愛たい人 2019-11-08 19:18:27 |
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──とうに知っておるわ、戯け。
(雑種とは呼ばれたことは無く、名字でも呼ばれていない。この時点で、ある程度の価値があると認められ、興味を持たれている。神父の呼び方が名前から名字に変わったのは、価値が変わり、彼に優る程、興味を引く人物が出て来たからに他ならない。神父の呼び名が変わる頃から、夏音の呼び名は小娘から名前に変わった。今では、ある程度の事なら笑って許すほどの気に入り様で、それについては神父も把握している様子。ギルガメッシュ本人は"気紛れよ"等と答えを返しているが、消え入りそうだった声も容易く拾い上げたり、こうして連れ出していることからお気に入りであることを周りに隠せていないことは間違いない。最後に近付くにつれ、勢いを増す花火に、思う所が幾つかあるのか明かりに照らされる表情は複雑なものだったが、目を逸らすことも無く、それ以上喋ることも無く、終わりまでじっと見つめており)
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(繋がれた手をそっと握り返した。自分より少しだけ暖かい体温を感じながら後を追うように歩き出す。無事に乗り場から船に乗れば、緊張か期待かは分からないものの、今更早くなってきた胸の鼓動を落ち着かせるように空いた片手を胸に当て、ゆっくりと深呼吸を行った。一先ずは荷物を置く為に部屋へと共に向かい中へと入る。壁紙の張替えなどはしてあっても、大幅な内装の変化はなく、それがまた一層懐かしい気持ちにさせた。時代が移り変わる中、こうして変わらないものがあるのは良い事だ。願わくば、彼とまた一緒に来れますように。なんて、ひっそりと心の中で呟いた。同じことを思っているなんて露ほども考えていないようで、鞄を下ろすと窓へと近寄り)
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