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No.2
by 踊る案内看板 2019-06-02 22:42:35 ID:02c0ae1d9
第一章 ;歪なる邪龍;
「ここか…魔界の入り口ってのは」
小高い山の麓の岩の裂け目。その前に立つ青年が一人。顔立ちからして二十代前半と言ったところだろうか。大人ながらもどこか子供っぽさが残る顔で、髪は紫。癖のないそれは首の半ば辺りまで伸ばされ、前髪は少し目にかかっている。そして切れ目の蒼い目は、眼前の岩の裂け目の奥に見える黒い穴に向けられている。まるでこの世の物では無いかのような雰囲気を醸し出すその穴は、今いるこの世界とは異なる世界へと向かう為のワープホールとも言うべきものだ。