺は特には…
トレイ:大体30分ぐらいか?
ルーク:ウイ。麗奈くんが休んでいるところをあまりみていなかったから心配だった
エース)ジャミル先輩、苦手教科とかないんですか!羨ましい~
エースは、びっくりしていた。
キルティ)短い、あまりに短すぎる・・・
キルティは、ため息をついた。それはマレウスも同じで。
マレウス)クローバー、ハント、今後休憩する時は、人の子をあの手この手で、同じ時間休憩させるようにしてくれ。このままでは、同じことを繰り返す。完全に悪循環になってしまう。
マレウスは、トレイとルークにそう頼んだ。何度も、体調を崩しては、いずれ本当に倒れてしまうと思ったのだ。
エース)はーい。
エースは、こまった笑顔で返事をした。
キルティ)人の子、何を探しているんだ?
キルティは麗奈がスマホで何かを探していることに気づき、声を掛けた。
キルティ)それくらい、私達に言ってくれれば、いくらでも・・・
キルティはそこで言葉が止まった。海と聞いて怯えたのだ。
キルティ)えっと・・・暫くは私以外で頼む。
キルティはそう言って、顔を背けた。未だに、水槽に引きずり込まれた恐怖が癒えていないのだ。キルティは椅子に座ると呼吸を整えていた。
マレウス)キルティ、大丈夫か?
キルティ)大丈夫です。少し、怖くなっただけです。
トレイ:もし行くとしても、マレウスたちと一緒に行くことだな
麗奈:わかりました
ルチウス:(薬学室のドアをガリガリして)
トレイ:誰だ?(ドアを開けて)
ルチウス:オ゛ア
キルティ)成る程。
キルティは、猫語を聞いて分かった。そして、自分も動物言語を使ってルチウスに話した。
キルティ)ルチウス、ニャー、ウルニャニャン、ニャーニャーニャン(ルチウス、人の子に近づいて、相手をするようにすり寄ってくれるか?)
キルティはルチウスにそう頼んだ。キルティは、ルチウスが麗奈にじゃれ付けば、ルチウスに興味がいき、休憩すると思ったのだ。
ルチウス:オ゛アァァ(わかった)
ルチウスは麗奈の作業台に飛んだ
麗奈:ルチウス!
ルチウス:オ゛ア(麗奈の腕を枕にして寝てしまい)
キルティ)(ナイスだ、ルチウス)
キルティは、ニッと笑った。そして
キルティ)おやおや、また休憩しないといけないな。
そう言って、麗奈の手を引いた。
キルティ)さっき聞いたら、退屈で来たみたいだ。
キルティは、クスッと笑いトレイに近づくと
キルティ)人の子が休憩するよう仕向ける為に、相手するよう擦り寄れとお願いしておいた。
と、こっそり言った。
キルティ)人の子の見舞いに来た時もそうだった。人の子を気に入っているのだろう。NRCで女性なんて珍しいし。
キルティは、フッと笑った。
マレウス)幸い人の子も悪い気はしてないから、大丈夫だろう。
キルティ)そうか、ルークの嫌いなことはプライベートに踏み込まれることだったな。つまり、他の者のプライベートも邪魔しないってことか。
キルティは、アイスケーキを食べながら言った。
マレウス)ルチウスがどうしても行きたいと聞かなくてな。
キルティ)猫だけでは許可しなかったんだけど、たまたまトレインが現れてね。トレインと一緒ならと許可したんだ。流石にうちの寮、茨がいっぱいあって危ないからさ。
キルティは、困った笑顔で言った。
マレウス)おや、来ないのか?お気に入りがいるのに。
キルティ)可愛い花に今相手されて幸せそうなのに。
マレウスとキルティはニヤリと笑うと
マレウス・キルティ)寮に来れば、いつでもその花に会えるのに。自ら遠ざけるとは、変わっているな。
と、同時に言った。
キルティ)まぁ、来たければ来ればいい。
マレウス)決めるのは僕たちじゃない。
中の人)良かった~、ニュースで北海道とかに警報出てるって聞いたから、凄く心配した。
キルティ)ただし、トレインが同行だけどな。
キルティはニヤッと笑った。
マレウス)流石にお前一匹では許可は出来ない。
マレウスもヴィランな顔で笑った。後出しの条件にルチウスはまんまとハマってしまったのだ。
中の人)やっぱり。でも、被害は日本だけじゃないらしいね。ロシアも被害を受けてるらしい。しかも、日本よりもね。
キルティとマレウスは、とても悪い顔で、ニヤァっとルチウスに向かって笑った。サイエンス部は、2人の顔をうっかり見てしまい
モブ)・・・・・・・・・!
