依存症

…なになに、何か揉めてるの？良かったらこの愛さんに話してみなよ、ビシッと解決してあげちゃうよ
(大学への進学も決まり半ば消化試合となった退屈な授業を真面目に受けていますよというポーズだけとりながら、頭では帰りは彼と何をしよう、どこへよって帰ろうかなどということを考えているうちにあっという間に1日が終わって。帰り支度をしていち早く彼の教室へと向かおうとすると教室の前の方で数人の生徒が集まって何やら剣呑な雰囲気を醸し出していて、既に放課後で帰るだけなのだから自分には無関係と流してしまえばいいのだが言い合いをするような声が耳に届くと、喉に何かが張り付くような不快感と息苦しさのようなものを感じると、そんな内面的な負の部分を一切感じさせない明るい調子で輪の中に割って入っていき。話しを聞くとどうやら今日の掃除当番であった生徒が一人サボって早々に帰ってしまったらしく、その抜けてしまった人の分担場所を誰が請け負うかということで揉めているようで、それぐらいのことなら…と時計を確認してから「なるほどねえ…それなら愛さんがやっていってあげるよ。……ふっふっふっー、いーってことよ。どーせ大学も決まっちゃって余裕で暇人だし？」結局自分がこの場を引き受けることにして、口々にお礼を言ってくる生徒たちへ軽口を叩きながら箒を肩に担ぐように分担場所である昇降口へ向かおうと教室を出て)