匿名さん 2020-02-13 00:36:20 |
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…妾はここ長い間、眠りについておったのじゃ。十年……いや、正確な月日など記憶しているわけではないのじゃが…
(相手から尋ねられた"会いに来た理由"、どこから話したら良いものかと考えを巡らせていたが、一呼吸のちポツリポツリと言葉を紡ぐ。自分と相手との出会いは遥か昔のこと――惹かれ惹き合い、契りを交わし。伴侶となり子を成す時に妖狐は我が子に自分の妖力を分け与えてしまう為、その前の準備として長い眠りにつかなければならなかったこと。再会を約束して自分は眠りにつき、相手は現世を生きて時期がくれば自分を起こしにくるはずだったこと。しかし、自分を起こしにくる者はいつまで経っても現れることはなく…結局、自然に目覚めてから相手の姿を求めてここまで来たことを話して聞かせる。ずっと起こしにも来ず、姿を見せない相手のことを不思議に思っていたが、記憶をなくしていたのならその事にも納得がいく。むしろ「眠っていた妾はお前様の夢を見ながら一瞬の世を過ぎただけじゃ…。生きて現世の時間を生きた龍の字の方が遥かに苦労も多かったであろう…。」と相手の境遇を不憫に思い。此方もまた相手とは反対の方向に向きを変えることで背中合わせの体勢となり、触れるよりもっと近く密着するような形で体温を分け合う。「すまなかったのぅ、龍の字…」と呟くように相手に伝え。)
(/ありがとうございます。さて、実は物語開始時からずっと語り続けていた背後ですが、遂に下がる時でしょうか!)
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