愛たい人 2019-11-08 19:18:27 |
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凄い…綺麗…
(人の流れに逆らって進む彼に何処に行くのだろうと疑問を抱いていたのだが、辿り着いた場で見える景色はきっと一生宝物になるものだろう。産まれてからずっと花火というものを見たことが無かったのだ。いつも部屋で音だけ耳にしていた幼年期。美しいものなど見る機会は無いのだと思っていた。然し、今日は沢山の初めてを彼から貰えている。花火が美しく、そして儚いことも知ったことだ。こんなにも世界が楽しいことで溢れていることをこの人は教えてくれた。"大好き"そう呟いた声は花火の音で掻き消されるくらいに小さかったけれど、恥ずかしいから言えただけ満足だ。頬を朱に染めながらも空を見上げていれば、花火はクライマックスへと向かっていき)
***
ありがとな。ゆっくり休んでくれ
(返事をするかのように一鳴きしたピジョットをボールの中へと戻しながらも相変わらず心地良い風の吹くこの地に想いを馳せる。今でもそうだが、どうしてもレッドにだけは負けたくなくて焦燥しながらジム巡りをしていた気がする。悔しいが、強くなりたいと思って修行出来たのも我がライバルのお陰だとモンスターボールを撫でた。きょろきょろと辺りを見渡す彼女の手を取れば、アクア号の乗り場へと歩を進める。見知った土地の景色や雰囲気が変わらず嬉しいという気持ちに同意を示しながらも、数年後…同じように彼女の手を引いて此処に来た時もその感情が沸けばいいなと思った。自身と彼女との間に小さな子でもいれば……なんてのは気が早い話かもしれない。唯、いつか訪れるであろう未来を想像するのは案外悪くない心地がして)
ちゃんとチケットはあるし…よしっ、それじゃあ、乗るか…!
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