>>ルナ 歌声は静かに地を這い、風に乗り、水の様に広がっていき、火のように人々の心を舐め上げて往く。 その声は甘く優しいのに、心の臓を握られているような、身体中の体温を奪われる様な心地がする。 進めば進むほど、当然その声は近くなっていく。 やがて現れた魔女は紅玉のような瞳で、地面に転がった人々を愛おしそうに眺めていた。