刀鍛冶の語り部 2020-07-24 08:42:17 |
通報 |
"単語説明”
刀
刀剣類を指し示す単語ではなく、雲来と呼ばれた刀鍛冶が打った刀剣、あるいはそれに属するものを指し示す。羽を斬り、鋼を断つなんてのは当たり前。加えて絹のようにしなやかな鉄で出来ていたり、はたまた鉄以外で打たれていたり。形状も日本刀や槍は勿論鎖鎌や篭手など様々。必ずしも刀とは限らない上に、剣術を記した指南書のような武器ですらない代物も存在する。
等々どれもこれも名刀を凌ぐ究極の刀でありながら刀剣としての域をはみ出したものであり、普通の人間から見れば常軌を逸した作品にしか見えない。しかしながら扱えた暁には、数万の大軍に匹敵する武力を使用者に授ける。
また雲来の執念の篭った妖刀でもあり、刀の真価を見抜ける実力者ほど刀に魅了されてしまう。但し『見ず』『動かず』のように己に制約を貸さねば使えぬのだという。制約を破れば様々な災難が降りかかるといい、現にとある武士が禁を破った所、唐突に折れた刃が額に突き刺さり絶命したんだとか。
雲来
天下の絶剣、その腕に勝るものなしとされた大剣豪。分厚い甲冑だろうが城壁だろうが羽衣のように断ち切り、太刀の一振で雲が割れた等の様々な伝説を残す最強の男であり、今でも数多くのものが雲来の高みを志して修練に励んでいる。しかしながら三十を越した際に突如として姿を消し、その一年後に唐突に江戸にて刀鍛冶として刀を打ち始め、数千に渡る刀を残しこの世を去った。
刀を打ち始めた理由は己の力量に耐えうる刀を作る為とされており、結局その目的を果たせぬまま亡くなったという。
天剣招令
江戸幕府がより出された、『雲来の刀を持ち寄った物には褒美を与え、中でも特に多く持ち寄った五名には位と土地を与え幕府直近の大名とする』というもの。商人や農民ですら大名となれるという破格の約束を記したものであるが、真の狙いは雲来の刀という危険極まりない代物を回収すること。刀が集まるのならば土地と位程度安いものである、という事なのであるが、そんな目論見を知るものなど居るはずもなく、現在も刀が幕府へと集められている。
しかし刀を持つ者の多くはその魅力に取り憑かれており、自らの刀を差し出さずに褒美を貰うべく、他の刀剣所有者を襲うことで刀を回収している。結果として合戦のような大規模なものでは無いにしろ、人同士が争う決闘があちこちで起きる羽目になっている。
お付き人
刀を回収すべく出した天剣招令であったが、多くの者が他人を殺め奪った刀を差し出し、結局己の刀を所持したままとなる事例を見かねた幕府が各地に出向かせた幕府直属の配下。その目的は刀集めを行う者を始末し刀を持ち帰る事であり、その目的を達成できるよう選りすぐりの強者が選ばれる。とは言っても刀集めを行うものは一癖も二癖もある雲来の刀を意のままに操る化け物じみた者たちばかりであり、返り討ちに会う、なんてことも珍しくはない。
トピック検索 |