王様 2019-11-28 22:46:41 |
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そなたには敵わんな…わかった、今日の仕事はこれまでとする。これまで我慢させた分今日は一日エミリアの為だけに私の時間を使うと約束しよう
(国王としての仕事と妻、どちらが大事かを問われると正直なところ妻と答えてしまうぐらいには心底彼女へと惚れ込んでおり、一国の王としていかがなものかとは思うが自分の気持ちを偽ることなど出来ようはずもなく。今のような姿になる前の儚げで影のある雰囲気の彼女も魅力的ではあったが、ここ最近の明るく純真な彼女は幼い子供のような容姿であることなど関係なくより心惹かれていっている自分がいて。そんな相手の最後の一押しが決め手となりようやくペンを動かす手を止めると机へとそっと置き、重ねられたひと回り以上も小さな手をとり瞳を細めて微笑んで「今日は城を出るつもりなのだろう?お忍び故あまり自由はないかもしれんが、私が誠心誠意そなたをエスコートしようぞ」先程窓の外を見て城の外へ想いを馳せていた相手の言葉を思い返し、立ち上がれば軽々とお姫様抱っこをして)
本当?すっごく嬉しいわ!私の我儘を聞いてくれるのは貴方しかいないものね!(お姫様抱っこをされると彼の首に腕を回しこれ以上ないくらいの幸せそうな笑顔を向ければ、お礼とばかりに頬に軽く口付け。お城の外に出るのはいつぶりだろうか、今の身体になる前は病で弱っており部屋から出ることもあまりなくいつも窓から外を眺めるのが日課になっていて、日々がつまらなくそれでいて寂しい気持ちが勝り気分も乗らないことが多く。しかし今の身体になってからは以前にも増して元気になり何をするにも楽しくこれまで出来なかったことを全力でできるようになれば日々は楽しく毎日が幸せに感じていて。「ええ、そうよ!まずどこに行こうかしら?お天気もいいからお散歩をするのも楽しそうよね!貴方に任せてもいいかしら?」とわくわくしながら彼の顔に視線を向けて)
我儘…?はて、私にはそれがなんのことやらわからんな。私は単にそなたと共に過ごせる時間を大切にしたいと自己判断をしたまでのことだ
(軽く伸び上がるようにして口付けてきた彼女のことを愛おしむような目で見つめて、我儘だという言葉に対して自身はあくまでも己が他の何事よりも愛する妻との時間を優先したかったからそうしたというだけで我儘を言われているという自覚などは全くないとしらばっくれ、不敵に笑うとお返しだとばかりにこちらも相手の頬へとキスをしてから最後に床へとゆっくりと降ろしてやって。城を出た後のことを一任されると行き先や何をするかについて少し考えて、久しぶりに城下町へと降りてそこで今日という特別な日を二人で過ごすのも悪くないかもしれないと考え、平和で治安がいいおかけで城下の視察ということで申請すれば恐らく問題なく城下町へと向かう許可も下りるはずで「それならばまずは久方ぶりに、共に城下を見て回るとしよう。そなたが城下へ出たのなど最初にこの国へやってきて婚約のお祝いの式典に参加した時ぐらいのものだろう?」何故城下へ誘ったかといえば、やはり王族として外へ出る機会なども限られている以上はこんな時でもないと滅多に自国の城下を見ることも叶わないとかんがえての判断で)
そうなの?でもありがとう。あんなに仕事が溜まっているのに私を優先してくれて本当に嬉しいわ。(こちらの言葉にしらばっくれている様子の彼に柔らかい笑みを浮かべ改めてお礼を告げれば、机に置かれていた大量の書類の山を思い出し仕事を後回しにしてくれた彼を愛おしそうに見つめて。その後行き先が城下町だと分かればぱあっと表情は益々明るくなり、目を輝かせ早く行きたいと言わんばかりに興奮気味に彼の手をぎゅっと握れば「城下町に行くのね?それは大賛成よ!あの日以来城下に下りることがなかったから楽しみだわ!あの時がすごく懐かしく感じるわね…それにこの国の人達が皆温かく見守ってくれて私のことを歓迎してくれて…とても幸せよ。ね、早く行きましょ!」当時の婚約の式典の事を思い返せば国同士の約束事での婚約とはいえ、そんな事など関係なく温かい眼差しで迎え入れてくれた事は国王である我が夫の人柄も関係しているのではと改めて誇りに感じながらも、外へと続く廊下を歩み始めて)
それはエミリア、そなたが素晴らしき女王となる素質を兼ね備えた魅力あふれる女性であったからだろう。あの時は皆がエミリアのことを見ていた、私は少しばかり妬けてしまったよ
