おんなのこ 2020-05-15 14:21:05 |
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……そう。良いわよ、ネコが野垂れ死んでも困るもの。
(ちくりと胸を刺すような痛みが走る。きっとただの妹にしか見られていない。それどころか彼女が恋情を抱くことすらあるのだろうかわからない。苦しいなんて口には出さず、あくまでも冷静を装う。何でもないように取り繕うのは得意なのだ。「だから安心して世話焼かれてなさい、ネコ」年下とは思えない口振りで肩をぽんと叩く。彼女を心配するのは自分だけで良いなんて、言えない癖に。拍手に対しては特に反応を見せずにケチャップで飾るも、呼び止められたのに続いた言葉にはケチャップを取り落としそうになってしまい。良いように解釈して構わないのか、単に気紛れなのか。振り回されてやらないと考えているのに、一言一言に一喜一憂してしまう。「馬鹿よね、ほんと馬鹿」ぐるぐる、ぐるぐる。頭の中には沢山のクエスチョンマークが回り、考えが纏まらない。逃げるように皿とスプーンを持って台所を後にするとテーブルへと乗せて。お茶を用意しながら、雑談かのように告げ)
ネコは我が儘よね。私がいなかったらどうなるんだか。今だけじゃなくて、これからも頼りなさいよ。
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