庭師 2020-02-24 15:38:21 |
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>ユリア
____嗚呼、時間だ。さて、茶葉とこれを持って帰れ。
( ぴり、と体に静電気のようなものが走る。やや躊躇った後、銀の懐中時計を取り出し、針が何処を示しているかを確認して。軽く溜息をつくとパタン、と蓋をして、台の上に置いてあった茶葉の箱を巾着袋に入れ、先程の花と一緒に彼女の手に握らせる。ここに来た人間は幾ら可笑しな記憶でもここでのことは忘れることはない。しかし、胸にほんの少しの寂寥感を落としてしまうのも事実。静かに彼女の耳の頭に近づけば「……また来い、今度はちゃんともてなすから」と囁き。すう、と空気に溶けるように消えていった彼女を見送る。ここで手に入れたものはそのまま持ち帰ることができる、願わくばあれらのものが彼女の癒しになるように。瞼を閉じ、くるり、と邸のある方へと方向を変えて / 返信不要 )
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