あ 2020-05-21 09:59:00 |
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>如月さん
「………………」
(ただ、呆然とした。そんな言葉を言われたのは、初めてだったから。)
「…………そう、ですか……」
(自分には利用価値がないと、長くはいられない。だから、多くのことを身に付け、多くのことを学び……人に関わる術も身に付けた。幼い頃から、いまに至るまで……そうすることで、『空という大人』は救われている……つもりだった。)
「……僕にも……ぼくにも…できるん、ですね。」
(空は子供である暇がなかった。頼られ、必要とされ……ずっとそれを繰り返し、大人になった。空は無自覚に、子供として過ごす日々を忘れ、逃してしまっていた。そして体は皮肉にも成長が止まり、「子供のまま」で止まっていた。)
「……おせじ、だとしても……いわれたのは、はじめて……かな………」
(まだ、彼は己の過去を話さない。それは今は必要がないから、と。それに……この時に、空は薄々気づいた。……代わり用のなかった自分は、救われるときがちゃんとあるんだ、と。)
「……まぁ……えっと………ごめん。……こういうとき……なんていえばいいか……わかんなくなるね…。……うん、じゃあ…………一言だけ。」
(『大人の空』は、幸福の連鎖を望む。では、もうひとつの諦めていた願い……『子供の空』の願いは…)
(明確な変化……動かなかった顔の筋肉が、僅かに動く。わずかではあるが……優しげで、笑っているとわかる顔で…一言。)
「……ありがとう…!」
(『心から、誰かと笑える日を迎える事』……その願いが叶う日は、ここできっと迎えられる。……空は、そう確信した。)
(/長文失礼しました!)
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