異世界転生録(百合)

私は朱莉ちゃんよりも遠距離はできないよ。でも(いきなりの振りにギョッとするもとりあえず俊敏な狼には火球が当たらないだろうから自身は敵の機動力を下げる事を注力して足縛りを唱えて)

「流石、呪術師！！やるじゃないの！！」
(機動力の落ちた狼では馬には追いつかず急いで森を抜けて平原に出ると「ここまでくればあの縄張りウルフもやって来ないわね」と依頼人が言うには先程の魔物は縄張りウルフと言って自分達の縄張りでしか狩りをしないらしいと説明すれば「さすがサヤカだね?」と相手を褒めて)

えへへ、照れちゃいますよ。でも何もなくてよかった(2人から褒められれば恥ずかしそうにフードを被り顔を隠すととりあえず何事もなく乗り越えられた事を喜び)

「そういえば道中で討伐した魔物の素材はあんたら2人の物だからね、売るなりなんなりして有効活用するといいわよ？」
(報酬とは別で討伐した魔物は自分達の手柄にして良いと依頼人から伝えられれば「やったー！！魔物倒してボーナス！！ボーナス！！」とじぶんはやる気を出し辺りを見回すものの魔物の姿は見えず、しばらくの間は平原を馬車で走らせていると特に魔物に襲われること無く平和な旅をしていれば「サヤカぁ、暇だねぇ‥‥って、あれ？急に暗く？」突然、辺り一帯が影に覆われると突然滝のような豪雨が降り注ぎはじめて)

うわぁすごい雨。そういえばドランではあんまり降らなかったね(ボーナスと張り切って魔物を探す相手にあくまで護衛だからねと嗜めると突然の大雨にビクッとし)

「あんたらどこ見てんだい！？上だよ上！！」
(突然の大雨に気を取られていると依頼人が大声を出したかと思えば空には巨大な鯨のような魔物が優雅に空を飛んでいて「え？何あれ？あんな大きいの勝てなくない？」と顔を青ざめるものの、鯨はこちらに気が付いておらず、自分達が向かっているワダツミの方角へと泳いで行って)

これはあまり触れない方が良さそうだね。魔物というより神様みたいだね(空を漂う大きな鯨をみればそのスケール感に圧倒されるもあれは自分たちには興味が無さそうなため気にするのをやめてまるで神様みたいだと称して)

「天空クジラは白金級の冒険者くらいじゃないととても倒せないからね、私達は運が良いわ」
(依頼人が言うには白金級の冒険者は先程の鯨も倒してしまうと呟くのを聞いて「うへぇ、サヤカ、私達もアレを倒せる日が来るのかなぁ？」と今の自分達では到底倒せそうにないので顔をしかめていると馬車は山の麓まで到着すればだんだんと暗くなってきたので「今日はこの辺で野営するよ？」と依頼人にこの場所でキャンプすると言われて)

そこまで行けるのはきっとほんの一握りだよ。私達は私達のペースでね。(相手の天空クジラへの感想にそう答えれば夜営をするという言葉に了解の意を示し自身が見張りに立つと告げて)

うん、そうだね、頑張ろう
(相手に言われてやる気を出すと見張りをする相手に対して依頼人と共に野営の準備をしていると「グルルルル…」
と周囲で何やら数体の魔物の気配が自分達を取り囲んでいて)

朱莉ちゃん、鬼火で光源を作ってくれないかな？(魔物の気配はするものの自分の呪いは黙視出来ないと意味がないため光源を作ってくれるよう相手にお願いして)

こう？
(相手に言われるがまま鬼火を作り出し周囲を見渡せるように鬼火を動かすと「ゲギャ！！」と数体のゴブリンが驚いて草むらから出てきたのを確認すればその内の一体にそのまま鬼火をぶつけて燃やしてしまえば「サヤカ、これでもう見えるよね！！」とそのままもう一体のゴブリンを一体斬り伏せて)

ええ。流石朱莉ちゃんです。呪う。汝らの足を縛れ。ごめんね、任せちゃって(視界が保たれれば見えてきたゴブリン達をまずは目標に近づけないために足縛りを唱えれば自身は一応馬車から離れることはせずに警戒したまま)

大丈夫！！
(相手の呪術のおかげでスムーズにゴブリン達を次々斬り伏せていくなかで一体だけがサヤカのほうへと接近し棍棒でおそいかかろうとしているのを見て「サヤカ！？一体そっち行った！！」と叫んで)

うわっと。これで刺して宝石に触れて(相手が逃したゴブリンに相手の声で気付けば体を捌いてかわしたところに短剣で一刺し入れれば新しい機能を使おうと短剣の宝石に触れて)

「ゲギャ！？」
(サヤカの攻撃がゴブリンにかすると毒が回るまで少し時間がかかる為、ゴブリンはそのまま怯まずにサヤカに攻撃を続けて「サヤカ！！あとはそいつだけだよ！！頑張って！！」と他のゴブリンは倒したと相手に報告しながら倒せなかったら自分がいつでも護れるように警戒はしていて)

うん。大丈夫。そのうち倒れるはず(相手の掛け声を聞けばすでに楔は打っているためヘイトを自分に集めない運動神経でかろうじてかわしながら無事をアピールして)

「 ・・・・ゲ、ゲギャ」
(最後のゴブリンも毒が回ったのかしばらくすると泡を吹きながら倒れてしまえば全てのゴブリンを討伐したのを確認して依頼人が馬車から顔を出すと「あんたら山賊ゴブリン
達相手にやるじゃないのよ！！ゴブリンは耳を回収すればギルドで報酬が貰えるわよ」と説明を受ければ耳を集めて「全部で8匹だね、やったね、サヤカ」と相手に耳を集めた袋を手渡して)

臨時収入は嬉しいけど……なんかやだね耳切るの(倒した魔物が討伐対象だったようで臨時収入になるのは嬉しく相手とも喜びあうがいざ耳を切って持ち運ぶことを考えると少しげんなりした表情を浮かべて)

まぁ、生首運ぶよりマシだと思うよ？
(相手の話を聞いてまだ生首をはこばなくていいぶん、マシじゃないかと思いながら「それじゃあ、あんたら見張りよろしくね」と依頼人は馬車の中で眠りに行くのを見て「さやか、強くなったね?、惚れ直しちゃうよ？」とこれ見よがしに相手にキスしたり抱きついたりして甘えはじめて)