直ぐに目を逸らした。
中の人)ロシアは津波の影響で大洪水らしいですよ。
マレウス)何を言っている。僕達は笑っただけだぞ。
キルティ)そうそう、ただ笑っただけです。
マレウスとキルティはクスクス笑った。ヴィランの笑顔は悪い顔が笑顔なのだ。
その頃、オクタヴィネルでは
アズール)もう少しで2人も帰ってくるでしょうし、一応、厨房や客席の確認をしておきましょう。仕込みがなかったり、埃が落ちていてはいけませんからね。
アズールは一足先に、寮に帰り、開店前の見回りをしていた。
マレウス)クローバー、自分の顔を直してからにしてくれるか?
マレウスは悪い顔でトレイに言った。キルティは、ルークの方を見てふと思った。
キルティ)そう言えば、ルークやカリム、シルバーはいつもの笑顔もあるが、ニッコリと笑うことも出来るな。どうしてだ?
キルティ)私達はヴィランだ。故に笑顔は、今のマレウス様と私がした顔だ。だが、3人はまるで太陽のような笑顔を出来るから、不思議だなぁって、思ったのだ。
キルティ)私達はそれが普通だ。ヴィランだからな。でも、どうしても君達みたいにニッコリ笑うことが難しいんだよね。よっぽどの事がない限り、ニッコリ笑えないよ。でもカリム達は、いとも容易く出来るから、びっくりするよ。
マレウス)見事に寝ているな。
キルティ)人の子の傍は安心するのかもしれませんね。
中の人)昨日は出来なくてごめん。めっちゃ忙しかった。
キルティは、サイエンス部の教室を出た。そして、心配そうな顔をしながら、何かを探しているトレインをたまたま見つけた。
キルティ)トレイン、忙しいところすまないが、ちょっと来てくれるか?
トレイン:ルチウス!
ルチウス:…オ゛ア?(寝起き)
トレイン:こんなところで昼寝してたのかい? すごく探したよ(スリスリ)
ルチウス:…zzz(安心したのかまた寝て)
マレウス)人の子にベッタリだったからな。
マレウスはルチウスを見ながら言った。
キルティ)だが、そのおかげで、人の子もいつも以上に休憩出来ただろう。感謝するぞ、ルチウス。これはお礼だ。
キルティは、そう言って、高級猫缶を3つ出した。
キルティ)トレイン、ルチウスへのお礼だ。渡しておくよ。
キルティは、不敵な笑みを見せて言った。
麗奈:毛だらけ…
トレイ:こりゃ落とすのが大変だな
ルーク:麗奈くん、使うかい?(ブラシ)
麗奈:ありがとうございます(まさか、持ってるなんて思わなかった…)
トレイン:ではフォルン、ドラコニア、失礼する
キルティ)じゃあ、私はそろそろバイトに行きますね。
キルティは、時間を見てマレウスに言った。
マレウス)ああ、皆が揃ったら、行かせてもらおう。
キルティ)それでは、お待ちしています。
キルティは、そう言って、部屋を出るとオクタヴィネル寮へ向かった。
キルティ)待たせたね。直ぐに着替えるよ。
キルティは、急いで、オクタヴィネル寮の寮服に着替えると、帽子を被った。
キルティ)これで良しと。
キルティが着替え終わると、アズールが来たところだった。
アズール)キルティさん、今日はお願いします。
キルティ)ああ、分かった。
アズール)では、開店しましょう。本日もお客様からマドルをぶんどりますよ。
キルティ)人の子は体調を崩しやすいみたいでな。バランスが取れるようになったら、またバイトに復帰させてあげるよ。
キルティは、困った笑顔で言った。
キルティ)それに、私がバイトの時は、来るようにするからそう残念がらないでくれ。人の子は、一生懸命何だけど、そのせいで睡眠時間や休憩時間を削る傾向があるんだ。疲れが溜まってる時に、バイトに出て、誤ってコケた時に、皿を割ったり、料理を台無しにしたりする方が困るだろう。困らなくても後々、人の子が後ろ指を指されたり、陰口を言われたり、冷やかされたりするのも気分はよくない。人の子も嫌だと思うし、辛い思いをするからな。だから、暫くは無理だ。
キルティはジェイド達にそう言った。
キルティ)私達と違って人の子は、ここの世界の事は何も知らない。だから、調べる事も多いし、自分の実験に必要な材料などもメモしていてな。調合の注意事項なども。そのせいで、睡眠時間を削ったり、部活の休憩もさほど取らなかったせいで、先日も体調を崩したんだよ。睡眠時間はこちらで手を打つけど、休憩時間は、同じ部活の者に、取らせるように頼んでおいた。休むように促せとな。
キルティは、少しため息をついた。すると、ホールからアズールがやって来て
アズール)3人とも、話していないでホールに来てください。最初のお客様がお見えになりましたよ。
アズールは、少し怒っていた。
キルティ)行かないといけないね。この話はここでお開きにしよう。早速出迎えないとね。
キルティは、不敵な笑みを浮かべて言った。
キルティ)いらっしゃいませ、何名様でしょうか?
