白膠木簓 2019-10-03 21:10:21 ID:c50696174 |
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えっ、ちょ、っ…えー………(あれよあれよと言う間に座らせられてしまって、その隙間にぽすり腰を下ろした。何や隣座らへんの?と問い掛けるべく目の前に立ちはだかる彼に視線を上げた刹那、気付く。見上げた先には彼しか見えない事。周りの視線から遮断をしてくれた事。いつどこに居ても仕事柄を自分以上に配慮してくれる彼。口に出さぬとも自然とそう言う事をやってのけるその優しさと言うか、天然さと言うか。彼の作ってくれた壁に有難く隠れる様、キュンと甘く痛むその胸の痛みに耐える様にぎゅっと肩を竦めて縮こまる。その顔にはふにゃり、ゆるゆる…幸せと嬉しさと好きが溢れて柔く笑みが綻ぶ。そっと桃色に染まった頬の温かさを感じつつ片足を目の前に立つ彼の脚の間に緩り自然に差し込んで、ボトムス越しにそっと触れ合わせた。言葉も交わしづらい今、このくらいは許してくれるだろうか。不意にポケットの中で震えたスマホに気付いて、取り出して通知を確認。目に入ってくる‘盧笙’の名前。並ぶ文字に再びふふ、と幸せに笑みが零れる。誰にも知られぬ密やかなやり取り。これも声を上げる事で視線を集めるのを防ぐ為の気遣いだろう。彼のくれたメッセージに返事を打ち込む両手の親指は、軽やかに画面をタッチして『お前ほんまそういうとこ!』と、追撃で緩い落書きの様なキャラクターが栗を持って『びっクリ!』の文字が添えられたスタンプを送信。そして再び文字を打ち込めば、『おおきに』。そっと送信ボタン押して画面は閉じてしまう。今この空間を、彼との時間をしっかり楽しみたいから。言葉が交わせずとも目線も合わせられなくとも、二人でいるこの空間に浸りたいから――視線はそっと上目遣いに彼を見上げにこり、目元だけで微笑んで)
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