(あの式典での彼女に対する注目具合は相当なもので、当初はやはり国同士の約束という一見するとネガティブな要素がついて回りそうな婚約であったのは事実だが、あの時点で自分も彼女ももはやそんなことなど関係ないと言える程までに愛し合っており、そういった思いが国民にも伝わったのだろう最終的には盛大に明るく、皆が心から自分たちのことを祝福してくれたという確信を持てるような日になって。そんな中で見目麗しい彼女のことを見る目が多かったという事実に嫉妬に似た感情を抱いていたことを明かせば冗談っぽく朗らかに笑いつつ、城の出口へ続く扉を彼女の為に開けてやり。城を出て城下へとやってくれば小柄な彼女を人混みから守るように繋いだ手を軽く引っ張って自身の方へと寄せ、いくら治安がいいとはいえ自分と相手は一国の王と女王であり、特に今は自分の身を守れる力が全くと言っていいほどないぐらい幼い見た目の彼女のことは自分が守らなければという気持ちが一層強くなり「エミリア、久方ぶりの城下に気持ちは逸るかもしれんが私の側は離れてくれるなよ」ついつい熱が入ってしまい、繋ぐ手にほんの少しだけ力が入りすぎてしまって)
自分では分からないけどそんなに私に魅力があったのかしら?だけど貴方も注目されていたわよ?すごく高貴な目で他の女性達から見られてたわ。(自らに注目を浴びせられていたという事実を聞けばその当時は全国民に顔見せということで緊張していた事の方が大きかったためあまり覚えておらず、代わりに国の王である彼にも黄色い歓声混じりの声が飛び交っていた事を思い出して。その後城下に着けば人々がとても楽しそうに買い物をしたり子供たちが元気に走り回っている姿を見てこちらも気分は最高潮に高まって。しかし久しぶりの城下ともなればこちらのはしゃぐ姿が想像出来たのか先に釘をさされてしまえば少しばかり強く握られた手をぎゅっと握り返し「そんなに強く握らなくても貴方の傍から離れないから安心して?それに少しだけ痛いわ」過保護なまでに守ろうとしてくれる姿につい笑みが溢れるとくすくすと可笑しそうに笑い)
王として民から見て魅力的だと評されることは喜ばしいことではある…が、私としてはそなたから見てどうであるかの方が関心がある
(注目を浴び歓声が上がっていたという事実は国民から慕われるだけの魅力を持った存在であるということと同義で、そのことを素直に喜ばしく思うがそれは愛すべき妻である彼女にとってもそうなのだろうかと軽く屈んでそのまま顎先に手を伸ばしクイッと持ち上げて顔を近づければ彼女自身の想いを確かめるように問いかけ。ついつい、彼女のことになると気持ちを入れ込みすぎてしまいがちなのが自分の悪いところだという自覚があり、過保護過ぎると遠回しに告げられると手に込め過ぎてしまった力を僅かに緩め「ああ…済まない、そなたも子供ではないのだから心配は不要と頭ではわかっているのだが…」庇護欲をそそる彼女の容姿も手伝って最近は特に無自覚にそういった振る舞いをしてしまうことが増えたと自分でも気付いており、それはつまり対等に見ることが出来ていない部分があるのではないかと自問自答し自責の念にかられれば眉尻を下げて謝罪を口にし。しかし、せっかく二人きりでの久しぶりの外出なのだからいつまでもそんな後ろ向きな感情に引っ張られたままでは良くないと考え、人で賑わう城下を見回せば「兎に角町を見て回ろう、私も城下へ降りたのは久方ぶりだからな、恐らく色々と変わった部分もあるだろう」まずは特に目的も決めずに自由に見て歩こうと彼女の手を引いて歩き出し)
私から見ても貴方はとても魅力的よ。私が生まれつき身体が弱い事を知っていたのに私の事を愛してくれて…妻としてこの国に迎え入れてくれたもの。それにこんな姿になっても気持ちは変わる所か日に日に増していってる気がするわ。(こちらの想いを問われれば真っ直ぐに彼の瞳を見つめて嘘偽りのない言葉を並べれば、国同士の約束事での婚約ではあったもののそれとは別の感情を抱いてくれていたことに感謝の気持ちを込めながら軽く屈んでいる彼を小さな腕でぎゅっと抱きしめ。「ううん、いいの。それくらい私の事を大切に想ってくれてる証拠だから。」自責の念にかられている様子に気づけば気にしないでと言わんばかりに首を横に緩く振れば安心させるように柔らかく微笑み。その後手を引かれ城下を歩いていれば数名程から、ちらちらと周視線を感じながらもここで下手なことを言ってしまえば王が城下に来たと噂が噂を呼び大混乱をしかねないと考えれば静かに頷き彼の隣をただ歩いていて)
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