毛利元就(無双) 2020-05-17 06:21:23 |
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(廊下の奥からバタバタと足音がしたかと思えば急に開かれた障子戸、そこに立っていたのは焦りを隠せぬ様子の彼女で。この場に現れるとは思わなかった為、傷を負ったことを誤魔化す言葉も直ぐには思い浮かばず困った様に後頭部へ手をやりながら「いやはや、みっともない所を見られてしまったなぁ」と彼女から視線を外すと痛みに表情歪め。自らの側へ駆け寄るなり手を翳すなりその手から零れる緑の光の眩しさに思わず瞳を閉じるが、光が段々と収まるに連れ先程まで感じていた鈍い痛みは消え去り。寺で彼女の治癒の力を一度見ていたが、あの時とは傷の深さが違う。確かめるように腹部に触れ血に染まっていた布を取り去り確認するも、血を流し続けていた傷口も今は片鱗すら残さず癒えている。出血の為やや青ざめてはいるが痛みが無くなった為に気が楽になったのか表情は穏やかさを取り戻し、幾分か冷えた指先で涙を浮かべる彼女の眦を親指の腹で拭ってやり)泣かないで、朱莉殿。君のお陰でほら、傷はすっかり治ったよ。ありがとう、君には本当に感謝してもしきれない(安心させようと彼女の手を取り傷のあった場所へ触れさせると、ふんわりと微笑みかけながら感謝の意を示すように頭を下げ)
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