キルティは、リリアに笑顔で出迎えた。後にはマレウス、シルバー、セベク、麗奈がいる。
キルティは営業スマイルで
キルティ)では、お好きな席へどうぞ。
と、言うとホール内に響くように
キルティ)5名様、入りまーす。
と、言った。その様子をアズールは見て
アズール)キルティさんは、本当に仕事が板についていますね。
静かに言った。
セベク)全員決めてから、改めてお呼びします。
セベクは、ジェイドにそう言った。マレウスは麗奈の見つけた料理に興味を示し
マレウス)ほう、なら僕はその料理とオリジナルドリンクにしよう。
と、即決めた。
ジェイド:かしこまりました
リリア:おお、こちらのカレーの米はイルカの形をしておるのか、わしはこれじゃ
シルバー:クラゲのパスタ…面白そうだ。これにしよう
セベク)僕は冷製カルボナーラにします。熱いカルボナーラが冷たいことに興味が湧きました。
マレウス)皆、飲み物はどうする?
セベク)勿論、オリジナルドリンクです。
キルティは、厨房で食器を取り出したりしていた。その時、皿の色が前回と違い、黄色や緑色の皿があることに気付いた。
キルティ)あれ、皿の色増やしたのか?
マレウス)人の子、言われるまでする必要ないと思うぞ。それも考えていたせいで睡眠時間を削ったのだろう?
マレウスもため息をついた。
麗奈:はい
シルバー:アズールたちなら大丈夫だ。お前の知恵はかなり役立っているし、現にもうドリンクは俺たちの注文で品切れになってしまった
キルティ)人の子、一度ハーツラビュルの体験入学を受けてみるか?期間は1週間だ。あそこなら、スケジュールに学校のルール、及び寮でのルール、更には1日で終わらせられる勉強量など、全て理解することが出来るぞ。理解することが出来れば、今後学校でも、寮でも、休憩時間や睡眠を削ることは無いだろう。リドルはルール違反には容赦ないからね。体験入学と言えど、1週間はハーツラビュルの寮生、同じように厳しく扱うさ。
キルティは妖艶な笑みで言った。水を入れながら言った。
マレウス)ローズハートはその辺りは律儀だからな。
マレウスも頷いた。
セベク)一度、リドル先輩の寮で休憩や睡眠時間がどれだけ大切か思い知るのと、今までどおりの生活を少しずつ改善していくのとどちらかを選べばいいだけだ。
マレウス)分かった。なら、1度だけチャンスをやろう。これから1週間、部活中に、クローバー達と同じように休憩をとり、決まった時間に就寝したら、改善の見込みがあると見なす。ただし、1週間以内に休憩を取らなかったり、就寝時間が大幅に遅れた場合は、即ローズハートに連絡を取り、1週間のハーツラビュル寮、体験入学をしてもらう。安心しろ、実験のキリ悪い時もある。クローバー達もそれを分かっているだろう。僕らも人の子が、夜しっかり眠れるようサポートする。
マレウスは、妖艶な笑みで言った。
マレウス)勿論、今だけじゃない。今後も、今言ったことが守れなかったら、ローズハートに伝えるからな。
マレウスは、妖艶な笑みを見せながら言った。
キルティ)あれは躾でもあるんだ。君のやる絞めるのと比べたら、充分良心的だ。あとこっち手伝って。3番と5番の料理出来上がってるから持っていって欲しいの。
キルティは、フロイドのストールを掴んで、フロイドを厨房へと引きずって言った。
キルティ)派手すぎず、シンプルすぎないバランスの取れたメニューだからじゃないか?一応、絵は見させてもらったりしているんだけど。派手すぎると注文する時、勇気がいるし、シンプルだとありきたりだから、頼まないこともある。
キルティは、そう言いながら、レシピを見ていた。
アズール)麗奈さんがいても売上は上がりますが、麗奈さんの考えたメニュー目当てで来る方も多いですからね。売上はどちらも同じくらい上がります。
アズールはにこやかに言った。
キルティ)アズール、休憩に入るぞ。少し疲れた。今の内に賄い食食べさせてくれ。
アズール)分かりました。休憩入っていいですよ。見ての通り・・・人手はありますので・・・
アズールは、ヴィラン顔で言った。
キルティ)(ジェイドとフロイドに脅されながら動いている様に見えるんだけど、気のせいかな?)
