着ぐるみパンダさん 2020-08-02 17:23:34 |
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金髪青目の騎士が来る数分前。静寂の空間の中で、再び、鎖の音が鳴り始める。
「 転化したようだな 」
死んだはずの女が手足をしゅん動させ、うめき声を上げ始める。しかし、そのむくろと化した女は、ゾンビとしての活動を始めるにとどまらず、足先から頭にかけて生前の数倍もの火炎を波立たせる。
「 確率的にはわずかだが、異能を持つ者のゾンビ化は、自らの異能を数倍強化した形で引き継ぐ。だからこそ希少価値が高い 」
瞬く間に溶解されたゾンビの手足を固定していた鎖。同時に、炎の放出量は小さくなり、部屋は静寂と暗闇を取り戻す。
「 無意味な火炎放出を抑えるとは…まさか、知性もあるというのか 」
「そこで何をしている?俺はエドワード・ルイス…騎士だ」
俺は後ろを振り返る。
「 ……っ、 たすけてぇ! 」
とっさに俺は叫んだ。
「 き、騎士さん、目の前のこいつから、わ、わたしを助けてください…っ! 」
自由の身となったゾンビの体中のあちこちから、炎が放出し、再び全身を一つの大きな炎に包み込んだ。
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