着ぐるみパンダさん 2020-08-02 17:23:34 |
通報 |
>176
「お任せください。丁度鍛錬を終えた帰りでしたので」
用事はなかったのかという問いに当たり障りのない解答で応える。
両腕で抱える程の資料からしてステラは激務の只中に在るのかもしれない。
ただでさえそんな状態でかつ上官の彼女に、先程まで寝ていてやることもないので軽く見回りに出たなどと言えるはずもない。
とにかく心配は無用であるという旨を伝え、ズシリと来る資料の山を引き受ける。
(お顔の痣はどうされたのでしょうか……)
紙の束が取り払われてステラの顔がハッキリ見えるようになると、ゼクシアはその頬に真新しいものと思われる青あざを認めた。
他でもない自身が左頬の醜い傷をコンプレックスとし、誰にも知られまいと仮面まで付けて隠している手前、ずけずけと負傷の経緯を訪ねることなど出来るはずもない。
どうしたものか――少し悩んだ後で、遠回しに訪ねてみることにした。
「参謀室での職務や雰囲気はどのようなものなのでしょうか?」
少々唐突に思われるかもしれないが、不自然とまでは行かない程度の問いを投げかけた。
トピック検索 |