トピ主 2020-01-27 08:26:42 |
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(威勢がいいのは鬼ヶ島で会った時から同じだが、それが洗濯物に向けられているのだと思うとどうもおかしくて、クスクスとまた小さく笑う。相手が次々と洗い上げていく衣服を竿にかけ、綺麗にシワを伸ばして均等に並べていると、鬼とちゃんと和解することだってできるのではないかと思えてくる。鬼退治の時はどうしても鬼を止めなければならなくて、大勢の鬼を前に戦う道を選ぶしかなかった。こちらもお供を引き連れていたし、話し合いができればなんて思っていたけれど、到底できる状況じゃなかった。でも今ならば、きちんと心から分かり合えることだってできる気がする。現に紅鬼は今しがた最後の洗濯物を終えて高笑いしているのだから。確かに粗暴ではあるけれど、もっと相手のことを知りたい、そしてもっと近づいてみたい、それが今の素直な気持ちだった。こちらも最後のひとつを干し終えるとそのタイミングでそよ風がなびいてきて、真っ白になった洗濯物たちが揺れるのを見ると清々しい気持ちになり、自然と深呼吸をした。相手のもとに戻ると労いの笑みを浮かべて)
お疲れ様、君のお陰で俺だけでやるよりかなり早く終わったよ。ありがとう、紅鬼
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