面白くない世界/〆

御影「うん……！べルキア、怪我してないといいなぁ」
(相手の後ろにひょこひょこと着いていきながら、降り出した雨に対して「あーめあめふれふれ」と、能天気に口ずさんで)

椿「……ねぇ、何か落ちてる」
(少し歩いたところで、道端に何か物影を見つけ。小さい縫いぐるみが落ちているようで、不思議に思って距離を縮めれば、その縫いぐるみはベルキアであった)

御影「あ……べルキア…………！」
(相手と同じく距離を詰め、その落ちている物陰がべルキアであると視認するなり、小走りになってべルキアを抱き上げては相手に見せながら「縫いぐるみになっちゃってる」と報告)

椿「ベル！」
ベルキア「…ボクもうボロボロだよォ…！……御影も居ないし、あの黒猫ちゃんは“契約”してたし！」
(抱き上げられた縫いぐるみの手足がばたばたと動いて、そう声を上げる。悔しいことに惨敗だったらしく)

御影「ごめんねべルキア…………大丈夫……？痛くない…………？」
(ぬいぐるみ姿のべルキアをヨシヨシと頭を撫でてやりながらギュッと軽く抱きしめては、黒猫ちゃんという言葉に少し考えていては、色んな言葉を羅列し始めて)
御影「……………………怠惰、スリーピーアッシュ……イブ……………………べルキアを傷つけたのもその2人…………じゃあ……お仕置しなきゃ…………」

ベルキア「御影がいればボクが負けることも無かったんだぞォ～」
椿「へぇ…兄さんが主人を持った……ねぇ。もう契約なんてしないと思ってたのに。」
(ぶーぶーと文句を垂れ流すベルキアに対し、ぶつぶつ小さな声で呟く椿。椿が自分と同じように彼女が何か言っていることに気付くと、落ち着いた声色で呼び掛け)
椿「帰るよ、御影。」

御影「ごめんね…………べルキア…………」
(文句を言っているべルキアに、シュンとしながら謝り、怠惰とその主人に対して敵対心を燃やしていれば、相手に声をかけられる。一度落ち着くことにして頷き)
御影「うん…………帰ろ」

*
ベルキア「完☆全★復☆活★！」
桜哉「……うるせぇ、」
(拠点へと戻ってベルキアを数分休ませただけでこの元気の戻りよう。もう人形ではなく人の姿に変わっており、それを桜哉が冷たい視線で見つめ)

御影「よかったねぇ…………」
(べルキアの回復っぷりをみて、桜哉の隣でぱちぱちと拍手して、その後クッションをむぎゅーっと抱きかかえている。本音はもう少しぬいぐるみべルキアを抱きかかえていたかったらしい)

ベルキア「こォんなに可愛いベルキアちゃんを攻撃するなんてぇ……、ほんっと、あの黒猫ちゃんってばどうかしてるよねェ！」
(元気を取り戻したからこそ、怒りが戻ってきたらしい。ぷんぷんと頬を膨らませ、ソファの上でばたばた暴れており)

御影「よしよし…………いい子いい子……」
(ソファの上で暴れる相手を宥めようと「黒猫はお仕置しないとだね」と言いながら相手を撫でていて。そして、どこからかクッキーを取り出しては食べつつべルキアにも「食べる？」と尋ねてみて。怒っている相手への御影なりの気遣いだろう)

ベルキア「……ん、食べる食べるゥ」
(ぴた、と暴れるのをやめるとソファに座り直し、クッキーを貰えるということでご機嫌で)

御影「いいよぉ…………はい、どうぞー」
(暴れるのをやめて座り直した相手を見ては、クッキーの入った缶を手渡して、自分は6歳ほどの姿になってクッキー缶を渡した相手の膝の上に座ってみて)

ベルキア「ありがとォ☆★☆……ほーら桜哉ァ、クッキー貰っちゃったァ★☆★」
桜哉「……黙って食え」
(小さくなった膝上の彼女の頭を撫でながら、隣でスマホに視線を落とす桜哉へ絡んでおり)

御影「…………桜哉、『まどれーぬ』食べる…？」
(撫でられて満足気な様子。そして、隣でスマホを弄っている桜哉を見ては着物袖の中からマドレーヌを出しては差し出してみてる。ちなみに袖の中には秘蔵のおやつがそれなりに入ってるようで。もう一個別のマドレーヌを出してる)

桜哉「『まどれーぬ』…？おう、」
(スマホから視線を外し彼女の手からマドレーヌを貰うと、包装を開けてそのまま口へ運び)
桜哉「ん……うっま」

御影「んふふ…………よかったねぇ…………」
(相手の感想に満足そうな表情を浮かべては、自分もマドレーヌを頬張り。もぐもぐと咀嚼しているが、マドレーヌで少々頬が膨らんでおりハムスターを彷彿とさせているが本人は全く気にせず。)

桜哉「……」
(マドレーヌを囓りながら、ちらりと彼女の方を見て。何も言わずにスマホのカメラを起動すると、マドレーヌを頬張る彼女の写真を撮り)

御影「…………？」
(なんか撮られた気がする。ふと桜哉の方を見ては首を傾げて見せて。そしてその間も変わらずにむぐむぐとマドレーヌを咀嚼していては、飲み込んで「……撮った……？」と首を傾げたまま尋ねてみて)

桜哉「……なんでもねぇよ」
(何もやってません、というような素振りを見せつつ、先程撮ったばかりの彼女の写真に視線を移せばふ、と笑いをこぼして)