▼ 2021-05-08 17:42:32 |
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>花城さん
あ、家政婦さん……。
( 一番の懸念はどうやら取り越し苦労だったようで、あっさりと否定されてしまえば幾度かの瞬きと共に間抜け面で彼の言葉を復唱し。ともあれ二人の仲に割って入る空気の読めない男にならずに済んだと胸を撫で下ろしながら、慌ててシートベルトを外し彼の背中を追いかけて。豪勢な家の造りにいちいち感心しながら中へ入れば「うっわ、可愛い!ミニチュアダックスだ」彼に向かって飛びつく小型犬の姿に即座に反応し、一目で犬種を言い当てればだらしなく頬を緩めて可愛い可愛いと連呼する。ふと愛犬に向ける彼の表情が今までにないほど優しいことに気がついて、こちらも余計に顔が綻んでしまう。恐怖心を与えないために不用意に近付くことはせず、穏やかな声色で話し掛けて自己紹介を )桜ちゃん、はじめまして。俺の名前ね、勇心。花城さんにお世話になってます。
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