ビギナーさん 2021-07-25 07:08:21 |
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>アザレア・ホワイト
「っ……綺麗…」
(昔は栄えていたであろう。そんな面影すらもう感じられない朽ち果てたこの場所に、不釣り合いな景色が広がっていた。様々な花達がひしめき合って咲いている。足を止めずにはいられなかった。思わず口を衝いて出てきた言葉はありきたりだ。しかしそれ以外の言葉は見つからない。それほどまでに絢爛だ。来てみて良かったと思う彼女の目的は、勿論この場所に来る為では無い。此方の方面に珍しい薬草があると噂に聞いたもので、取りに行こうと向かっている道中であった。薬草など無くとも自らの能力で病気や怪我を治す事は出来るが、偶にはアナログな方法も取り入れてみようかと興味を持った為である。それに能力と一緒に薬草を使用する事で、能力単体では治りにくかった病気や怪我が治りやすくなるかもしれない。そういった経緯から通り掛かっただけであるが、自然に足は花の方へと向いていた。近くまで来るとしゃがみ込んで風に揺れる一輪のピンク色の花に目をやった。可愛らしさについ微笑む。花に夢中で周りの事など気にもしていなかった。こんな所に自分以外の誰かがいるとは思っていない為余計に無警戒であった。ちょうど廃墟となった建物の僅かな死角になってこの花達の主がいる事に全く気付かずに。)
(/素敵なお子様に絡ませていただきました。絡みづらい奴かもしれませんがよろしくお願いします。)
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