キルティはホールの様子を見ながら思った。この時、ディアソムニアは、涼しい顔で食事をしていた。麗奈も皆に守られながら食べていたので、鉄壁のガードだった。
キルティ)(無意識に黙々と食べてたのかな)
キルティはリリア達の様子を見てクスッと笑った。そして
マレウス)僕もだ。
セベク)僕もです。
マレウス達も、無意識に平らげたことを聞くと
キルティ)(あんたらもかい!)
と、心の中で関西弁でツッコんでいた。
麗奈:はぁ、満足~
フロイド:小エビちゃん、たくさん食べてくれてありがとう。これ、おまけだよ(海をモチーフにしたマカロン)
キルティ)まぁ、海をモチーフにしたものを作るのは、珊瑚の海出身の君達にとってはお手の物だろう。
キルティは、そう言いながら、お冷を注いでいた。
キルティ)レオナと同じにならなきゃ、いいんじゃないか?フロイドだって、自分だけ留年して、アズールとジェイドと離れるのはごめんだろ?
キルティは、ニヤッと笑った。
アズール)今日の売上も期待出来そうだ。
アズールは売上を見ながら笑っていた。
キルティ)お客様、ただいまのお時間でラストオーダーとなります。追加注文はございますか?
キルティは、マレウス達に追加のメニューを聞きに来た。
マレウス)僕はコーヒーを貰おう。
セベク)僕は紅茶です。
キルティ)かしこまりました。少々お待ち下さい。
キルティは、笑顔で接客し、注文を受けると厨房へ向かった。マレウスは、その様子を見ていたが、注文のことを思い出し
マレウス)人の子は、早速2杯目を頼んだな。
と、麗奈に言った。
マレウス)人の子自身も、気に入っているのだな。
マレウスはフッと笑った。
キルティ)お待たせしました。
キルティは飲み物を持って来た。
マレウス)ありがとう。
セベク)いただきます。
キルティ)ご注文は以上ですね。ごゆっくりどうぞ。
キルティはそう言って、伝票を置くと、戻っていった。
マレウス)そうだな、コーヒーも美味いが、人の子の作ったドリンクは確かに美味い。
マレウスはフフッと笑った。
セベク)確かに、今まで味わったことのない味だったな。僕もそれは認める。
マレウス)先程の言葉は忘れるなよ。
マレウスは麗奈を見て不敵な笑みを見せた。マレウスの言った言葉とは、1週間、規則正しい生活を送ることだ。1つでも失敗すれば、即リドルの寮で1週間、過ごしてもらうことになっている。
マレウスは、麗奈の様子を見ると、麗奈の頭に手をおいて優しく撫でた。
マレウス)僕らもサポートすると言っただろう?1週間出来たときには、贈り物を授けよう。
キルティ)それは良かった。だが、私はホール担当だ。その礼は厨房の者達に伝えておくよ。
キルティは、飲み物のコップを下げながら言った。
麗奈:ジェイド先輩、フロイド先輩、またきますね
フロイド:帰らないで~、遊んでぇ~(ベタベタ)
ジェイド:こらこら、フロイド。そんなことをしたらマレウスさんに寮ごと燃やされてしまいますよ
キルティ)フロイド、君が人の子の為に作った料理、人の子がすごく美味しかったってさ。
キルティは、浮いてフロイドの耳元で囁いた。
キルティ)だから、離してくれる?
