ストーリーテラー 2020-07-15 23:39:22 |
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(深い深い眠りから不意に意識が浮上する。ぱちり、と長く簾のように掛かったまつ毛を持ち上げて見回したソコは_あの日、見知らぬ人ばかりの見知らぬ広間を出た後、落ちるように眠りについた部屋で間違いが無い様子。そっとベッドから脚を下ろし、立ち上がると長い眠りに慣れ切った身体は鉛のよう、声はまるで錆び付いた電話のよう。王子様無しで迎えられた目覚めに驚くことも無く、この部屋から出れば…そう、もしかしたら今度こそ眠りから覚ましてくれた王子様がいて、いつものお城に戻っているかもしれない。あんな見知らぬ広間は悪夢の延長線なのかもしれない、そんな期待を胸に、そっとふらつく脚で扉へと向かっては金色のノブを捻り…もしこれが悪夢の続きだったとしても、廊下に誰かが居るのではないかと願うように隙間から顔を覗かせ)
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