Autophobia ＊ 〆

初ノートンくんドーナッツってまた大袈裟な…そんな有り難がるような物じゃないよ、それ。けど…はぁ、君にそんな風に頼まれたら聞かない訳には行かないだろ。トレイシーさ、段々僕の扱いに慣れて来てない？気の所為かな（　裾を引く姿を見て溜め息　）どういたしまして。僕の所に来てくれたのは素直に嬉しかったし、君の可愛い寝顔を見られたのは思わぬ収穫だったよ。僕で良ければまたいつでも。噂なんて勝手に言わせておけば良いさ。夜這い先の僕が受け入れてるんだから何の問題もないだろう？…正直言うとちょっと、ほんのちょっとだけ怠い。でも今は膝枕よりも君によしよし、ってして貰いたい…駄目？（　上体を前に傾けると頭を肩口にぐいぐい押し付けて　）

前なら手が届かないって思っていた君が、今は少なからず僕を求めてくれてるって考えたら…ゾクゾクする。もっと欲張ってくれて良いんだよ？僕もそれに応えるつもりだし。……う、うーん、冗談が冗談に聞こえない…本当に心臓が飛び出して来そうな勢いで見ていて心配だ。やっぱり一旦離れるから落ち着こうか。君の死因になるのは遠慮したい（　名残惜しげに手を離し　）訊いても良いけど答える気は無いよ。どんな意味かってやきもきしてる君が見たいからさ。勉強しなきゃいけないなんて事はないけど、しといて損は無いんじゃないかなぁ。ただ僕の性格的に、優しくって言うのは保証出来ない。…ね、どうしよっか？（　悪戯っぽく口の端を微かに持ち上げて見せ　）

君に聞いて良かった。僕が思い付かない組み合わせも出てきて聞いているだけで想像が膨らむ。ジョゼフさんとナイエルさんは出身も同じだしきっと価値観も合うだろうね。彼女はジョゼフさんにとって天敵とも言えるサバイバーの一人だから、そこ含めてロマンのある組み合わせだ。ハスターさん、イライさん、ジルマンさんは一度動かしてみたかったから、是非呼んでみたいな…森育ちのモウロさんと狩場の番人のベインさんは一見相性が良さそうだけどどうだろう？…他の人たちにも触れたいんだけど、また恐ろしく長くなりそうだから割愛させて貰うよ。
同時に進めるとしたら一度に何組が負担が少ないんだろうか。僕の中では一言二言、行で言うと三行程度を想定しているから、三、四組くらいかな？僕が前回纏めた順だと、ウィリアムとエミリーさん、ルカとピアソンさん、ルキノさんとピアソンさん、イソップとデミ、二回出てくるピアソンさんの扱いにもよるけど、この辺りが最初組だね（　ふむ、 ）

…何か勘違いしてるみたいだけど、これはただの八つ当たり。君の優しさに付け込んでこれまで遣り場の無かった鬱屈とした感情をぶつけてるだけで、別に深い意味なんて無い。まだ分からないなら教えてあげるけど、僕は元来とても利己的で卑怯な人間なんだよ。君が天使だろうが悪魔だろうが或いは他の何者だろうが、僕には慈悲を掛けて貰ったり苦心して何かをして貰うような価値すら無いってこと。どうして君にはそれが…──え？え、あ、トレイシー…？（　零れた涙を見た途端に面食らったように目を瞬かせ　）……ごめん、ごめんね、嘘でも前向きな事が言えない僕で本当にごめん…お願いだから、僕の為に心を痛めたりしないでくれ……ああ、もう、君を泣かせるなんて最低だ…（　小さな頬に両手を添えると親指の先でその目元を懸命に拭い　）君の世界は狭くなんか、無い。どこまでも鮮やかで際限なく広がってる。それを間近で見ていた筈なのに、あんな酷い事を言ってしまって…良い人の振りをしてみたけど駄目だね、こうやってどんどんメッキが剥がれて行くんだから。…こんな僕は間違いなく君に相応しくないよ。けど君が望んでくれるなら、僕は何処にも行かない。君の隣に居る。いや違う、僕自身が、隣に居させて欲しいんだ…はは、頭の中がぐちゃぐちゃで、自分でも何言ってるか分かんないな。……君を好きになっちゃって、ごめんね（　自分に向けられた相好に目を見開くと、直後に泣いてるとも笑っているとも取れるぐしゃりとした表情を浮かべて　）