キルティは、そう言うとフロイドの首に手を這わせ
キルティ)・・・ね?
と、目を見開き、牙を剥き出し、恐ろしい笑顔でフロイドを見た。その顔は誰もがゾッとする顔だった。しかし、麗奈達には見せられないので、麗奈達には普通に笑って言っいるように幻影魔法を掛けた。
キルティは、フロイドから手を離すと、営業スマイルで
キルティ)先に帰っておいて大丈夫です。
マレウス)分かった。なら、先に戻っているぞ。
キルティは、手を振って見送った。そして、厨房担当のモブに
キルティ)皆、リリアが料理美味しかったって言ってたよー。
と、先程の事を伝えた。
キルティ)なるほど・・・
でも、私の顔を伺いながら作る方がもーっと大変なんじゃないかな?
キルティは、ヴィランな笑顔を浮かべながら言った。
キルティ)まだ、マシな方だぞ。本気はもっと怖いから。
キルティはクスクス笑った。そして
キルティ)まぁ、リリアが褒めてたことを伝えに来ただけだから。
キルティは、そう言って、厨房を出ていった。
キルティ)モストロ・ラウンジのホールって広いだろ?だから、開店したばかりは、皆動きは早いんだけど、後半は足が疲れて、動きが遅くなってるんだよね。
キルティは、前半の様子と後半の様子を見せた。前半は、皆急ぎながらもしっかり動いている。しかし、後半は疲れが出て、足取りも重く、歩幅も小さい。
キルティ)これでは、客の回転率が悪くなる一方だ。
キルティ)だから、足の負担を軽減させて、尚且つ回転率を良くする靴をフロイドに履いて欲しいんだ。安心しろ、私も履くし、フロイドのサイズはちゃんと用意してある。
キルティは、フロイドにある靴を見せた。それは靴にローラーがついた所謂ローラーブレードだった。
キルティ)そんなことない。踏ん張れば、すぐ止まるし、改善点が見つかったら、それは魔法で補うよ。取り敢えず、立ちやすいように、4つローラーがついた靴にした。縦に4つ並んでいるのもあったがこうやって端に一つ一つ付いた方が安定しやすいと思ってね。今はフロイドだけだけど、大丈夫そうなら、皆にも渡すよ。まずはフロイドの感想を聞きたかったからさ。
キルティはニッと笑った。
キルティ)まだ、小さかったか。なら、魔法で大きくするよ。
キルティはローラーブレードをフロイドの足のサイズに合わせた。
キルティ)これで履けるだろう。
ジェイド:おやおや、楽しそうですね
フロイド:ジェイド、真珠先輩がこれで滑れば回転率上がるんじゃないかって
ジェイド:そういえば、AI搭載の配膳ロボットだってありますね?
キルティ)ロボットも考えたんだけど、あれ動きが遅いんだよね。それにメンテナンスが定期的に必要でしょう?だから、自分のペースで動けるものがいいと思って、これにしたんだ。それに君達、人の足に興味を持ってるみたいだし。
キルティはニヤッと笑った。
フロイド:真珠先輩の提案で、これなら早く仕事ができんじゃないかって
ジェイド:配膳ロボットはメンテナンスなどでかなりお金がかかりますからね
アズール)確かに、これならホール担当の方の負荷は軽減されますね。しかし、うちの寮にはローラーブレードを乗りこなせるのはフロイドぐらいしかいませんよ。
アズールは、キルティにそう言った。フロイドはすっかりジャンプしながら滑ることまで出来ていた。
キルティ)確かに、今はそうだ。だが、私が何の考えもなしにこんな事を提案すると思うか?
キルティ)ホールを担当する者には教えるんだ。私が特別講師になってやろう。1週間みっちり教えれば、誰だって乗りこなせるさ。
キルティがにっこり笑った。しかし、アズールは呆れた顔でため息をついた。
アズール)何言ってるんですか?教えてくれるのは嬉しいですが、教えてもらってる間、モストロ・ラウンジを閉めるなんて出来ませんよ。その間、誰がホールを担当するんですか?
キルティ)教える者にはこれを飲ませればよいだろう。
キルティは、透明な魔法薬を見せた。
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