鼠は静かに花を視る　［　戦闘　／　三つ巴　］

　　　▼ 用語説明


　＿＿２０６７年日本。
　科学技術が発展、それと同時に温暖化による水位の上昇で日本の土地面積はかなり減り、都会は高層住宅やビルで空が遠いもののように、田舎は人口減少により廃墟と化していた。そんな日本を変えるために政府が行う政策が「　日本革命　」であった。


　＿＿日本革命。
　日本の土地面積の減少や少子高齢化、貧困層の問題等を解決するための政策。具体的な発表は総理大臣不在により延期。ただし、その革命には「　咲き人　」と呼ばれる何かが関係しているという。


　＿＿咲き人（　サキビト　）。
　その存在は極秘とされている。ことの始まりは、とある女性からだった。急な腹痛の訴えにより病院へ搬送。そこで医師が目にしたものは、臍から生える一輪の花だった。見た目は薔薇のようで、色は血のように真っ赤。それを見た医師は直ぐに国立病院へ報告。その後、女性は政府の機密機関へと隔離される。　研究者や医師の研究結果は驚くべきものであった＿。　現在日本国で発見されている咲き人の数は５０人。とある日を境に咲き人は現れなくなった。　咲き人の発現は原因不明。その効果も未発表。


　＿＿猫の面。
　総理大臣射殺事件の際に、国民の情報ツールを乗っ取り宣戦布告をした者。　咲き人の解放を求める一般人で編成された武装集団。メンバーは皆顔を隠すように猫の面を付け、何処で入手したかもわからない武器を使用。銃からナイフやら、どんなものでも使う。　皆はその者たちを「　金花猫（　キンカネコ　）」と呼ばれている。


　＿＿嘲笑う者。
　金花猫の宣戦布告を聞いて嘲笑い、咲き人の抹消を願う者。闇に身を置く極道者で、丹波組若頭。　東京の闇を統べると言っても過言ではない、今やその名を知らぬ闇の者はいないとされる丹波組の若頭で、その生歴は不明。　前頭が路上で拾ったと言われている。咲き人全てを葬るために少人数で動いている。皆はその者たちを「　八咫烏（　ヤタガラス　）」と呼ぶ。　咲き人発現の理由を知る者。


　＿＿カプセルの前に座る者。
　政府の機密機関に所属し、咲き人の守護を命じられた者たち。皆はその者たちを「　狛犬（　コマイヌ　）」と呼ぶ。常に咲き人の監視、保護、世話をしている。咲き人たちが唯一普通に会話することのできる者たちで、咲き人たちにとっての光でもある。


　＿＿鼠。
　神出鬼没の情報屋。咲き人の発現理由、その利用価値、日本革命の真実などありとあらゆることを知っているが、ただでは渡さない。　この日本という小さな島で起きている小さな戦争を、ただただ視るだけの傍観者。その者は自身を「　窮鼠（　キュウソ　）」と呼ぶ。





　咲き人を巡る、闇の戦いが始まる。