愛たい人 2019-11-08 19:18:27 |
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ふん…。
(渡された釣りを受け取れば、興味は失せたと言わんばかりに店主と店から視線を逸らす。片手に林檎飴を持つ英雄王など、きっと他の世界では見ることは叶わないだろう。礼に関しては上記のように小さく鼻を鳴らして答え、ベンチがある方を見ると頷いた。祭り等、受肉してからは1度も来たことは無く、この様な人混みの中を歩くのも多くの視線に晒されるのも久方振りな上、多少疲労感はあったらしい。然し、それを悟らせない態度は流石と言うべきもの。楽しげに駆けて行く子供を一瞥し、ベンチへと向かった。やって来たベンチは距離は近いものの、屋台が連なる道から少しだけ離れている。だからこそ人も少なく、どかり、と腰掛ければ林檎飴に被さっていた袋を取り、早速一口頬張った。"”不味くも美味くもない"それが正直な感想で、黙ったまま二口目を齧る。捨てたり押し付けたりしない事から彼女にもそれは伝わっている筈で。)
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…!
(幼い頃を思わせるような笑みに一瞬見惚れてしまうも、此方に向かって伸ばされた手に直ぐに我に返る。そして、その手を掴んで立ち上がると彼女の顔には高揚する気持ちを表すかのように明るい笑みが浮かんだ。まるで、初めて旅立ったあの日のようだ、と心の片隅で考えつつ、楽しげに笑い、グリーンを急かすように手を引っ張る姿は本人も気付いて居ないが、昔と全く同じと言っても良い程で玄関にて再び靴を履きながら"…今度からは服装もう少し考えなきゃなぁ”なんて独り言を残して)
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