Autophobia ＊ 〆

此処では時間なんてあってないような物だし、何なら夜中におはようノートンくん、って朝食持って来てくれても構わないよ。まぁ確かに返信を見た時には随分遅いランチタイムだなとは思ったけどね（　くす　）君のことを後回しにしろって言うのは無理な相談だな。と言うかそのドーナッツは持ち帰って良いよ。ロボットの修理や研究をしている時にでも食べると良い。…折角僕を頼って来てくれた訳だし、もう少し格好付けたかったなぁって言う僕の意地みたいなのが働いちゃって。何にせよ僕の言葉が少しでも君の助けになったのならこんなに嬉しい事はないよ（　照れ笑い　）…意識していたのは僕だけだと思ってた。あんまりにもナチュラルに来るものだから、トレイシーにとっては普通の事なのかって…隣で君が寝てるって考えたら変に緊張してしまって、結局あの日は一睡も出来なかったな…（　遠い目　）

覚悟も何も、僕の視線はいつだって君の方にしか向いていないよ。目移りなんてした事ないのに、それでも未だ物足りないんなら君はとんだ欲張りだな。…君は小さいからこうして屈まないとよく見えないんだ。嫌なら言って。すぐにでも離れるから（　呟きながら相手の顎に軽く指を掛け上を向かせ　）え、うん？好きだよトレイシー。何事に対しても勉強熱心な姿勢は立派だね。丁度目の前に僕が居るんだし、良ければ僕が教えよう（　同意エモートぐっ　）

…そうだね。トレイシーだけがこの荘園でたった一人、心許せる存在だよ。言われるまで気が付かなかったけど、ウィリアムって文武両道の人なんだな。おまけにあの人好きのする性格だし少し羨ましい…なんてね。それに僕の解釈が間違っていなければ、彼はこの荘園内では珍しく後ろ暗い部分が殆ど見当たらない人物だと思う。そういう意味では彼がエミリーさんに与える影響は少なからずあるんじゃないかな。セルヴェさん…って言うと、確かウィリアムの過去にも関係がある人だね。いつかのゲームでは彼と一緒に参加していたんだっけ…。僕から見たピアソンさんは年長者なのに独特の茶目っ気があってどこか憎めない、けどやっぱり底の方に偏執的な物を抱えた人という印象だね。ピアソンさん本来の姿が見られるかは分からないけど、平素とはまた違った一面を覗かせてくれると思うよ。同陣営なのもあって比較的和やかに進行出来そうなのはルカ、ハンターとサバイバーって言う関係上一定の距離を持ってややひりついた雰囲気になりそうなのはルキノさんってイメージかな。サーカス組の三人については背景を薄くなぞった程度の知識だけど…壮絶としか言いようがない。特にマイクが笑顔の裏でどんな気持ちでツェレさんやジョーカーに接しているのかを考えると、同情とも憐憫とも違った胸の詰まるような感情が込み上げてくるよ。

色んな組み合わせが出て来たから纏めると、ウィリアムとエミリーさん、ルカとピアソンさん、ルキノさんとピアソンさん、イソップとデミ、マイクとツェレさん、ジョーカーとツェレさん…ジョゼフさんとマリーさんも興味があるから加えておこう。興味ついでに提案すると、意外かもしれないけどナワーブとマリーさんも最近気になってる。山岳部の兵士と宮殿の王妃様って言う組み合わせが、僕としてはこう、ぐっと来ると言うか…（　そわ、 ）何組か並行して一言二言短めに話をさせてみて、その中で気に入った一組を選ぶやり方も面白いんじゃないかな。僕じゃ絞り切れないから、その時は君が選んでくれると有り難いんだけど…勿論、他にもお勧めのペアが居たら是非僕にも教えて欲しいな。

痛みに優劣はない…それでも君の話を聞いていると、君が僕とは別種の人間だって事をまざまざと痛感させられるよ。なんてったって君の痛みと僕のそれとじゃ質が違う。分かるかい？もう手遅れなんだ、何もかもがね。だってその未来って言うのはとうの昔に来ているから。暗闇を避けて忌まわしいあの地から遠くに来てみたけれど、過去は亡霊みたいに纏わりついて離れない。頭にこびり付いて忘れさせてなんてくれない。肉体は此処に在っても魂は彼処に置いて来たまま。この顔にある醜い傷跡は、僕にとって呪いであり楔でもある。…意味が分からないよね、ごめん。少し…少し落ち着くよ…。君を嫌いになるなんてとんでもない。それどころか君を知る度に惹かれて行く僕が居て辛いんだ……ねぇ、どうして数居る人たちの中で僕なんかを好きになってしまったんだい？考え得る限りで最悪の選択じゃないか。ロボットやカカシに恋している方がまだ健全と言えるだろうな。君のその選択が、この狭い鳥籠に閉じ込められているが故の一過性の過ちだと信じたい。これまでに多くを失ってもなお前に突き進もうとする君が、よりにもよってこんな下らない男に足を取られるなんてこれ以上に悲惨な話はないだろう？取り返しがつかなくなる前に、頼むから僕を拒絶して。嫌いになって。ここまで来たらもう、僕の方から君を手放すなんて事は出来ないんだよ…（　ケロイドに這わされた手に自らの手を重ね、そのまま強く握り締めて　）