ストーリーテラー 2020-07-15 23:39:22 |
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>>リープ
(自分で言い訳と白状してしまう、素直な彼女。笑みが浮かんでしまわないように、固く表情筋を引き締める。ふう、と息を吐き、鈍い金色のドアノブを睨みつけた。どうにかやり過ごせたようだ。彼女がくるりくるりと踊るように体を回して部屋から出る。……少し、惜しいことをしたかもしれない。そんな思考を振り払って、彼女の言葉に耳を傾けた。体の大きくなるクッキー、お菓子の家にガラスの靴……そして出口。まるで夢のようだ。実はまだあの日の王子が来る前で、自分も彼女も眠っていて、あの王子すらも悪夢だったんじゃないか、なんて。思わず口角が綻びかけてしまってすぐに口許を手で押さえる。彼女にバレていないかと伺いながら、言うつもりもなかったことがまろびでてしまって)
「ハッピーエンドだなんて、素敵ございますね」
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