匿名さん 2021-08-25 21:44:33 |
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亜口聡来
〉片岡さん
(どんな自分でも変わらずに受け止めてくれる、懐が広いというのは彼のような性格を言うのだと思う。しかし、何故何も出来ない自分を囲うのかが長年の謎で、うかがうように彼の顔を見た。だが、目の前にあるのは普段通りの友人の顔だけで、諦めて頷くだけにして。たまに、向けられる縋るような瞳だけが気掛かりで、しかしそれほど本件に関わるものとは思えず記憶の片隅にやる。)
ありがとう。ああ、お前は俺と背丈はそんなに変わらないからな、普段運動してて良かった。
(重かった事を素直に伝えるが、決して嫌味ったらしい言い方にならないように気をつける。それほど大変、というわけでもないから平然とした語り口にはなるが、嫌がられていないことに本心では酷く安堵していた。全て平らげられた皿を見て、次に相手の満足げな表情を読み取り、作って良かった、と微笑みが自然とでき、やらずにはいられないらしい彼の申し出に、宜しく頼む、と結局最後は彼に頼る形になって。)
なら、丁度いい。なんだ、怖いのか?
(予定の事も判明し、今日は一日彼に時間を使えるのだと、ワクワクしてくる。自分の気持ちを自覚してからはじめての二人きりの時間で、余計に気持ちが高鳴ってしまう。)
まぁ、見ればわかるだろう。
(暫く無言で、二人リビングの机に向かい合わせになって映画を鑑賞する。冒頭、子供達の無邪気な笑い声が聞こえるところからスタートする。次に画面が切り替わり学校から友人を引き連れた子供が家に帰って来る。主人公らしい少年は、彼の家に行きたくないようで必死に腕を引っ張っている、まるであの頃の彼のようで微笑ましく思いながら見ていると、古びた家には誰もいないらしく、やけに子供達の声だけが響いていた。それから映画時間で三十分程、怪談話に熱中していく姿が映し出され、映像の中の時刻は深夜になる。それから、一時間程でいよいよホラーな場面になる、その最中劇中の家の話に触れられた。子供が親を埋めるシーンが映像で流れて、顔を逸らしたくなる程ではないが執拗に土をかけるシーンが気味悪く、気を紛らわすように手を組んで子供の犯行を見守る。エンドロールになり、終わったな、と彼に声を掛けて。)
砂月幽平
〉近衛さん
結婚!?無いです無いです!あっははは、急に言うからびっくりするじゃないですか!恋バナしましょう、こんな時間ですし。元気な子と緑が好きな子ですか!近衛くんらしいなぁ、どこかにきっと、いますよ。俺は、どんな事があっても、自分を好きでいてくれるひとですね。ははは、何だそりゃって話ですが。
(まさか結婚、という単語が出て来るとは思わず眉が跳ね上がり、次の瞬間には笑い声をあげていて。独身といったから聞いたのかもしれないが、彼の年で結婚を視野に入れる交際を考えるとは、一途なのか?と思って。どんな事があっても、というのは本当で、それを語るときは自然と落ち着いた口調で、最後は気まずくならないようたははと笑って。)
あの有名な映画ですか?たしかにアレがもしいたら、流石に怖いかもしれません...はは、まぁ何かしらは入っているでしょうから、出てはくるでしょうねぇ。そんな大荷物で?はははは、想像したらおかしいですよ。くっ、おかしい、近衛くん。そこまでしてなんできたいんですか?あっはははは。
(大量の虫対策商品を手に持って自宅にやってくる姿はおかしくて、想像だけで笑えると一人ツボに入ってしばらく笑っていて。彼の変に一直線な思いがむず痒いような、けれど不快感はなく不思議な気分で、笑いすぎて出た涙を拭いながら彼を見て。)
大丈夫です、俺は......人に対して嫌われる方の立場なんで、誰かを嫌うという選択を取れる人間では無いんですよ。ははは、近衛くんのような素敵な方なら尚更です。自信、持って下さいよ。財布も拾ってくれて、家にあげてご馳走してくれる、優しい良い所があるんですから。
(自信を失わせてしまった、と罪悪感に襲われ、今日までの彼の印象を伝えながら笑顔で励ましてみた。少し自虐的な事を言ってしまうが、少し自分の事を知ってもらいたい気持ちもあったので、怯む事はなかった。)
これ以上飲むとトイレが近くなりそうなんで、お言葉だけちょうだいしておきます。それはそうと、ゲームしませんか?さっきみたソフトの、久しぶりに遊びたくなってしまいました。帰るのは、それからでも平気ならもう少し、ここにいさせてもらえないでしょうか?あまり、その...家には帰りたく無いんです。
(帰る、と勘違いさせてしまったらしいことが分かり、軌道修正をかけていく。こんな姿を見せるのは初めてで、どういう顔をするのが正解か分からずつい、いつもの取り繕った笑顔になってしまって。変に思われないか?思われてもいいが、嫌われるのは、少し嫌だな、と彼に抱かなかった恐れの気持ちが胸に沸いて。)
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