【第五人格】真夜中の談話室

君に正論ばかり言われると納得する前に反発したくなる…ケーキと厚意には罪は無い。理由は何であれ美味しい物を分けてくれたんだ、ナワーブは無骨かと思えば全員への思いやりもあって、つまり良い奴だな。折角だから少し食べておくか。(もはや反射的な頑固さが視線を右へ左へ彷徨わせ。ケーキの箱を両手で包んでいたが、日々命がけの中で忘れてしまってもおかしくないような事を守ってくれたその優しさに感情が動かされ箱を胸元へ引き寄せて。ナワーブが席を立った後ひっそりバタークリームを指で掬い美味しさが笑顔で現れ)コーヒーで丁度良いんじゃないか？イライやエマが不在だとハーブティーの選択が難しいからね。先生とナワーブにおやつを見つけてきたから遠慮なく食べてくれ。なんだいナワーブ、コーヒーを飲めない程私が子どもだと言いたいのか？見縊るなたかだか一杯のカフェインでどうかする訳じゃない。(発掘した大人味のパウンドケーキには紅茶よりコーヒーの方が相性が良さそうだ。二人に夜中のおやつを指し示しつつ首振り否定。大人と共に夜更かしという非道徳的行為は大人社会への所属の欲求を満たしていたのに、気遣いか嫌味か分かりかねる言葉で動きが一時停止。これ見よがしに熱いコーヒーを啜りツンと澄まし)

ワンちゃんが私に妥協を求めようとするのがそもそもの間違いだと気付いたかなナワーブ君。チョコレートを貰っておいて喧嘩をふっかけるような男ではないと信じていたよ。へぇ、羨ましいのかい。女性から男性に贈るべきだなんていう古臭い観念をまさか未だにお持ちで？貰って嬉しいだのそういうポジティブな反応なら来年の事も視野に入れたのに残念な。とはいえ君への日頃の感謝をチョコレートが代弁してくれたのならそれは良かったと思う。